以前にあげた乳母の考察をまとめると
・メルゴーを連れ去るわけでもなくメンシスの悪夢に留まることから、メンシスに使役されていると思われる
・服飾や武器などからトゥメルに縁の深い人物が素体となった上位者の可能性が高い
・上位者としてはメルゴーに劣るはずだが、メルゴーを従わせているように見える
・メンシス&トゥメルは、再誕者や死体の巨人など、死体を加工して使役する術に長けていた
ここまでが作中でわかること。ここまででも、総合するとヤーナムが怪しくみえてくる。


だが、これだけではヤーナム=乳母は疑惑の段階なので、乳母の元ネタとなったと思われる妖怪についてあらためて調べてみた。
作中外の情報ではあるが、個人的にはヤーナム=乳母が決定的とも思える、非常に興味深い内容だったので参考までに。
乳母の元ネタと考えられる妖怪は、産女or姑獲鳥(読みはウブメ、場合によってはウバメドリなどと呼ばれる)
なぜ二通りの漢字があるのかといえば、元々は別物だったのが、似た性質を持つことから同一視されるようになったため。

それぞれについてまとめていくと
産女…日本の妊婦の妖怪。子どもが生まれないまま産褥で死亡した妊婦がなるという。
   赤子への執心から化けてでた、”下腹部が血に染まった”容貌で描写されることが多い。
   また、産女は頼みごとをしてくることもあるらしいが、それを果たした際には”非常に礼をいって”去るそうだ。
姑獲鳥…中国の妖怪。”妊婦の死体から生じる鳥”で、夜間に飛行して赤子を害し、赤子のような声で鳴くという。
    発生の仕方から、産女と混同され同一視されることになった。”乳母鳥”という別名もある。
メルゴーへの執心を残したヤーナムの精神が産女となり、ヤーナムの肉体はメンシスらに利用されて乳母鳥になった。
元々別々のものが同一視されるようになった伝承をモデルに、それを逆手にとり、同一のものが別々になる話としてアレンジしたのではないかと思う。

産女は「赤子を失い求めている」という妖怪で、様々な形で伝承が残っているらしい。
「蜘蛛のような形」であったり「手足が4本ずつに見える力を与える」など、他にも興味深い記述が多いので一読してみるのもいいかも。
↓産女のWiki
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/産女