山田風太郎 其の二十三©2ch.net
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まあ、戦時中の理系偏重の政策もあって医者を早く養成しなきゃならなくて
多少点をオマケしてもらったってのはあったかもなw 山田風太郎、星新一、筒井康隆
鬼才・奇才と呼ばれる人を見出す天才だな、乱歩は 風太郎日記を読んでたら「平凡」のクイズを自分で書いたという記述があった。
正式に歓喜先生ものに加えないとならないんじゃないか? 山風が乱歩に「君は才能がある」って言われて感激してたら
新人には誰にでもそう言ってたって笑い話もあるけどな
とにかく新人は誰でも褒める人だったから
ただ山風にとっていい出会いだったのは確かだろう
早くに亡くしたお父さんと同世代でしょ?父親も乱歩の本名も「太郎」だったし
乱歩と同じ病気になって同じ日に死んだってのは偶然だけど
運命みたいな部分では父親を渇望してたんだね
まあ山風のエッセイなんかだと乱歩は「おもろいおっさん」みたいな扱いだけど
あれは照れ隠しでもあったんだろうな >>550
「先生は眼高手低の人ですなあ」と失礼極まりないことを直接言ったり
「乱歩が戦後積極的な性格になったのは、禿頭が恥ずかしくない年齢になったからに違いない」
などという失礼極まりないエッセイを書いたり、とんでもない息子だけどねw >>551
もちろん>>550が言うような照れ隠しの裏返しみたいなのもあっただろうし
学生時代から天国荘みたいなことやったり偽名で映画評論書いてたりするような
若き誠也君から漂うトンガリっぷりも含めて乱歩は評価してたんじゃないかな ハゲについては山風だけでなく
「江戸川乱歩作品集決定版全120作品+11」に平林初之輔他が乱歩について書いたエッセーが載ってるが
「乱歩くんはあの通り髪は少ないが」とか「乱歩自身髪の少ないのを気にしているが」とかハゲネタが多すぎw
横溝正史も>>548の三人も乱歩へのイヤミかよと言いたい位晩年(筒井は存命だが)でも髪フサフサだよなあ ただ、山風の乱歩ハゲ論は知ってる人もいるだろうけど、乱歩の探偵小説四十年で
自己の病気や体調に関する記述はたくさんあるのにハゲの記述は一切ないっていう
きちんとした論拠があるからなw >>554
みんなわかってたんだろうなw
>>553 「乱歩自身髪の少ないのを気にしているが」 >>554
まあ、ハゲは病気や体調ではなく、仕様なんだがwww
記述が一切ないってのはやはり不自然だね >>550
横溝正史にも風ちゃん風ちゃんと可愛がられてたよな風太郎先生。
で、風太郎先生も乱歩みたいに明言こそしてないが、横溝正史の事も敬愛する事大だったのはわかる。
人間臨終図鑑の乱歩の項目から横溝の項目を続けて読むと、いつもつい泣けてしまう。 そりゃ乱歩に面と向かって「先生は眼高手低ですね」って言った人だからな
でもそういうキツいこと言っても可愛がられる人柄だったんだろうね 時代劇専門チャンネルで姫君捕物控やるね
観たことないから楽しみだ すいません初めて書き込みます。
忍法モノを大体時系列で読んできたんですが、陰陽師でなんか途中で止まってしまいました。
潮時でしょうか? 刊行順じゃなくて時系列か
wikipediaに載ってる順序ということなら
別に無理に読まなくていい ウィキペって大体刊行順じゃなかったでしたっけ?
頑張って、陰陽師やっつけようと思います。
ありがとうございました。 忍法帳の長編ははA評価とB評価読んでりゃそれでいいよ。短編読みたけりゃ
ちくま文庫の全集読めばいいし。ただし、明治物は全て読んだ方がいいと思う。 忍法帖評価Cだけど剣士伝も良いと思うけどな〜
あと、評価のない忍法創世記も。 陰陽師は独特だよね
悪くはないけどAはちょっと
明治物はすべておすすめ
晩年の室町物も好きだなあ 陰陽師は山風的には忍法帳の最高傑作らしいからまあ我慢して読むしかねえなw
あれほど無意味無目的でどうでもいい話もねえだろ?w 最高傑作って……テレ隠しかなんかの類いじゃないんッスかねぇ〜〜〜?
