ミステリーのタイトルしりとり・その2 [転載禁止]©2ch.net
ミステリーのタイトルしりとりスレです。前スレ↓が埋まってから始めたいです
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1315621261/l50
※……一応のルールとして
・前スレで挙がった作品名を、本スレで改めてまた出すのはアリ
(それを「ダメ」と縛ると、さすがに面倒&ややこしい&キツイので)
・ただし本スレ内のダブリは無しで。まずその作品名が本スレで先に出てないのを確認
(翻訳作品の別の訳題などはあり。)うっかり出ちゃった場合は、その前に戻る
・いろいろ未知の作品のお勉強にもなるので、作品への一口コメントもお願いです
コメントは前スレと同じ話題でもいいけど、変えられたら変えた方が楽しいですね
未読の作品でもいいですが、なんか作品内容に触れた一言をください
「ペリー・メイスンものの一本。未読ですが、密室ものみたいです」とか
では日本近代ミステリの先駆作品「二銭銅貨」江戸川乱歩 から
「か」「カ」「銅貨」「貨」から、続けてください 「四人の女」パット・マガー
犯人当て、ではなく
誰が被害者になるかが焦点の
『被害者当て』推理小説。
彼は、四人の女の中から誰を殺すつもりなのか?
次は「女」あるいは「な」でどうぞ。 「女彫刻家」ミネット・ウォルターズ
フリーライターの主人公は出版社から母と姉を殺害し死体を
切り刻んだ人間について本を書くように依頼され刑務所に向かう
そして話をしていくうちに徐々に事件の真相に疑問を持ち始め
当時の関係者を訪ね歩く
「か」「カ」「家」で 「神の火」高村薫
積ん読のままなので、表紙の惹句を書いとくね。
原発技術者だったかつて、極秘情報をソヴィエトに流していた島田。
謀略の日々に決別し、全てを捨て平穏な日々を選んだ彼は、己をスパイに
仕立てた男と再会した時から、幼馴染みの日野と共に、謎に包まれた原発襲撃プラン
<トロイ計画>を巡る、苛烈な諜報戦に巻き込まれることになった・・・
次は「ひ」「か」で 「火車」宮部みゆき
クレジット会社からカードの発行を断られた女性が蒸発
彼女の婚約者の依頼を受け休職中の刑事が調査していくと
意外な事実が次々と現れてくる
カード破産にスポットを当てた社会派ミステリ
「や」「ヤ」「車」で 「やぶにらみの時計」都筑道夫
この作品は日本で初めての二人称本格ミステリらしい
(例えば法月綸太郎の「二の悲劇」など。きみは・・・した。という文体)
文章や描写だけでなく二人称ミステリという枠で遊びながらも
推理小説としての構想の深さも特筆もの
「い」「イ」「けい」「ケイ」「時計」で 「五つの棺」折原一
密室大好き、何でもない事件まで密室に見えてしまう黒星警部のシリーズ第一作。
折原氏のデビュー短編集でもあります。文庫化の時に二編加筆されて「七つの棺」になりました。
折原氏もデビューの頃はこんな素直な作品を書いていたのか…と感慨深いものが。
「ぎ」「き」「棺」で。 「銀座ブルース」柴田哲孝
帝銀事件や下山国鉄総裁変死事件など戦後まもなくに起きた不可解事件を
取り込んで混乱の東京を描いた6編からなるミステリ短編集
「す」「ス」で 「ステップ」香納諒一
