2022年1月31日
Nature ダイジェスト 特別公開記事
抗うつ薬フルボキサミンがCOVID-19による死亡リスクを低下させる

どの国でも使えるCOVID-19治療薬
論文の共著者であるマックマスター大学(カナダ・オンタリオ州ハミルトン)の衛生学者Edward Millsは、フルボキサミンは安価な薬なので、
どのような国でも使えると話す。今回の試験参加者は、フルボキサミン100mgを1日2回、10日間服薬した。価格は国によって異なるが、
10日分の薬剤の原価は、設備が十分に整っていれば4ドル(約450円)程度である。特許も切れているのでどこの製薬企業でも製造・販売が可能だ。
「アフリカなどの貧困国で長く仕事をしてきましたが、4ドルならば使いやすいですね」とMillsは言う。

フルボキサミンに、メルク社が承認申請中の抗ウイルス薬モルヌピラビルのようなウイルスの増殖を阻害する薬を併用すれば、
さらに効果があるかもしれないとMillsは話す。「抗ウイルス薬と抗炎症薬を併用することで、どちらか単剤の場合よりも治療効果がはるかに高くなるかどうかを調べるのも興味深いと思います」。
https://univ-journal.jp/column/2022140011/