>>965 続き ※絵露有無:有

 穂プレガの瞳からは嬉しさのあまり涙が溢れ出て止まりませんでした。
 穂プレガが肩を震わせ、顔に手を当てて泣くものですから、ひじきが
 『穂プレガ、ごめんよ―泣かせるつもりじゃなかったんだ。
  嫌だったら嫌だって言ってくれてもいいんだ』と言うと、
 『嫌なわけ―ないでしょ―あまりにも嬉しくて―夢みたいで―』と穂プレガは言うと
 『返事はもちろん“イエス”です!』と言って泣き笑いをしました。
 ひじきは飛び上がって喜び、穂プレガを思わず強く抱きしめて、
 『僕はもう2度と君を離さない』と言いました。

 こうして、2人は婚約しました。
 しかし、結婚式までは1年空きました。
 ひじきは紳士でしたので、その婚約期間中も穂プレガに手を出しませんでした。
 結婚式で文字通り、穂プレガに“ヴァージンロード”を歩いてもらうためです。
 ひじきは“ヴァージンロード”は特殊な理由がない限り、
 “ヴァージン”しか歩いてはならないと考えていたため、
 いいなづけの妻・穂プレガを穢すことはありませんでした。

 そして、結婚式当日。
 『健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、
  富める時も、貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、
  これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?』と
 牧師に尋ねられ、2人は出席者の前で『はい』と答え、愛を誓いました。
 そしてその時、穂プレガは出席者の1人である黄熊に、
 借りていた1000ユーロを返しました。

 そして、その夜。ひじきは新しい2人の愛の巣で、
 穂プレガと初めて愛し合いました。
 ひじきは穂プレガを抱きながら、穂プレガはひじきに抱かれながら、
 歓喜の涙を流し続けました。

 そして、約1ヵ月後。
 穂プレガは突然の体調不良に見舞われました。