>>965続き)

あれは、処女作『Dr.インクの星空キネマ』の制作中で、「そろそろ出版社を決めなきゃ」という頃でした。

あの時、ある出版社の人から「西野さんの絵本をウチから出すのは構いませんが、
子供はカラフルで、丸いものが好きなので、絵のタッチは変えてもらいます」と言われ、
タモリさんと二人でプンスカしたことを今でも鮮明に覚えています(笑)。
「少なくとも、俺が子供の頃は、そんなものに胸を踊らせなかった!テキトーなことを言うな!」と(笑)
#大人気ない
#ソッコーで断った

僕が子供の頃に好きだったのは宮崎駿の『天空の城ラピュタ』であり、『カリオストロの城』であり、
『風の谷のナウシカ』であり、松本零士の『銀河鉄道999』であり、『宇宙戦艦ヤマト』でした。
絵本で好きだったのは『ウォーリーをさがせ』と、
絵本じゃないけど織田信長とエジソンの自伝が好きで好きで何度も読んでいました。
松本零士作品に出てくる宇宙人の“話し合いに応じてくれない感”がとにかく怖くて、
目を背けながら、それでも夢中になって、何度も見ていました。

タモリさんとは「皆はどうか知らないけど、せっかく覚悟を決めて作り手にまわったのだから、
俺達が子供の頃好きだったものを正直に作ろう」と約束しました。
そうして完成したのが0.03ミリのボールペン一本で描いた『Dr.インクの星空キネマ』で、
そのイズムは今でも続いています。

サロンメンバーの皆さんからすると、何度も聞かされた話かもしれませんが、何度でも言いたいことがあります。
それは、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本が過去最高の仕上がりになったことです。
#ニヤニヤ

「よく、ここまで辿り着いたなぁ」と自分でもビックリしています。
でもまぁ、自分の中から出てきたものには違いなくて、子供の頃から今に至るまでに見てきたモノ達が、
この場所に連れてきてくれたのでしょう。
そう考えると、子供の頃の僕の胸を踊らせてくれた作品、その作品を生み出してくれた作者、
その作品を届けてくれたチームには感謝しかありません。