昨日はお店が忙しくあっとゆう間で日付けも変わっていて、
これが今日最後の仕事になるヘルプ席で出会ったお客さんのお話。
最初はくだらない話に相槌を打ちながら当たり障りない返しをしてたんだけど、向こうから実は失恋してて毎日呑んだくれてるから全然寝てないんだよね。
ってここでも私は寝なきゃだめだよとか、また当たり障りない返しをした。
眠れないんだよ、いつもだったら自分が帰ってくる時間にはとっくにベットで寝てる彼女が当たり前だったから。
狭いベットが当たり前だったから。
すごく共感できた。
私自身にも過去に同じ経験があったから。過去の自分にもそんな事があったなぁと思い出し、
今が一番しんどい時だね
って今度は当たり障りのない返しでもなくこの店で働いてるからとかそんな理由の適当な言葉じゃなくて本心からそう思った。
でもそのお客さんは別れた子には俺のこと嫌いになってほしい。俺も嫌いになりたい。でも幸せでいてほしい。と言った。
思わず私は、それは絶対嘘だね。好きな人に幸せでいてほしい。その気持ちは多少ある事でも、たまには孤独な夜がありますようにって自分と重ねる思いがあるはず。
と反論したら、
俺はね人生で一番の大恋愛をしたんだよ。
とゆっくり言った。
さっき嫌いになってほしいって言ったけど、俺からしてみれば相手に嫌われようが大好きな気持ちに変わりはないからね。と。
それって一人で大恋愛して大失恋するってこと?
そう。
同じ考えを持ったお客さんにどこか魅力を感じた。
もちろん私にも大好きな彼がいるから好きとかそうゆう感情は湧かなかったんだけれど。
酒に呑まれ、まともに睡眠も取れない自分に少なからずそんな時は大抵自分に恋をしてると私は思う。自分自身もそうだった、いやそうだからだ。
だから決まってそうゆう人は忘れる方法を教えてくれと聞いてくる。
私の解答はこうだ。
忘れなくて良し毎日孤独でいて良し酒に呑まれて良し眠れなくて良しペアリングもその気持ちも捨てなくて良し、また死にたくなるほどの孤独に潰されて虚しくなれば良し。
結論を言えば何も考えず行動もしなくて良いということ。
そう言うと、じゃあ俺には一生彼女は出来ないってことか。と落ち込んでいた。
もうキャバ嬢としての適当な気持ちで返してない。
私は貴方の考え方が好きですよ。
貴方がその子のことを思い続けて誰も好きになれない状況でも、きっとそんな一途にたった一人を愛せる貴方は素敵ね。と言ってくれた人に出会った時は無意識にふと恋をしてるかもね。
ここでボーイに呼ばれ席を離れることになった。
明日も明後日もこの先のことを考えて元気になんてなろうとしないでくださいね。素敵なお話をありがとう。
と最後にお礼を言い席を立とうとしたら、引き止められた。
私は悪魔でもヘルプで、このまま席に居座ることは出来ないのですぐその場を去った。
気付けばもう1時を超えていて閉店の時間になっていた。
お疲れ様でしたとボーイ達に挨拶をしてお店を出ようとした時に、ありがとうと後ろから声が聞こえた。
あのお客さんだった。
お礼を言いたいのはこちらだ。
素敵な夜だった。
すごく綺麗だった。
たまたまついたヘルプ席の数分間でそう思えた。
そんな自分も今夜も孤独でいる。