『アンチオイディプス』の冒頭から。

〈それ〉は作動している。ときには流れるように、ときには時々とまりながら、いたるところで〈それ〉は作動している。
〈それ〉は呼吸し、〈それ〉は熱を出し、〈それ〉は食べる。
〈それ〉は大便をし、〈それ〉は肉体関係を結ぶ。
にもかかわらず、これらをひとまとめに総称して〈それ〉と呼んでしまったことは、何たる誤りであることか。
いたるところで、これらは種々の諸機械なのである。
しかも、決して隠喩的に機械であるというのではない。
これらは、互いに連結し、接続して、他の機械を動かし、他の機械に動かされる機械の機械なのである。
見えないのではなく、普段は存在しないのだ。
だが在る。
それがたち現れるとぼくは異なる秩序の中に放り出されることになる。
そこはいまだ見たことがない場所だ。ここにはかつて立ったことがない。
そしてすぐにその不快に順応する。新しい秩序を、さらに拡大/編成するために。