世間じゃあ忍者の人…忍者小説の大家みたいなイメージの僕だけど……
こんな軽妙洒脱な…エスプリのきいた…今風のオモシロ物書きなんだよんっていうような……
ある種……なんて言うのかな………
正直キッツイわ〜〜〜…… >>571
創世記はそうでもないけど、俺も剣士伝は好きだな
忍法帖のチーム戦を実在の剣豪でやったのが面白いし、その状況にもっていく設定が実にうまい
同じ趣向では魔界転生の出来には到底かなわないけど、メイン忍法のビジュアルの妖しさは魔界転生より毘盧遮那如来の方が上 >>574-575
アクション抜きでほら話に徹したという面で、実際作者的には好きな作品なんだろうね
聴恋器とかさまよえる忍者とかと同じ方向 剣士伝は2組目が好きだね。
弟子達をほどよくカマセにしつつ木造の相打ち謀略も進行、
そんでびるしゃなが効かない!? みたいな少年漫画展開持ってきて
最後は史実に落とし込むというね。しかもそれが短編級の尺。
創世記は牢姫と七兵衛だけでだいたい許せる。
そもそも47歳あたりで「妖かしの美少女」「ツンデレ男子」を描ける感性よ。 牢姫は今のラノベとかソシャゲのキャラでも全然行ける
それこそfgoとかにもいそうな秀逸なキャラ造形
ただ忍法帖ってスタイルが完全に限界だったからな
「どう書いても面白くならねー」って作者の叫び声が聞こえる
出来はそんなに悪くないんだけど、刊行したくなかったのも分かる
十兵衛死すは創世記をリメイクしたんだろうね
最後の室町もの、十兵衛シリーズ最終作にして山風最後の小説
んで同時に最後の忍法帖でもあると >>580
創世記がなかなか書籍化されなかったのは三種の神器が問題だったという噂も聞きますね。
途中から三種の神器というワードが出てこなくなったかわりに牢姫というものすごいキャラが出てきましたが。 やっぱ最初は伊賀と柳生の偽神器が本物として奉られる展開にしようとしたけど、
さすがにそれはヤベーかも…と思って方向転換したのかね?
創世記はおぼろ月にかかるたびに柳生無双する又十郎が好きだ 新紙幣の五千円札に津田梅子が採用されたが、津田梅子と同じく日本の女性教育者の先駆けの
山川捨松が出てきた幻燈辻馬車の話を思い出したりした。 風来忍法帖って映画化されてたのね
渥美清主演で
いま見てきたわよ
ようつべで
きゃはー 烏丸ルヴォワールを読んでやっと忍法帖ネタに気付いた
1作目はまったく気付かなかった 山風のエッセイで知った山本嘉次郎監督の「馬」という映画がある。
実質的な意味で黒澤明が初監督した作品であり、見たいと思ってたが過去に一度ビデオ化がされたきりで
名画座にもかからない作品だった。だが今、朝日新聞出版から発売されている黒澤明DVDコレクションで「馬」が発売された。
もちろん初のDVD化である。字幕やチャプターがついてないという問題はあるが、まずは見れる機会を得たことを喜びたい。
山風ファンの人も見てみるといいかもよ。 おいお前ら、人間臨終図巻が漫画になって発売されてるぞw 何か妙な人気があるんだよな人間臨終図鑑
まともに山風作品読んでない人が特に持ち上げてるイメージ
コンセプトは優れてるけど、面白い作品なんて他にいくらでもある >>591
臨終図鑑からの落穂拾いっぽい『神曲崩壊』も好きだな。
自分は、図鑑の乱歩の項目から横溝の項目を続けて読むと泣ける。 人間臨終図巻好きだな
若くして亡くなった人の死に様は読んでいてなんだか複雑な気分になって面白い
「パッパ死んだんか、ほーん」で切腹かなんかして死んだ赤穂浪士の誰かはなぜか覚えている 山風好きには嫌がられるだろうけど臨終図巻の平成版誰か書かないかな >>593
たぶんそれは大石内蔵助の息子の主税やね。 >>594
読んでないけど平成臨終図鑑って本は出てるな ttps://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029637240-00 今さらな疑問なんだけど「魔界転生」で直接は出てこないけど
実在の人物のごとく武蔵の想い人としてお通が存在してるよね
あれって吉川英治の遺族に許可取ったのかな?
(おぼろ忍法帖の連載は吉川の死後2〜3年後)
それともこの頃は大らかな時代だったから他の作家の創作した
キャラクターを使っても文句なんて言われなかった?
とはいえ吉川が連載中にまだ存命だったたら、お通って名前を
はっきり出すのは山風もためらったかもしれないけど 都筑道夫が『新顎十郎捕物帖』を書いた際に、『顎十郎捕物帖』の作者久生十蘭の遺族に許可を得てるし、金田一少年も横溝正史の遺族にお伺いを立てたと聞いたことがある。 >>599
へえ、そんな常識もわかんないんだ
そっちこそどういう感覚してるの?
何歳?
