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忍者か、俺もこんなことがあったな。
敵対国のある忍者とライバル関係だった。対戦成績は3勝5敗。俺の2連勝でそいつとの戦いは終っている。
しかし俺の国は滅亡を向え、俺はそれを機に心機一転すべく国を抜けたので、その忍者とは敵対関係ではなくなった。
それでも俺の野心は途絶えない。奴との通算成績を5割にすべく、もののふに身を転じた後も死に物狂いで合戦へ赴き戦いに明け暮れた。
日々成長していく俺。身につく対人スキル。一対一での勝率が5割を越え、6割を越えて、体感的に7割になってきた。
もちろんそれまでにその忍者との戦いは避けていた。最高の状態でそいつに挑みたかったからな。
だが、次第にその忍者の国は新たな敵対国に攻められだし、やがて滅亡へとカウントダウンがはじまった。
そいつはその国の幹部。劣勢に元気が無い。その姿を見て俺は思ったな。(くそがっ・・・手間かけさせやがって・・・)
その週の合戦、俺はその忍者のいる国に援軍として参加した。合戦場へ入ると、俺が元敵対だったことを知る周りがざわめきだす。
俺は忍者のそばへ行き、無言で徒党勧誘。そいつが無言で受け入れる。
そのとき、誰かがこう言った。「おい、二匹の気高き古龍が手を結んだぞ・・・これは・・・双子龍(ダブルドラゴン)・・・!?」
・・・そう、俺達は恐ろしき牙を持つ双子龍・・・。歴戦の戦いを繰り広げた修羅の如き俺達が手を結べば怖いものなんてない。
「これ終らしたら、次はお前だからな・・・」
「ふっ、負けねえよ・・・」
そのとき合戦が始まりを告げ、本陣が開門する。そこから溢れ出す、まぶしすぎる光の中に、俺と忍者が吸い込まれていく。