「戦争の筋の良しあし」を決めるのは、
世界経済に支配的な地位を占めている先進国が決めることだよ
これは厳然たる事実だ
「世界経済に支配的な地位を占めている先進国」ってのは
民主制を奉じていて、人権が重んじられ、法治が徹底されるという体裁を制度的に整えた国家だ
(これらは、現代の資本主義を支える必要不可欠な装置なんだから)

つまり権威主義体制国家が戦争を起こせば
自動的にそれは悪となる
筋もなんもない
ロシアにはロシアの戦争を起こす筋があったが誰も信じなかったのは
半ば以上そういうことと関係している

たとえばイランが自国の軍司令官がイスラエルに暗殺されたから報復に弾道ミサイルを撃ち込んでも
それはその司令官が悪逆な作戦を行って何人もの敵国の政治家を暗殺し
イランという国自体がならず者国家であるからだということになる
ロシアも同様だし、中国も、北朝鮮もそういうことになる
権威主義体制国家の起こす戦争、限定的であっても対外的な軍事行動というのは、
すべて悪ということになる

しかし、同じように権威主義的であるサウジがイエメンで行っていた軍事行動には
アメリカは軍事支援を行っていた
その見返りがイスラエルとサウジの国交正常化だった
これでアメリカは、中東に深入りしないで済む状況を作れた

イデオロギーとイデオロギーの対立で起こる戦争というのは
そういうものだね