主人公が死んでは生き返りを繰り返す話は枚挙にいとまがないが
設定自体が面白いのでそれなりに楽しめる
生き返る場所や時間が毎回異なるので緊張感を増すが
少々乱暴な締め方で無理に殺してしまわなくてもという印象
「ぷ」「プ」で 無理なら「ふ」「フ」でもいいです 「プラットホームに吠える」霞 流一
動物ネタを絡めた「獣道ミステリ」が特徴の霞さん。
犬が主人公の>>188に並び、「プラットホームに吠える」では
狛犬がモチーフになっています。
次は「吠える」あるいは「る」でどうぞ。 「ルイザの不穏な休暇」アンナ・マクリーン
ルイザ・メイ・オルコットシリーズ第二作の本格推理小説
シリーズ前作より家族描写に力が入っており「若草物語」の
登場人物ローリーのモデルとなる青年を登場させたりと
オルコットのファン読者にもアピールしています
謎解きもしっかりしておりミスディレクションに引っかかりやすい
「か「「カ」「休暇」で 「カウント・ダウン・シティ」ベン・H・ウィンタース
「地上最後の刑事」三部作の第二作
社会の混乱の描写はかなりリアルで失踪者の発生が
常態化している状況の中で人探しの意味を自ら問いながらの
主人公の捜査劇は前作に劣らず面白い
「い」「イ」「シティ」「ティ」で 「愛おしい骨」キャロル・オコンネル
かなり風変わりな人物が多数登場して物語・人間群像劇としては
相当読ませる力のある作品
一方ミステリとしては導入部はわくわくさせるが後は単に
読者を翻弄するだけのものと思えるところが残念
「ね」「ネ」「骨」で 「寝ていてください」倉知淳
タイトル通り、「寝ていてください」のひとことが
謎と疑心暗鬼を呼ぶ短編小説。
次は「い」でどうぞ。 「厭な小説」京極夏彦
連作短編ミステリ
どの作品も共通の人物が登場するだけでほとんど
独立した仕上がりになっている
厭な子供や老人・彼女・家などにまつわるエピソードが
独特な筆致で描かれている
「つ」「ツ」「小説」「説」で 「月と陽炎」三咲光郎
中学生の主人公は学校からの帰宅途中、中年男が女子児童を
アパートに連れ込むのを目撃
主人公はアパートの裏手から室内に侵入し男を刺し殺す
二人で男を解体した後児童も殺害してバラバラにし体の各部を
市内のあちこちに置き「魔王の翼」の名前で犯行声明を送る
焦点の定まらない物語だが緊迫感はなかなかのもの
「う」「ウ」「炎」で 「空穂邸事件」鮎井郁介
瀬戸内海に佇む絶海の孤島「荊棘島」
城郭のように堅牢な屋敷には、年老いた双子の当主のもと空穂家の人々がひっそりと暮らしていた
そんなある日、二十年前に生き別れになった孫、昌太郎が帰ってくるという知らせが舞い降りた
それは奇しくも親族会議という名の跡目争いに親戚一同が帰する日のことだった…
「紅蓮荘」に続く名探偵水城優臣シリーズの2作目
一家鏖殺事件を描いた本作は、「孤島」「双子」「美女」そして「城」という手垢の付いたモティーフを巧く組み合わせ、一段上のミステリィへと昇華している
鮎井郁介の面目躍如といったところだろう
尚、本作では珍しく頭を悩ませる水城探偵の姿が見受けられる
完全無欠の名探偵を惑わす「謎」にも注目したい
「けん」「け」で >鮎井郁介
元々が作中人物で、この名義での作品もあるみたいだけど、このタイトルもあるの?
