素晴らしい傑作なのに、知ってる人がほとんどいない。
フランス語圏の作品だからか、あまりに電子音響的なんでキワモノ扱いされてるのか。
教授は自分がこのアルバムのためにピアノを弾いたことすら完全に忘れてて、
細野さんが教授を自分のラジオ番組に呼んだとき、
このアルバムのなかの参加曲を聴かされてもピンときてなかった。
そのくらい誰からも忘れ去られてる不遇なアルバム。

コルシカ島の民族音楽は、とても幅が広い。
というか、コルシカ島自体が山がちで、地域によって地理的に閉鎖されてるので、
細かく見れば土地土地によって異なる音楽文化があるような場所です。

特徴的なのは、こんな男女混声の合唱もよく歌われているということ。
宗教的な意味合いの強い歌であっても、
たとえばグレゴリアン・ポリフォニーのように女性を排除して男性だけで歌われることは
むしろ少ない(ゼロではないけど)。

コルシカ島では、日常的にいろんな場面で歌われるので
(たとえば選挙のときに投票所に向かうときに並んで歌ったり)
生活や言語と歌が緊密に結びついてるんですな。
とても面白い場所です。
料理もお菓子も美味しい。そしてイタリアン・マフィア発祥の地。
貧しくて豊かな土地。

それでは、Pやん&みなさま、よい一日を。