攝津正
うちの照子が占領期に米兵相手に売春していたというウソを父親に吹き込んだのはクラスメイトのはやみあつこという人物だった。
母親に恨みがあったというより、東京や大阪でピアノを弾いたりバンドでというのを華やかとおもい妬ましくおもっての行為だった模様だ。
母親は彼女を訴えたりはしなかったが、そういうことに疎くおもいつかなかったのだろう。
豊田商事の件でさえなにも法的な措置は取ってないのでないか。
しかし以後数十年にわたり夫婦喧嘩がさらにひどくなる材料を提供してくれた、極めてはた迷惑な行為であった