真理を食べた。
「うおっうめぇ!」
思わず驚きが口からこぼれた。真理がこんなに美味しかったなんて・・・。
「みんなも一緒にどうです?美味しいですよ、"真理のレーザーブレード炙り焼き"」
俊夫さんや小林さんが真理をつまむ。
「こ、これは・・・!」
「なんてこった・・・!」
二人は涙を流しながら次々と真理を食いちぎっていく。
全部食べられてしまうわけにはいかない。僕も食すペースをあげていった。
気付くとそこにいた皆が真理を囲い、むしゃむしゃと食い散らかしている。
ある者は泣き喚き、ある者は歓喜の声を上げ、ある者は踊り狂っていく。
10分は経過しただろうか。すっかり骨だけになった真理だけが残った。
「あぁ、美味しかった」
「いやあ、真理ちゃんがこんなにも旨かったなんて」
「そうですね」
真理ともお別れだ。ありがとう、真理。涙が止まらない。
どうしてだろう。僕にはそれが何一つ分からない。
「そろそろナイターに行かないとな」
でも、その前に・・・・・・・・・美 樹 本 も 食 っ て く か 。


No.29 涙のレーザーブレード