>>344 続き ※絵露有無:無

「何言っているんだい?僕は何もしていないよ」
僕は思わずうつむいた。
本当に何もしてあげられていないように感じたからだ。
しかし、きのは
「なりすましの偽垢を凍結してくれたのはひじでしょう?」と言った。
僕は「津井ッターに文句を言った君のファン達と覇府ティングポスト社さ」と否定した。
きのは「確かにそうかもしれないけれど、でも…マスコミ各社に
 なりすましアカウントのことを通報して回ってくれたのはひじだった。
 実際に報道してくれたのは覇府ティングポスト社くらいだったけど。。。。。
 自分が何にも知らないと思ってる?」とまだ目から涙をたたえて聞いてきた。
「まいったなぁ…」
僕は頭をかいた。
きのがいないところで、マスメディアに電話して回っていたハズなのに、
どうやらきのの両親がその様子を見ていたらしい。
「ひじ…なりすまし偽垢から自分を守ってくれてありがとう。
 これは、ひじが自分に傘を差してくれた直近のできごと。
 他にも、自分が週刊誌からおかしなことを書かれたら、
 いつも雑誌の出版社に文句を言ってくれるのもひじ。
 暗痴の人たちの悪質な書き込みをチームきにゅうに教えてくれるのもひじ。
 いつもいつも守ってくれてありがとう。
 いつもいつも傘を差してくれてありがとう。
 そして、自分の好きな〇acknumberを聴いてくれてどうもありがとう。
 ひじは『瞬き』を聴く前からいつも守ってくれている。
 いつも傘を差してくれている。
 ひじは自分にはもったいないくらい優しくていい人☆
 ひじは自分にとって『高嶺の花男くん』☆
 ひじの奥さんになれただけで、自分はとっても幸せだよ、ひじ☆」
そう言って、きのは僕を改めてハグし、
そして、ほっぺにキスをし、更に、そっと口づけをした。
きののほっぺは赤らんでいた。僕はきのに
「backnumberは素晴らしいバンドだね。
 ぬほん語の歌はまだ難しいけれど、
それでも君の大好きなbacknumberを僕も聴くよ」
と言うと、きのはまた泣いてしまった。
僕はきのの涙を指で拭うと、今度は僕がきのにキスをした。
「ずーっと愛しているからね」とささやきながら。

―完―