A氏は「確かに軽率でした」として、こう弁明する。

「開催時期は小池百合子都知事が会見で“不要不急の外出自粛”を要請するより前です。会場がレストランなのは間違いありません。
ただ特殊な店でして。都内ですが、店の規約で場所も店名も口外禁止なんです。招待された人しか住所を知らない会員制レストラン。普通の人は入れません。料理のジャンルはイノベーティブ・フュージョンです」(A氏・以下同)

 イノベーティブとは英語で「革新的」で、フュージョンは「融合」を意味する。
日本食もフレンチもイタリアンもミックスされた料理が、テーブルを彩ったという。

 会が開かれたのは3月23日の夜で、都知事の会見(25日)の2日前。だが、既に都内では感染者が急増していた。
10人以上の会合を禁じる企業も多いなか、首相夫人としてはあまりに軽率な行動だ。

 この会は通称「安倍昭恵会」といわれ、1月上旬にも開催されていた。
関係者からそのときの写真を入手したが、藤井や手越をはじめ何人かは花見と同じメンバーだった。

「参加者は芸能人もいましたが、ぼくのようなシェフもいればIT系のかたもいた。みんな“頑張っている人たち”。
会の音頭をとっていたのは昭恵さんです。昭恵さんはぼくら頑張る若手を引き合わせ、いい化学反応を生んでほしいという考えの人。

 異業種交流会という名目なので、花見という前提はなかったんです。
その店の中庭にちょうど桜の木があって、たまたま満開だったので記念撮影しましょうと。その日に桜が咲いているなんて誰も思っていなかったと思います」

 自殺した財務省職員の“遺書”が公開されたことで、森友問題の再調査も世間の関心事となった時期だった。
しかし、会合では森友問題の話題は一切出なかったという。

「昭恵さんも参加者からも森友の話は出なかった。遺書? ニュースに疎くて…でも新型コロナの話はしました。
“こんなときだから自分たちができることを考えて動かないと”と熱く語り合いました。有意義な会を開いてくれた昭恵さんには感謝です」

 昭恵さんの中では、こうした会合も社会貢献の1つなのだろうか。自分の行動が、社会の弊害になっている現実をそろそろ感じるべきではないか。

※女性セブン2020年4月16日号