「国民の意を汲み、国民を第一と想う独裁政治」か。また何やら怪しげな言葉が出てきたな。
この者は、人間は不完全と言いながら何故、指導者(個人なのか政党なのか知らんが)に全て
を委ねる事が出来るというのだろうか。民主主義を否定する理由として民衆は信用できなと言いながら。
どんなに高潔で誠実で優秀な指導者でもやがては腐敗、劣化するものだ。初期において善政を
施したとしてもやがて私欲や野望に取りつかれ暴走する可能性を抱えてしまう。そうすれば
容易に全体主義体制に陥ってしまう。一旦指導者原理を取り入れてしまえば民意により暴走した
独裁者を排除することは難しく、民衆による武力闘争や外国勢力の介入を招き国家は疲弊する
事になるだろう。このようなリスクを冒してまで独裁制を取り入れるメリットはあるのだろうか。
懐古主義と言う言葉は、脳みそだけ100年前にタイムスリップしている原理主義者達にこそ
ふさわしい。
それと、私は何も民主制が最高かつ理想的な政治体制などと語ったつもりはない。
民主制とて多くの欠点や弱点を抱えている。だがそれは他の政治体制にしても同じことだ。
逆に言えば民主制が最悪とも決めつける事も出来ぬのだ。
そもそも、私が民主主義が現時点の人類社会で最良(=最も適切)と言っているのは特定の政治
思想に基づく理論的帰結ではない。厳然たる事実だ。これを否定するなら私とは価値観が
全く異なるためいくら言っても無駄だろう。