東芝メモリ、岩手新工場を起工 迫る中国、勝ち残りへ1兆円投資
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2018年7月24日 23時18分
産経新聞
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 半導体大手の東芝メモリは24日、NAND型フラッシュメモリーの新工場を岩手県北上市で起工した。

 同社が6月に東芝グループから独立して以来、初めての大型投資。
四日市工場(三重県四日市市)に続く第2の生産拠点として約1兆円を投じ、
増加するデータセンター向け需要などを取り込む構えだ。

 「東芝本体を離れて2カ月、経営判断のメリハリを付けられるようになった」

 起工式後の記者会見で、成毛康雄社長は晴れやかな表情を見せた。
北上工場は建屋面積4万平方メートル、5階建て。
人工知能(AI)を活用した生産システムも導入し、2年後の量産開始後は1千人余りが働く。

 技術開発拠点でもある四日市では6番目の製造棟が稼働し、もう用地の余裕がない。
災害への備えも念頭に、今後の増産投資は岩手を中心に進めるという。

 フラッシュメモリーの需要は、長期的な拡大が確実視されている。
中でも引き合いが強いのは、ハードディスクより高速・省電力でデータを転送できる外部記憶装置「SSD」向けだ。
AIや自動運転の広がりを背景に、データセンター事業者の多くがSSDへの切り替えを急いでいる。

 こうした需要をつかむため、東芝メモリは米カリフォルニアに拠点を設け、同国に集積するデータセンター事業者への対応力向上に注力。
技術開発面では、記憶素子を立体的に重ねてメモリー容量を増やす「多層化技術」に磨きをかけ、世界シェア首位**としのぎを削る。