まず、息子が父親と女教師の相談内容を知っているのがおかしい。
知ってなきゃ父親と女教師相手に同時に別々の賭けをすることはできない。
原作では老婆(この話で言えば息子にあたる)が
自ら両者にギャンブルを持ちかけてるからスムースに話が進む。
この話の展開なら「それを息子が盗み聞きしてた」のような一文がなければアンフェア。

第二にたかが生徒のギャンブル癖をやめさせるためごときに
自分の股間を見せる教師なんかいない。元ネタ以上に説得力のない設定。
老婆とおっさんという設定だからこそなんとか話が成り立つ。
父親と息子と言う関係性も説得力が薄い。
父親と小学生の息子なんて明らかに父親のほうが立場が上なのだから
教師に怒鳴リ散らす前に「馬鹿息子をぶん殴れよ」のツッコミで終わってしまう。
原作において、老婆と頭取&弁護士のおっさんというキャラ設定にしたのか、
改変するまえによく考えたほうがいい。

第三に女教師が見せたという証拠がない。
「僕は女教師の股間を見たよ」と報告されただけで金を払う馬鹿などいない。
父親もその場にいなければ、
あるいは最後の父親と女教師の会話の場に息子がいなければ話が成立しない。
最後の一行の前に、息子がその場にいることを記載し、
「女教師は息子の顔を見た。しょぼくれていたはずの息子は急にニヤニヤしだした。
女教師はびっくりして父親を見た。父親の顔は怒りに震えていた」
といった下りを入れたりしなければやはりアンフェア。

そして第四に、これがこの改変の一番のダメなところだが、
息子は女教師との賭けには負けてるのだから
「今後ギャンブルはしない」という約束を守らないといけなくなる。
結局小銭は稼げているが一番重要なところでは負けにしてしまっている。
この瑕疵だけはどうしようもない。

元ネタの「老婆が銀行頭取の金玉掴んで弁護士から大金を巻き上げる話」
のほうが遥かに出来が良いわ。