「江戸時代から、葬式の帰りに、『厄落とし』とか『精進落とし』と呼び、参列者と連れ立って吉原へ遊びに行ったんですよ」

「そうした行動の背景には、神道の穢れの思想があります。線香臭い身体のまま帰宅して穢れを持ち込まないように、これを死の対極にあるセックスで中和してしまおうという考え方です」

「本当に葬式帰りに遊郭なんて行っていいのかな、とためらう者がいる。これに対し、この仏様も生前は好きだったんだからそれで成仏できるよなどと、罪悪感にさいなまれぬようにして吉原へ遊びに出掛ける光景を詠んだもの。
土手というのは、浅草から遊びに出かける者たちで活気のあった『土手八丁』を指します