この装置から生み出される音は、たしかにノイズです。
でもこのインスタレーションは、5分という時間があらかじめ決まっていて、
最後は風をどこかから送って、火を吹き消す。
きちんと構成があるのです。

ろうそくの光は、古今問わず、西洋東洋問わず、人間の命の象徴です。
病気や事故、天災によって命の光は吹き消される。
まるでとりとめがないノイズのように見える人生であっても、
吹き消され「様式」が与えられることで、それは意味あるものになる。
とてもはかなく、おそらくは遺された者たちの解釈のなかにしかその意味がないとしても、です。

そういう暗示がこの動画にはあって、オレは心をひかれる。
京アニの事件、オレが大好きだった監督はやはり行方不明で、
身内の方からDNAの採取がなされたという記事が、昨日のネットニュースで流れていました。
とても才能がある人だったし、単純に監督というよりは、
有望な才能を発掘し伸ばすことがうまいひとでもありました。
たぶん近いうちに、正式な訃報がネットを駆け巡ることになると思う。
この動画を見ながら、感慨にふけってしまいました。

でも、まだ世界は続く。
Pやん&みなさま、よい一日を。