いや、知らない名前だーと思ってぐぐってみて興味が湧いたんだけど、結局良く判らなくてw >>238
それって作中作と言うか、「語られざる事件」みたいなものなのでは…? 「建築屍材」門前典之
涼を求めて建築中のビルに入った浮浪者がバラバラにされた三人の
死体を発見する
そしてそのビルの建築を注文した社長宅に死体から切り取られたと
思しき指が送られる
建築にまつわる知識を駆使し本格ミステリ的謎解きにこだわった
パズラー作品
「い」「イ」「ざい」「ザイ」で 「Eの殺人」エラリー・クイーン
いーのさつじん
ダイイングメッセージが主題のショートショート。
クイーンは大好きですよね、ダイイングメッセージ。
「E」とか「GI」とか「FACE」とか。
で、作品のクオリティはというと……。
次は「殺人」あるいは「人」、「じん」、
「じ」、「し」でどうぞ。 「殺人回廊」梶龍雄
第二次世界大戦を背景にした作品
終戦間際でのスパイ事件・公爵ならではの体面
更には物不足・食糧不足といった時代背景が
全て事件に溶け込んで一つのミステリを形成している
「う」「ウ」で 「海と月の迷路」大沢在昌
軍艦島として知られた長崎県端島を舞台に息詰まるような空間と
人間関係の中で展開される捜査劇
正義感の強い新米警察官がさまざまな軋轢の中で苦闘しながら
少しづつ周囲の信頼を得て犯人に近づいていく
かなり長尺だがなかなかスリリングで飽きさせない
「ろ」「ロ」「迷路」「路」で 「六千四百京の組み合わせ」アイザック・アシモフ
黒後家蜘蛛の会シリーズの一編。
暗号がテーマ。つまり、
『六千四百京の中から正解を
見つけ出せるかな?』という趣向です。
次は「せ」でどうぞ。 「生存者、一名」歌野晶午
絶海の孤島、助けを求められないテロリスト、疑心暗鬼、いくつかの殺人
シチュエーションは単純でもそこに到る背景への目配りが絶妙なため
ぐいぐいと物語に引き込まれる
雰囲気の出し方も巧く本格ミステリとしてだけでなくサスペンスとしても
楽しめる作品
「い」「イ」「名」で 「名探偵が多すぎる」西村京太郎
パロディの名探偵シリーズ第二作
ポアロ・クイーン・メグレ・明智の他にルパンそして怪人二十面相までが
登場してくる豪華版
冗談半分のような軽いノリですがプロットの骨格はそれなりに
しっかりしている
「る」「ル」で 「ルパンの発狂」ナルスジャック
このタイトル、想像をかきたてるなあ。
次は「発狂」あるいは「狂」、「う」でどうぞ。 「内なる殺人者」ジム・トンプスン
主人公は田舎町の保安官補
町の者にも好かれ上司からも信頼を得ている
しかし彼は父と兄の仇として町を牛耳っている建設業者への
復讐の機会を狙っていた
そして売春婦を利用して復讐相手の息子を売春婦もろとも殺す
そしてそれを契機に次々と不条理な殺人を犯していく
「や」「ヤ」「しゃ」「シャ」「殺人者」で 「夜光虫」馳星周
日本のプロ野球をお払い箱になった投手の主人公は
台湾プロ野球で八百長に手を染めた
終盤に登板し予定通り敗戦となった試合後
依頼者と対立するヤクザに八百長仲間と共に
拉致され脅迫を受ける
台湾からクレームが付けられるんじゃないかと思うくらい
台湾の暗部を描写している
「う」「ウ」「虫」で 「ウジェーヌ・ヴェルモンの勝利」ロバート・バー
八編からなる短編集
主人公の堅苦しくもとぼけた語り口と迷探偵のキャラクタを楽しめる
依頼人に対して好き嫌いを表すところやうっかりな性格は
ニヤリとさせられます
息抜きに読みたくなるような作品
「り」「利」「勝利」で 「流出」ブライアン・フリーマントル
ロシアの核物質が西側へ流出するという報せを受けた主人公が
アメリカとロシアと共同戦線でそれを阻止するという物語
三国間の代表が行う政治的・戦略的駆け引きが楽しめる
「つ」「ツ」「流出」「出」で 「償い」矢口敦子
家族を失いホームレスとなった元医師。
とあるきっかけから社会的弱者に関する事件を調べることになり、その犯人として浮かび上がったのは彼が昔命を救った少年だった。
ドラマや漫画などにもなった当時の話題作。
次「い」「イ」でお願いします。 「一瞬の敵」ロス・マクドナルド
作者お得意の家族の悲劇を扱っている作品
