私のかわいい弟が、いえ糞生意気な弟が私のパソコンを破壊した。
「キープラ!やぱぁ↑!」などと騒ぎ立てたあげく、キーボードをドシドシと握り拳で叩きまくったのだ。
キーボードをと言ったが、デスクトップ型ではなくノートタイプなので、実質として本体部、つまり心臓部を叩いていたことになる。
案の定、パソコンは悲鳴をあげてブラックアウトした。私は弟を部屋から締め出し、復旧作業を試みたが、結局そのパソコンは帰らぬものとなった。私は弟を呪った。
しばらくの間、どう復讐してやろうかと考えていると、ふと妙案が脳裏をよぎった。弟の右手、hddの真上を叩いてデータをぶっ飛ばしたであろうその右手に、コンパッソで制裁を加えるのだ。グサ☆っとね!
その刹那、私の中にSの波が押し寄せ、顔が紅潮していくのがわかった。ただ、この場合のSとは羞恥のSではなく嗜虐のSだろう。そして、実の弟にこの様な想いを抱いてしまうこと、それはきっと許されざることだ。
私はこの禁断の衝迫を理性で抑え込み、しょうがないけれど金蹴り一発で妥協、ではなくて本当に心から許してあげることにした。