>>600
そうそう、それが普通の感覚だよな お通どころか最終章が「魚歌水心」だからなw
あきらかにパロディだから許可取るなんてしてないんじゃないかな
おおらかな時代だったてのもあるでしょうね
その程度でクレームだったら、山風は横山光輝をフルボッコにしなきゃいかん 横山光輝をフルボッコなら、石森章太郎には張り手三発くらいか
みんな故人なのが寂しい 「風眼抄」を読み返したら、「吉川文学雑感」他、吉川英治についての文章があった
宮本武蔵についてはこう書いてあった
下宿していた家のご隠居が、新聞を待ちかねていたが、中学生と老人が、その面白さに意気投合する小説なんてめったにあるものではない
そしてまた小学校当時から愛読し、大人になって以後もなお愛読させる作家などというものは、吉川英治を以て空前絶後とするであろう。 やっぱ英治は特別なんかなぁ
頭デッカチ作家連中には無い、プロレタリア臭が胸を打つよね 電子書籍だと吉川英治はただみたいな値段で読めるから、今ずうっと読んでるが
宮本武蔵は前半は息も継がせぬ面白さだけど、一乗寺後ちょっと中だるみして、巌流島直前で盛り返す
むしろ、山風はあまり評価してなかったような晩年の、私本太平記や新書太閤記がむちゃくちゃ面白いんで驚いた 忍びの卍を読み終わったが一番最後の新井白石のなんたらにいう。――後の文がよくわからん…誰か教えてくれんか
ストーリーは面白かった 忍者三人いいキャラしてる 史実だったり権威的なやつにスットコドッコイ話をこじつける常套手段 古本屋で偶然発見した講談社のイン・ポケットの1999年10月号。「忍法帳完結対談」と題して
山田風太郎と馳星周の対談とその他の山風の記事の小特集が載っている。
だが俺が一番驚いたのは亡くなる2年前の山風の姿。今まで見たことのある晩年の写真はまだ頬に肉がついてたが、
この対談で載ってる写真じゃ頬の肉もなくなっちまって本当のヨボヨボの爺さんになっちゃってる。
団鬼六もそうだったが、人間歳を取るとああなっちまうんだなと無常観にとらわれる。 いや別に男前で売ってたわけでもないんだから
小松左京みたいな体型だったらまだ分かるけど元から痩せ型でしょ
なぜそんな無常観とか大袈裟な話になってるのか分からん
最晩年は車椅子だったけど、側に奥さんがいたしな
好きに食って飲んで、書いて、子供の頃は不幸だったけどいい人生だよ 陰陽師読了
ギャグのテイストになんとなく筒井康隆に似たものを感じたね 笑い陰陽師は1967年発表
筒井康隆はやっとハチャメチャ路線はじめた位の頃だから、筒井康隆「が」似てるんだろうね
筒井自身は「陰茎人」について、なんで俺がこの発想ができなかったかと兜を脱いだ的なことを書いてた 山田風太郎にしては珍しく
筒井康隆の単行本の帯に推薦文書いてたな 筒井の「トラブル」なんてまるっきりSF版忍法帖だ(ほめてる) 風太郎さんは「わが推理小説零年」で筒井康隆を絶賛してるし
筒井康隆も「漂流 本から本へ」で山田風太郎を絶賛してる 似てると言えば京極夏彦の「京極堂」というネーミングは、「笑い陰陽師」の「果心堂」を連想してしまう
両方陰陽師だし、余計なことに関心を示して蘊蓄を傾けるのが好きなとこなど
影響を受けたとまでは思わないが >>620
筒井康隆が『幻灯辻馬車』の一部に苦言を呈していたのと「剣鬼喇嘛仏」を大絶賛してたのは知ってた。
>>622
『妖異金瓶梅』を読まずして「ウロボロスの偽書」(とその続篇)の作中作として書かれた竹本健治の「酉つ九芸者」シリーズみたいな例もあるね。 竹本健治は怪しいけと思うけどな
トリック芸者だけならまだいいとしても、デビュー作のタイトルも棺の中の悦楽のもじり
これで知らないってのはちょっと無理がある
ただ京極夏彦はもともと山風好きだよ
解説も書いてるし、本の装幀までやってる
笑い陰陽師は違うと思うけど、絡新婦の理とか後巷説百物語はモロ山風 >>624
いや、たぶん竹本健治はガチであんまり山風作品は読んでない。
風太郎先生が亡くなった時は特集が各誌で組まれていたけど、竹本健治は作品にはあまり触れてなかったからと、風太郎先生と麻雀をした時の事を書いていた(そして他作家の寄せた文章と比較してめっちゃ浮いていた)記憶があるよ。 不覚にも早乙女貢という作家を知らなかった。未読だが山風とジャンルも時期もかぶるよね 早乙女貢は明智光秀が天海僧正として生き延びたっていう小説だけ読んだな
イマイチだった 早乙女貢は剣豪や忍者が主役の娯楽時代小説を書いているうちはよかったけれど
幕末明治が題材の歴史小説路線はな……
