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<地域猫>見守り活動着々、区助成9年目 東京・台東

東京都台東区が野良猫対策として始めた不妊去勢手術の助成事業が9年目に入った。手術した猫は「地域猫」と呼ばれて住民に親しまれている。取り組みの効果で野良猫は年々減少し、「一代限り」の猫の命を地域で見守る活動は着実に根づいている。

 同区では野良猫の糞尿被害に対する苦情が保健所に多く寄せられたため、
2005年、自主的に猫の不妊去勢手術をしていたボランティアと区が講習会で協議を開始。08年度から区が不妊手術1万円、去勢手術5000円の助成金を出すことになった。
今年4月1日までに3130匹の猫の手術が行われた。現在、346人のボランティアや区内の22町会がこの活動に携わっている。

 上野の宝石店「玉煌」の入り口にはいつもキャットフードと水が置かれている。店の前の自転車置き場にいる猫や、店内のショーケースの下にすみついている猫はどれも地域猫だ。地域猫かどうかは耳などの印で区別できる。

 「5年前に付近の地域猫のためにエサを置き始めると、すっかりと懐いてしまって」とゼネラルマネジャーの菊地昭雄さん(63)は笑う。店の入り口で毎朝、菊地さんの出勤を待つ猫を見て、
「招き猫だね」とおもしろがる声も。猫をきっかけに客との商談がまとまることもあるという。中には猫の毛並みを整えるためのクシを持ち歩く人もいる。

 「みんな性格が違うからおもしろい」。それぞれの猫にファンがつき、「元」野良猫もまんざらではない様子だ。