個人的には怖い話でも「四谷怪談」は伊右衛門の自己責任だからあんまり怖くない。
「牡丹灯篭」みたいに何も悪い事をしてないのに怖い目やヒドイ目に合わされる方が怖いんだ。
とは言え「黒衣の女」みたいなのは、理不尽すぎて怖いより腹が立ってくるけどね。
で、菊地秀行だったかが「ホラー作品は、恐怖の対象を打ち倒そうとする人物を登場させると
その途端にその人物が如何に勝つかに読者の興味が移ってしまい、ホラーではなくヒーロー物として
恐怖よりカタルシスを求められるようになってしまうんで難しい」と書いてたけど正論だと思う。
だからその例えで、斯くもあらんと承知の上で危険に飛び込むヒーロー物スぺオペよりは、
市井に住まう一介の凡人が望まぬ異常事態に巻き込まれる方が、SFとしては面白く感じるね。