(朝日新聞 2017年02月11日(土) 「声」欄より)

女性を優遇しすぎじゃないの?  
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12791714.html

大学生 月元裕貴(長崎県 21歳)
 
飲食店の女子会割引や映画館の「レディースデイ」といった文字を見ると、
この国は男女平等なのだろうかと疑念を抱く。女性の社会的立場の弱さや、
女性優遇の経済効果を考えれば、そんな疑念を言い立てるのは大げさかも
しれない。だが、それを踏まえても「女尊男卑」の風潮を感じざるを得な
い社会になっている気がする。

女尊男卑を示す例に、東京大の一人暮らしの女子学生向け家賃補助制度が
挙げられる。女子寮がないとは言え、女子だけ優遇される制度は、明らか
に性差による差別ではないか。日本を代表する大学がこれでは、社会が
女尊男卑を是認しているように感じる。

別の大学では、推薦入試で女子に一定の点数を加算する優遇を告知して
いる。これも女子にだけ有利な制度であり、男子には差別と感じられる。
そもそも女子にげたをはかせるのは、女子の力を過小評価している表れ
ではないか。

こうした女尊男卑は、女性が男性より弱いという固定観念によって成り
立っていると思う。この固定観念がある限り、女尊男卑の風潮は止めら
れないだろう。これで男女平等社会と言えるのか。誰か教えてほしい。