登場人物が多く偽名行為の連続で読んでいて
頭が混乱してくる事もしばしば
ただし複雑な謎解き構成は面白く
論理的に明かされる手並みはお見事
「き」「キ」「敵」で 「キャサリン・カーの終わりなき旅」トマス・H・クック
未解決の悲劇を背負う主人公が早老症の少女と失踪した詩人の
残した小説を読みながら彼女に起きた真実を探っていく物語
「び」「ビ」「旅」で 「ビッグ・タウン」ダグ・J・スワンソン
裏切り・騙し合いの連続で話がどう転がっていくか
先が全く見えない
意外性に富んでいて楽しく読み進めることができる
登場人物も丹念に描かれ会話もしゃれている
「う」「ウ」で 「運河の追跡」アンドリュウ・ガーヴ
単行本で200ページあまりのコンパクトな作品ですが
前半は巻き込まれ型サスペンス後半は冒険スリラーとなっていて
ガーヴの典型的なプロットになっている
「き」「キ」「追跡」で 「奇譚を売る店」 芦辺拓
古本屋で購入した本や印刷物から奇妙な出来事に
巻き込まれるという物語が5編とそれらを取りまとめる形の
1編からなる短編集
本好き・古書好きの人なら必ず食いつくような設定
「せ」「セ」「店」で 「製造迷夢」若竹七海
残留思念を読む超能力は出てきますが、著者独特のぞくっとする仕掛け満載のしっかりしたミステリ。
次は「む」「夢」でお願いします。 「六つの手掛かり」乾くるみ
六編からなる短編集
全作品の共通点は大道芸人や手品師が絡んだ事件を
探偵役が切れ味鋭いロジックによって謎を解くところ
「り」で 「リミット」野沢尚
誘拐事件の緊迫感・めまぐるしい場面展開に派手なアクション
そして意外な展開へ
読者への効果を狙った細かな演出も凝っている
「と」「ト」で 「リベルタスの寓話」島田荘司
御手洗物の中編
未読ですがホワイダニット物らしいです 「トオリヌケキンシ」加納朋子
脳腫瘍・相貌失認・脳梗塞・癌といった病気や精神的な
悩み・障害を主人公が抱えた作品が揃ったミステリ短編集
ミステリとしての驚きは薄めで読後感は意外と爽やか
「し」「シ」で 「死者の電話」佐野洋
短編。
死んだはずの嫁の元カレから電話がかかってくる、というお話。
「わ」「話」で 「私たちが星座を盗んだ理由」北山猛邦
五編からなるミステリ短編集
少年・少女たちの思春期が持つ残酷で切実な想いが
大きなテーマとなっている
「う」「ウ」で 「嘘をもうひとつだけ」東野圭吾
加賀恭一郎シリーズの短編集
語り手が犯人または真相を知る者で倒叙に近い形
執念深い捜査が持ち味の加賀の切れ味鋭い捜査が味わえる
「け」「ケ」で 「警官の血」佐々木譲
親子三代に渡る警官を描いた壮大な大河ドラマの傑作。
「ち」、「血」で 「散りしかたみに」近藤史恵
歌舞伎の世界を舞台にしたミステリ
愛憎や意地、芸の世界に生きる悲哀
それらが縺れ合って悲劇に導いていく
「に」「ニ」で 人形はなぜ殺される
高木彬光
衆人監視の白木の箱から消えた人形の首。直後、首なし死体と消えたはずの人形の首が。天才、神津恭介シリーズ。
この作品は大好き。
次は「る」で! 「ルーム」新津きよみ
音信不通だった姉の訃報を知り遺品整理の為
姉のマンションを訪れると白骨が・・・
ショッキングな出来事が次々起こる展開
「む」「ム」で 「無慈悲な鴉」ルース・レンデル
隣人のご婦人より夫が行方不明になったと相談を受けた警部
勤務先に退職届を出してあったり放置された車が発見されたりと
これは単なる失踪事件では無いと推測していく
最後には強烈などんでん返しが用意してある
「す」「ス」で 「スイート・ホーム殺人事件」クレイグ・ライス
ミステリ小説家の母を有名にするため近所でおきた殺人事件を
子供たち三人が解決しようと奮闘する物語
ユーモアたっぷりのミステリに仕上がっている
「け」「ケ」「事件」で 前スレでは「モルグ街の殺人」からスタートしてるから
いいんだよw 「拳銃を持つジョニー」ジョン・ボール
犯罪を犯して逃亡する少年と捜査員の追跡劇が
スリリングに描かれている
結末が悲劇に終わるのか救いがあるのか
最後までハラハラさせられる
「に」「ニ」で 「鈍い球音」天野真
野球ミステリ
日本シリーズを目前に監督が失踪?
