「卵子老化」もっと早く知っていれば、社会に響く夫婦の慟哭…不妊治療費1500万円「暗いトンネルを、ただ歩いていた」


「この腕でわが子を抱くという、ささやかな夢をかなえることができなかった。みんな普通に子供がいる生活をしているのに」

大阪府に住む矢川道子さん(48)=仮名=は、ちょうど2年前、約10年にわたる不妊治療にピリオドを打った。

長い治療の道のりを振り返るとき、4年前、6つ目に訪ねた診療所で医師から告げられた言葉を、今も忘れることができない。

「卵子は老化します。その影響で、妊娠が難しくなっています」

「卵子の老化」という聞き慣れない言葉に、自らの希望が阻まれるとは思ってもいなかった。

8歳年上の会社員の夫と結婚したのは平成14年、37歳のときだった。それまで得意の英語を生かした仕事にやりがいを感じ、
婚期より仕事を優先していた。結婚を機に退職。子供は自然に授かるものと思っていたが、兆候は現れなかった。

半年後、不妊治療を始めたが、言い出しづらさがあって親にも友人にも相談できず、焦りも募って次第に孤立感を深めた。
16年と19年に2回妊娠したが、いずれも流産。「そんなはずはない。何でもするから子供を助けて」。泣きながら医師に懇願した。

つらい経験で心にも変調をきたした。他人の子の声が聞こえるだけでイライラする。周囲の子供たちが成長する姿に落ち込み、
自分を責めた。支えであるはずの夫も攻撃の対象となった。不妊治療の費用総額は1500万円超。貯金は底を突き、借金もした。
「暗いトンネルをただ歩いている」と感じていた。


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http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140422/wlf14042213560018-n1.htm