野良卓で遭遇した困……というか痛い奴の話。
彼は「僕の考えた最強の理論」に基づいてシナリオデータを構築するのが、どんな場合においても最善だと確信していたようだった。ただしその理論は初心者向けの簡易ルールを使用した環境を前提としていた。
彼が野良卓に参加希望してきたときに挨拶代わりにその理論を布教されたんだけど、興味ないのでそのときは適当に聞き流した。

参加希望者も集まったので音声通話を開始すると「GM! 何故簡易ルールを採用しないのですか!」と突然の糾弾を受けた。無論彼から。
何なんだと思いながらも「募集時にレギュレーションは明記していた」と答えると、返ってきたのは嗚咽。鼻をすする音。涙声での恨み節。
突然泣き出す(推定)おっさんという存在に困惑していたのでうろ覚えなんだけど「つまりは僕の理論を無視するのですね」「こんな屈辱は生まれて初めてだ!」とか言ってたはず。後者は確かに叫んでた。
しばらくしたら泣き疲れたのか、枯れた声で「僕の理論を採用しない卓が面白いわけがない。参加するだけ時間の無駄」と捨て台詞を残して勝手に退出した。一同唖然。

人数的にはそのまま遊ぶこともできたけど、自然と「彼の理論を検証して駄目出しする通話」により卓は流れてしまった。性格悪いとは思うけど、あんなインパクトのある反応を中和するためには仕方なかった。
ちなみに理論は到底使い物にならない出来栄え。
アカウントを覚えていたので先程覗いてきたんだけど……詳しく語ると特定できそうなので伏せるけど、強烈に悪化して凄まじいことになってたわ。回避余裕になってたのである意味では安心なのか?