ユーモアが滲み出る文体は事件が陰惨なものであっても
ほのかに温かさを感じさせられる
時代設定が古いのが気になりますが
それを超える面白さがある
「お」「オ」で 「大いなる幻影」戸川昌子
老朽化されたアパートで繰り広げられる女性たちの孤独と怨念に
満ちた生活と心理
住人のプライバシーを保証するはずの鍵が人々の手を転々とし
他の住人の秘密を探るのに利用されるプロセスが読みどころ
女装男性の交通事故死や米国軍人の子供の誘拐事件をはじめ
意味ありげなエピソードがあちこちに挿入される
何が起こっているのかわからない構成の背後から
意外な真相が浮上するというスタイル
「い」「イ」「影」で 「異邦の騎士」島田荘司
あまり詳しいことは書きたくないけれど……
これは「出会い」の物語。
「し」 「シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱」高殿円
登場人物を女性化したホームズのパスティーシュ小説で、謳い文句は百合ホームズ。
内容はかなり薄っぺらいし、肝心の謎解き部分も稚拙、そして下品…あと百合要素もオマケ以下。
「つ」「鬱」で 「ロジャー・マーガトロイドのしわざ」ギルバート・アデア
アガサ・クリスティーへのオマージュとして
書かれた本格派推理小説三部作の第一作
容疑者たちが一堂に集まった状態で一人づつ
自分の過去を供述していく中盤までの展開は
「そして誰もいなくなった」を連想させる
「ざ」「ザ」「さ」「サ」で 「ザ・ドロップ」デニス・ルヘイン
バーを襲った強盗事件、そのバーで囁かれる10年前に失踪した常連客の謎
マフィア一味の脅迫や危険人物の出現など矢継ぎ早に語られる
巻き込まれ型スリラー
「ぷ」「プ」「ふ」「フ」で 「プロメテウスの乙女」赤川次郎
軍国主義を推進する政権に対抗するため、自らの身体にある「改造」を施した
女性たちの群像劇。1982年出版とは思えない鋭さを持った作品。
読後の後味の悪さも、このテーマに相応しい。
「め」「女」で。 「女の顔を覆え」P・Dジェイムズ
作者のデビュー作
後期の作品にみられるような重厚さは無く
作者自身も「クリスティーの影響を脱しきれない失敗作」
と評している
「え」「エ」で 山田風太郎『エドの舞踏会』
伊藤博文等、明治の偉人たちを支えた婦人たちの物語
山風らしいミステリ的興味も垣間見える一作
次は「会」「い」 「遺産相続の死角 東京〜札幌殺人ライン」深谷忠記
壮&美緒シリーズの最新作、の多分一つ前。
これの更にもう一つ前から読めてないんだが、初めて粗筋見た時、
いきなり結婚済みなんで結構度肝抜かれた覚えがw
「く/ク」「角」「いん/イン」「ライン」
勿論、あれば「ん/ン」でもどうぞ。 「首無の如き祟るもの」三津田信三
21世紀に生まれた本格ミステリの傑作。
トリックとロジックのどれも秀逸で、終盤の連続するどんでん返しは特に秀逸。
次は「の」「者」で 「のどを切られた死体」クリストファー・ヴッシュ
1932年発表のルドヴィック・トラヴァースシリーズ第七作
得意のアリバイ・トリックは印象に残るし
トラヴァースに起こったハプニングも非常に面白かったが
進展しない捜査描写が延々と続いて全体的には地味な感じ
「い」「イ」「体」「死体」で 「犬神家の一族」横溝正史
この板ではもはや説明不要の日本本格ミステリー界の代名詞的名作
詳しくない人にはスケキヨのあれと言えば通じる
「く」「族」で 『くれないの文字』 仁木悦子
仁木兄妹もいいけど三影潤のキャラクターも実に魅力的
仁木作品を「ただのパズル小説」とか悪口言う人もいるらしいけど
そもそも推理小説の一番の魅力って何?と言いたくなる
次は「じ」「ジ」「字」「文字」で 『女王陛下の007号』イアン・フレミング
