私の知人で、シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルでパートナーを務める人物はこう言い切る。
「履歴書は基本的に、MBAならハーバードかスタンフォード、ロースクール卒業生(JD)ならハーバードかエールしか見ませんよ」
通常、われわれ日本人から見たら名門と思えるシカゴやウォートン、MITなどの出身者も、その履歴書を武器に採用に至るのは異例だという。
前述の知人が「見る」という四種類の履歴では、まず、ハーバードのMBAが毎年約900名誕生する。スタンフォードのMBAは約400名、ハーバードのJDは約1800名、エールのJD約300名。合計3400名が毎年、それらの資格を得て卒業していく。
知人のファームが採用するのは数名なので、3400名の母集団で十分なのだろう。中途採用の市場でも、たとえば過去5年分の上記のスクール卒業生だけで1万7000名のプールとなるので、数名を採用するには十分すぎるくらいだろう。
これはあくまで一例だが、同様の均質化が、最近のアメリカのエリート社会で起きていることをしばしば実感する。