一審で親権認められた「子どもと6年別居」の夫が逆転敗訴、親権は妻に…東京高裁
(弁護士ドットコムNEWS 2017年01月26日 15時04分)
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夫婦の離婚をめぐり、子の親権が争われていた裁判で、東京高裁(菊池洋一
裁判長)は1月26日、妻を親権者と判断した。一審の千葉家裁松戸支部は昨年
3月、長女(当時8歳)と6年近くも会っていない夫に親権を認め、妻側が控訴
していた。親権をめぐる裁判のあり方を変える可能性があるとして注目を集
めていたが、二審では判断が覆った。

長女(9)の親権を争っていたのは、40代の夫妻。一審判決によると、2人は価
値観の違いなどから、長女の誕生後、険悪な関係に。妻は2010年5月、当時2歳
の長女を連れて実家へ戻った。その後、夫と長女との間では、何度か面会や電
話でのやり取りはあったが、2011年春頃から途絶していた。

一審は離婚を認めたが、親権については従来と異なる判断枠組みを採用した。
親権争いでは「継続性」を重視し、同居中の親に親権を認めることが通例だが、
一審は夫が母子の面会交流を年間100日認めるなど、母親に対し「寛容性」の
高い条件を提示したことなどを評価し、夫に親権を認めていた。

しかし、東京高裁の判決で、菊池裁判長は、これまでの長女の監護者が妻であ
ったことや、妻と夫で監護能力に差がないこと、子どもが母親と一緒に暮らし
たいとの意思を示していることなどを踏まえ、「現在の監護養育環境を変更し
なければならないような必要性があるとの事情が見当たらない」として、長女
の親権者を妻とするのが相当と判断した。

(続く)