漂流 日本郵政(1) 重すぎる火中の栗
2013/6/25付日本経済新聞 朝刊
ttp://www.nikkei.com/article/DGKDZO56596860V20C13A6EA1000/
ttp://www.nikkei.com/article/DGXNZO56596860V20C13A6SHA000/
 「上場まで残された時間はあと2年しかない。ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の上場にも今年度中に
道筋をつけます」
 6月20日午前11時、東京・霞が関にある日本郵政本社3階の役員室。1時間前の株主総会で社長に
就いた西室泰三(77)が飛ばした檄(げき)に、居並ぶ幹部は思わず顔を見合わせた。「子会社まで
上場するのか」。上場をめざすのは持ち株会社だけと踏んでいた幹部には寝耳に水だった。
 民主党政権下で成立した…

必ず流れは戻る 漂流日本郵政(ルポ迫真)
2013/6/26
ttp://www.nikkei.com/article/DGXNASFS19002_Z10C13A6SHA000/
 「郵政は菅ちゃんに任せる」。首相、安倍晋三(58)は菅にこう話す。菅が郵政で踏み込んだ発言を
しても「官房長官の発言は重たい」と擁護する。


菅義偉官房長官はかつて「小泉―竹中―菅」のラインで郵政「完全民営化」路線を推進してきた人物で、
小泉政権時代とは打って変わって自民党も賛成した改正郵政民営化法の採択では、党内の立場を
危うくしてまで中川秀直、小泉進次郎らとともに造反して反対票を投じた。昨年12月に就任したばかりの
財務省出身の坂篤郎社長を交代させて、完全民営化を前提に西室泰三を社長に据え、取締役の顔ぶれ
を刷新させ、郵政民営化委員長に意に沿う増田寛也に内定。西室は米国の意向を感じ取り、民営化に
道筋を付けようとしており、今後の路線を巡って郵政が漂流している。