大麻単独使用、または大麻だけが原因で幻覚が起きると言う論文はない。
それではなぜ、大麻で幻覚が起きると言う嘘、誇張が実しやかに言われるようになったか?

下記に簡単に纏める。

その理由は、19世紀に西洋で初めてハッシシの研究をしたフランスの精神科医、
ジャック・ジョセフ・モローや、当時の作家たちの影響が強いと思われる。

モローは、1836年から1840年に北アフリカと中東を旅した後、1844年、パリで
『クラブ・デ・ハシシュキンス』 (大麻クラブ)を設立した。

『クラブ・デ・ハシシュキンス』では、シャルル・ボードレール、アレクサンドル・デュマ、
その他のフランスの文学者が、薬物誘発体験の探究に専念して作品を発表した。

彼らは初期の精神薬理学、文化に強い影響力を持っていた。

モローは大麻を大量に与えて人為的な精神疾患モデルを作り出し、
夢、せん妄、幻覚、狂気、アイデンティティー、精神病の関係を探ろうと試みた。

この19世紀の非科学的な試みが、大麻で精神病、幻覚が起きると言う嘘、
誇張の基礎になっている。

モローの試みは大麻で精神病、幻覚が起きると言うことではない。
大麻は19世紀の西洋での研究初期段階から誤解されて広まってしまった。