遺族補償年金を受給するのに、男性だけ55歳以上と制限した地方公務員災害補償法の規定は、法の下の平等を定めた憲法に違反するかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は7日、判決を21日に言い渡すことを決めた。
二審の結論変更に必要な弁論が開かれないため、合憲とした二審判決が維持される見通し。

 訴えたのは、堺市の男性(70)。中学教諭だった妻はうつ病を発症し、1998年に自殺した。2010年に公務災害と認定され、男性は地方公務員災害補償基金に遺族補償年金の支給を申請したが、妻の死亡時に51歳だったため、不支給となった。
 一審大阪地裁は「女性の社会進出が進み共働き世帯が一般的となる中で、性別で差別するのは合理的でない」として規定は違憲と判断。不支給処分を取り消した。

 しかし、二審大阪高裁は、女性の賃金が男性の6割以下といった事情を挙げ、「夫と異なり、妻は年齢を問わず独力で生計を維持することは困難で、区別を設けたことは合理性がある」として合憲と判断。一審を取り消し、請求を棄却した。 (2017/03/07-17:33)

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