ポケミス版の邦訳タイトル
シリーズ中では実は完成度の高い一冊ではないかと思う
ヒロインの印象的な扱いも忘れがたい
「う」「ウ」「号」で 「裏切りの氷河」デズモンド・バグリィ
バグリィの初期作のひとつで、日本に初めて紹介された長編
エスピオナージュの裏切り・謀略ものの興味もたっぷり込めた
骨太なアウトドア派の冒険小説
「が」「ガ」「河」などで 「硝子の家」島久平
和製J・D・カ―の世界といえる、昭和後半に登場した
不可能犯罪ものの秀作
最高級のケレン味がたまらない…
「え」「エ」「家」で 「絵に描いた悪魔」ルース・レンデル
犯人当てとして意外性もあり楽しめるが
遺産相続や婚姻制度の法的要因が現代日本の
感覚とずれているところが難点
「ま」「マ」「悪魔」で 「舞妓さんと怪盗大旦那」範乃秋晴
何の疑問も無くほっこり系ライトミステリだと思って読んでちょっとビビった。
いや、推理小説としては目茶苦茶ライトなんだが、予想外にエグい話で。
いや面白かったことは面白かったけど。
「な」「ナ」「那」「旦那」辺りで。 「夏の最後の薔薇」連城三紀彦
恋愛ミステリ短編集
短い中にも二転三転し意外な結末が
駆け引きや心理操作が巧みに描かれている
「ら」「ラ」「薔薇」で 「ライアー」大沢在昌
夫と子供にないしょで政府暗部組織の殺人指令を請け負う
女暗殺者の物語。昨年2014年の新刊
予想外に作者の兄貴分だった故・生島治郎風の初期作を思わせる
泣かせ技が最後に利いていて、そこが印象的だった
「あ」「あー」「ア」「アー」で 「開けっぱなしの密室」岡嶋二人
6編からなるミステリ短編集
明確なテーマは無いがユニークなアイデアが豊富で
作者らしさが随所に光る作品
「つ」「ツ」「密室」で 「密室への招待―ホック密室ミステリ自選集」E・D・ホック
81年に日本で独自に刊行した、不可能犯罪テーマの個人短編集
今ならもう1〜2冊編めるんじゃないの。さすがにもう自薦は
無理だが……(涙)
「い」「イ」「招待」「待」「う」「ウ」「集」とかで 「イン・ザ・ブラッド」ジャック・カーリィ
「ブラッド・ブラザー」に続くカーソン・ライダー刑事シリーズ
続発する怪事件 それらをつなぐ衝撃の真実
緻密な伏線と鮮やかなドンデン返しが楽しめる
「ど」「ド」「と」「ト」で 「どこまでも殺されて」連城三紀彦
7回殺された少年が8回目の死を目前にして救いを求めるサインを出す
担任教師や同級生たちが彼を救うべく奔走する
個人的には動機に不満が残った
「て」「テ」で 土屋隆夫 『天狗の面』
本格派の旗手らしい名作だと思う。既出だったらすまん。
「めん」「メン」「面」などで >>303
しりとりで「ん」で終わる言葉なんか選ぶんじゃないぞ。せめて
>「めん」「メン」「面」などで
は
「めん」「メン」「面」「め」「メ」などで
としてくれ
ということで
「名探偵群像」シオドー・マシスン
未訳&未書籍化の分もいくつかあり、そのいくつかはHMMに
「新・名探偵群像」の名前で翻訳されている。続巻の刊行も願いたい
「う」「ウ」「像」「群像」などで 「うわさ」小池真理子
サスペンス短編集
自然体で生活しているだけなのに
ある存在に翻弄され続け破滅に向かっていく
そんなシチュエーションを執拗なまでに描写されている
「さ」「サ」で 「さよなら神様」麻耶雄嵩
異色の超ミステリ「神様ゲーム」に続く
神様少年・鈴木太郎ものの完結編
シリーズ全体の完結感も味わい深いが
連作短編各編の、じわじわ来る人間の怖さも印象深い
「ま」「マ」「様」「神様」で 「真夜中のマーチ」奥田英朗
軽快な犯罪コメディ
個性的でアンバランスな三人組がヤクザや中国人マフィアを
向こうに回して10億円の強奪を狙う
次々に局面が変わる展開でスピード感あふれる作品
