全共闘世代の先輩が言っていたけど70年6月23日の安保自動延長の日、
代々木公園の統一大集会会場は、天気の良いなか、のどかな雰囲気であっ
たそうだ。その日、本格的に武装闘争を試みたのは、ML派のみであったが、
あっという間に粉砕された。動員こそ多く勝ち取れたが、ゲバぬき闘争が70
年安保闘争本番の実態であった。69年秋の闘争における痛手から立ち直っ
ていなかったからである。デモ隊は、時に竹ざおで突きかかり、スクラムデ
モで体当たりをし、散発的に投石を繰り返したが、全体的には平穏に終了し
たと政府・警察当局に総括されてしまうカンパニア闘争の域を出なかった。
それでも警察暑に対する火炎瓶攻撃や解散地の日比谷での火炎瓶、投石、竹
ザオによる武闘が行われたが全体の状況を覆すものではなかった。