上のほうで「新しい『沢崎の新宿』」はもう見られないんだなとか書いた者だが
ハードボイルド派って「その探偵の街」が重要な要素だと思う
「ミステリオーソ」収の評論で、探偵の個性よりもその探偵にどんな事件を用意するのかがポイントだという趣旨の事を原先生は書いてたと記憶してるが、もう一つ、探偵が所属する街の描写もハードボイルド派の特色だと俺は思う、特に独創的な見解でもないがね。

「私が殺した少女」で言うと、認知症の老婆を尾行して夜の副都心をさまようシークエンス(ここは何回か読み直したもんな)とか
「さらば長き眠り」だと重傷を負った魚住が深夜の新宿の病院に運び込まれるときの臨場感とか

沢崎の虚勢と減らず口や橋爪や相良にもう会えないのも寂しいが
そういう新宿の情景が読めなくなるのも寂しいよ俺は