>>65 つづき

違法薬物のゲートウェイ理論のサイエンス
https://anond.hatelabo.jp/20161028221439

まず薬物のゲートウェイ理論に関する最初期の論文(たぶん最初じゃないかな?)はKandel (1975)ね。

この論文の概要は以下

・ランダムサンプリングされたニューヨーク州の高校生における縦断的(経時的)研究

・5〜6ヶ月の観察期間中、飲酒および喫煙習慣のある高校生の27%で大麻への
移行が見られたのに対し、そうした習慣のない高校生のうちわずか1%でしか移行が見られなかった。

・同様に、大麻を使用する高校生のうち26%でLSD、アンフェタミンまたはヘロインへの
移行が見られたのに対し、非薬物大麻(食品とか飲料に入ってるタイプ)や合法ドラッグ
(酒やタバコ等)の利用者で移行が見られたのはそれぞれ1%と4%のみであった。

つまりは"酒・タバコ → 大麻 → その他違法ドラッグ"という一連の流れ("Gateway" sequence)が
存在するのではないか、という話。

なかなかそれっぽくて分かりやすい結果だね。

疫学を多少かじった人が見たら「なんか交絡あるんじゃない?」って思いそうな結果でもある。

でもまあ結局のところ知りたいのは"ゲートウェイ理論はどの程度確からしいのか?"ってことよね。
"肯定的なエビデンス、どんくらいあんの?"って言い換えてもいい。

そいじゃ近年のレビュー論文――総括的な知識が欲しいならレビュー論文やメタ解析論文が
便利。あと英語版Wikipediaもバカにできない――から良さそうなのを1本もってこよう。

(つづく)