「ち」「チ」で 「血の季節」小泉喜美子
長編三部作の中でもゴシックの雰囲気が色濃く出された作品。
戦争前に主人公が遊んだ美しい兄妹との思い出と、現在の東京で起きる猟奇殺人が交差する。
ミステリのようなホラーのような、最後の一節にひやっとさせられます。
次は「つ」「ツ」でお願いします。 「追想五断章」米澤穂信
5つのリドル・ストーリーをめぐる不思議なあじわいのミステリ
試みとしては面白いのだが早い段階で結末が予測できてしまうところが難点
「う」「ウ」で 「海のある奈良に死す」有栖川有栖
臨床犯罪学者・火村英生が登場するシリーズの長編
推理作家の有栖川有栖とともにあちこちを巡るので、ちょっと旅情的な雰囲気もありつつ
しっかりロジック重視の本格ミステリが楽しめる
しかし、ファンの間では問題作との声も多い
「す」「ス」あれば「死す」でどうぞ 「垂里冴子のお見合いと推理」山口雅也
独身の垂里冴子は叔母の紹介でお見合いするが
そのたびに事件が発生する
そして垂里冴子自身が真相を推理するというミステリ短編集
「り」「リ」「推理」で 「リバース」相場英雄
今年の新刊。作者の人気警察小説シリーズ「ナンバーズ」ものの
3冊目。ある意味で、人類の文明史上、最高クラスに規模の大きい
犯罪が描かれる
「す」「ス」で 「砂の城」鮎川哲也
いわゆる時刻表アリバイ崩し物
昔は時刻表の盲点をついたトリックが成立していましたが
現代ではあり得ないトリックになってしまいました
それを除けば十分に楽しめる傑作
「ろ」「ロ」「城」で 『ロシアから愛をこめて』イアン・フレミング
1964年4月に刊行の創元文庫の翻訳初版では「007」の副題がつかない
(表紙の上に「秘密諜報員007号」というシリーズ名の標記はあるが)
内容は言わずと知れたシリーズ内での傑作
処女かと訊かれて羞恥するタチアナ・ロマノヴァ萌え
「て」「テ」で 「天使のナイフ」薬丸学
主人公の妻を殺した少年の一人が殺され、主人公に疑いがかかる。
残された娘のために精一杯生きている主人公だが否応なしに事件に巻き込まれ…。
少年犯罪がテーマだけれど、ここまで次から次へと少年犯罪が連なってくると作り物過ぎてちょっと萎える。
次は「ふ」「フ」でお願いします。 「復讐はお好き?」カール・ハイアセン
コミカルで痛快なサスペンス
夫に殺されかけた妻の復讐劇
しかし全編に渡ってユーモアに満ち溢れている
軽快なテンポと個性的な登場人物で読んでいて楽しい
「き」「キ」で 「北半球の南十字星」沢村浩輔
今年の新刊。大航海時代の欧州を思わせるパラレルワールドの
異世界を舞台に、海賊たちの集団の中での冒険と宝さがし
そして不可能犯罪の殺人劇を描いた一大快作
「い」「イ」「星」で 「いつか虹の向こうへ」伊岡瞬
第25回横溝正史賞受賞作
2005年にテレビ化されており主人公は石田純一
アルコール依存症の元刑事で警備員の男が主人公
三人の居候と共同生活をしていたところに
新たに女性が加わったところから事件が発生し
とんでもない展開に巻き込まれていく
「へ」で 「変人島風物誌」多岐川恭
奇矯なキャラクターが揃い集った島の中で起きる不可解な殺人劇
この作者の中では、読んでおいた方がいい秀作だろうな
「し」「シ」「じ」「ジ」とかで 「死への疾走」パトリック・クェンティン
マヤ文明の遺跡が舞台
旅行者が事件に巻き込まれ殺人場面や銃撃戦が派手に描写されている
物語も二転三転し楽しませてくれる
「う」「ウ」「疾走」「走」などで 「走れ、盗人」フランク・グルーバー
シリーズものキャラクターの多い作者だが、これは
ノンシリーズのサスペンス編。金庫破りの計画に巻き込まれた
錠前屋が不届きな心を生じて、その標的の大金の横取りを企むが…。
「と」「ト」「人」「盗人」とかで