佐幕は正義!官軍は絶対悪!というイデオロギー臭と贔屓の引き倒しがむごい。
山風はドライといおうか、どちらの陣営に対しても突き放したところがあるよね。 早乙女貢というと、もう10年以上前のここの過去スレで話題になっていたような記憶が。
確か風来について自作の風魔小太郎を描いた小説と比較してdisっていたとかいう話じゃなかったかな? >>629
自身の戦争経験によるんだろうけど、山風は結局この世は強い方が勝つって達観してるとこがあるからな。
そういう意味ではどっちが善でどっちが悪というような方向には余り偏らない。 >>631
歴史作家の資質の違いが一番表に出るのは
幕末の描き方だと思うんだ。
坂本龍馬暗殺の描き方の場合
司馬遼太郎→龍馬はよくやった、龍馬を殺した幕府方はおかしくなっていた。
山田風太郎→龍馬も龍馬を殺した幕府方も自分たちの立場でよくやった。
早乙女貢→龍馬はテロリスト、龍馬を殺した幕府方はよくやった。
中村彰彦→龍馬は薩摩藩の陰謀で殺されたんだから、幕府方は悪くない。 坂本龍馬暗殺は
NHKの歴史番組や巷の謎解き本(陰謀論)のせいで未解決事件だと思っていたから
「警視庁草紙」でふつーに京都見廻組の今井信郎が殺したことになっていて
あれ?となったの。マスコミが興味本位で歴史の謎に仕立てていただけだったのね。 >>632
早乙女貢が師と仰ぐ山本周五郎も善悪は相対的であるという視点があるけど(ながい坂でも樅の木は残ったでも)
その点では不肖の弟子ですなw
周五郎も風太郎もさすがに巨匠と言われる人は、歴史を単純な善悪に決めつけてみる視点は超越してますな >>633
異説は色々あるみたいだけど、写楽の正体程度の異説でしょう 異説といおうか、歴史の真相商法でしょう。
短編の『怪異投込寺』では
写楽の正体探しがブームだった時世に
ふつーに阿波藩の斎藤十郎兵衛を出してきたし
異説や珍説に関心がないといおうか
流行りものに迎合したくないという考えもあったのかもしれないね。
その点は友達だった高木彬光とは対照的。 犯人は今井信郎でほぼ間違いないってのが定説になったのはそんなに昔でもない
山風が活躍してた頃は有力容疑者の一人くらいの扱い >>636
異説だから珍説だから使ってみようってとこはないんだよね
だから天海僧正=明智光秀説なんてとらない
結構真面目に自分が歴史の真実(可能性がある)と思ってることを書きたいんじゃないかな
妖説太閤記の本能寺の変のカラクリも、「秀吉はいつ知ったか」というエッセイにそのまま根拠を書いてる さすがに外道忍法帖のオチは歴史の真実の可能性があるとは思ってなかっただろう >>639
まあ、歴史物に限ってということにしてくれw
というか自分オリジナルの珍説奇説はOKだけど他人のには乗っからんてことかな(除くパロディ) >>637
東洲斎写楽の正体は昭和の間は学者レベルでも別人説が優勢だったが
近江屋事件の陰謀論は学者レベルではまったく相手にされてないよ。
歴史作家と歴史評論家と市井のアマチュア歴史家の想像を
TV局や出版社が面白おかしく拡散させていたという程度。
松浦玲著『暗殺』(1966年)
「見廻組による暗殺という事実は、もう動かない」
一般にも京都見廻組の犯行だと広まったのは
大河ドラマの『龍馬伝』あたりからになるのかね。
>>638
会津藩の伊賀忍者と薩摩藩の甲賀忍者が幕末の京都で戦うというストーリーで
当時の要人たちが入れ替わり立ち替わりに関わってくるような展開だったら
素っ頓狂な理由を用意して龍馬を殺していたという気がしないでもない。 早乙女貢の幕府贔屓(官軍アンチ)の歴史観には賛同しないけど
安直な陰謀論で責任転嫁するようなことをせず
堂々と佐幕の立場を支持してみせたのはさすがに見識があったと思います。 まあ山風自身も歴史的事実を踏まえた上で面白い小説を書きたいってことは言ってるよな。
だから物語自体の枠を設定する時に歴史的事実それ自体をいじくるってことは余りしない(魔天のような例外はあるが)。
妖説太閤記がもう真骨頂だよな。「秀吉は悪党だった」って観点から山風が秀吉の人生を検証してみると
フィクションであることはわかってても名探偵の謎解きのように真実性を持って迫ってくる。 >>640
もしや徳川幕府の三代目将軍は忍法争いで決められたのが史実かもしれないとお考えで? >>644
歴史者に限ってということにしてくれというのが読めんのかねw ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています