>>79
の続きです。

私「注釈の人」こと荒谷直人がそう考えるのは、今より3 0年ほど前の中学生の頃に、同じ庄下川で似たような事件が起きたからです。
それも、今回と同様に、事故として処理されましたけどね。
しかも場所は同じ庄下川でも、私の住んでいる県営住宅のすぐ目の前です。
被害者は私が住んでいる県営住宅の同じ4階に住んでいる小学生の低学年か幼稚園ぐらいの子供です。
名前は辻本裕ちゃんと言いました。
その子の事は、よく覚えています。
近所の年上の子供に蹴りを入れてたりしては、よくイジメられていましたから。
でも、イジメられても泣かない強い子でしたよ。
その子の行動から、何となく「こいつも普段、家に親がいないんだろうな」と気づき話しかけると、やはり、最初に返ってきたのは罵声と蹴りでした。
でも、根は素直な子だったので、少し打ち解けると、「親は普段、家におらへん。」と素直に話してくれましたけどね。
それで私も「こいつも俺と同じか」と同情し、ちょくちょく公園で遊ぶようになりました。
だから、ショックでしたよ。
せっかく、打ち解けたと思ったのに、新聞に「庄下川で遊んでいた辻本裕ちゃんが川で溺れて亡くなりました。」と書かれていた時は。
今回の事件も、兄の弟に対してのイジメを疑っている理由は、その辻本裕ちゃんが生前、「兄はすぐ殴る」と言っていたからですよ。
私には説得力のある話でした。
なぜなら、その兄は私の良く知る人物でしたから。