>>511

政治家に「なってもよくなった」だけでは、女性政治家は増えない。雇用に差を
つけるなと法律を作っても、管理職の女性は増えない。特に前者は「評価者が
同性を好む」などの問題があった場合、「実力を正しく評価した結果ではない」
のだし、不当です。オーケストラでもブラインドテストしたら女性の合格者が増えた
というニュースもありましたね。

これらの構造的な問題は厳然として存在している。まぎれもない事実です。また、
それに加えて個人的な性的被害を受けていることも見落とせません。

日常的なセクハラ行為、セカンドレイプ、レイプ神話にコンビニで目に入るミソジ
ニー的加害欲求に応えるような雑誌、都心の女性の多くが経験を持つ痴漢、枚挙に
いとまがない程に女性が物理的な加害を受けている。

そしてそういう女性が男性に怒りを向けること、憎むこと、道理だと思います。
加えるならSNS上で女性を性器呼びするような人たちがたくさんいるのも事実。
僕自身泣きたいような情けないような、そんな現状です

しかし監督が今回取り上げた
「男性もまた制度的な差別、男性であることによって受ける被害もあるのでは」
というのも一面で見落としてはならないトピックであると思います。

「モテないことから転じて女性に攻撃的になる」ケースなど、内面化したミソジニー
に苦しむ男性が唱える「差別」とは別の話で。

今回の映画は確かにプロパガンダとして使われてる側面があるかもしれませんが、
僕は監督がこの映画の受け手として想定していたのはフェミニストなのでは、
という素朴な感覚があります。女性の被差別的な歴史にあまり触れないのは
「それはもちろん観てるみんなはわかってると思うんだけど」という。