>>114
武藤金作さんの思い出

私が武藤金作さんを初めて見たのは1977年頃の福井大学の学生大会だった。
当時、学内は緊迫していた。
三里塚で女子学生が逮捕されたことで、学生寮に強制捜査が入り、その際に抵抗、抗議する寮生が警官に暴行された。
大学が強制捜査を拒否しなかったのは、大学の自治への背反であり学生を売り渡すことだと当局批判が高まっていった。
普段は麻雀しかしない一般寮生も抗議に駆けつけ、警官隊に殴られていた。
寮生を中心に運動が広がり、当局が自己批判しないなら全学ストで抗議すると云う方向で盛り上がり、クラス討論から、学生集会、そして学生大会へと高まっていった。
だが全学ストを打てば、権力、機動隊の介入が有り得るし、寮生らの怒りは分かるが、自分たちは、権力とは、闘いえないので、反対すると云う、それなりに切実な訴えがあって、学生大会の空気が重苦しくなり皆が沈黙してしまった。
そんな時、武藤さんが立ち上がり、「僕は闘えないんです」と云う学生に対して、「俺が闘ったるやんけ‼」と言ったんです。
その一言で、またも学生大会の空気が一変し、一気にストライキ案が可決したのでした。
今でも目をつぶれば、「俺が闘ったるやんけ‼」の一言を、そのまま思い出せます。
自分も、いつのまにか青ヘルをかぶっていました。