緻密な考察をお寄せいただきありがとうございます。

現役作家の小説なのでうっかりしましたが、大事な情報を出し忘れていました。
引用元の小説は初出は平成8年(1996年)で、
★当時携帯電話の普及率は25%未満。この一冊の中で登場人物の誰も
ケータイは持っていません。作者と同世代の自分も持ってなかった。

新宿鮫の登場(1990)からこっち、携帯電話の急速な進化と普及により
国産ミステリはあまりに早く「時代遅れ」となる宿命を負わされています。
刑事が必死で公衆電話を探したり、自動車電話とかポケベルが出てくれば
「古い!」と感じるのですが、単にケータイが出てこないだけでは、
作者と同年代の自分はそこに気付かず「古さ」を意識しなかったのです。

至らなくてすみませんでした。
書かれた時代を勘案して再考していただけると幸いです。