「……そうか。」
その一言だけを告げ、謝る彼の脇を通り過ぎた。

私が早々に彼の前から去ったのは
頭を下げる彼の肩越しに映る、あの輝かしい日々の片隅にいる
あの頃の無力な自分自身をこれ以上、見るのが耐えられなかったからだ。

四貫谷と別れ私は歩む。

身体は剣で出来ている
血潮は鉄で心は硝子
幾度の戦場を越えて不敗
ただの一度も敗走もなく
ただ一度の勝利もない
担い手はここに1人
剣の丘で鉄を打つ
ならば、この生涯に意味はなく
━━━━━ この身体は ━━━━━━ 。

自分の行く末はわかった。
ネバーランドを失った無力なティンカー(鍛冶屋)はピーターパンと別れ歩む。
始まりを踏み抜いたからには進み続けるのが道理。