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ある団地の一室で暮らすのは、母と息子の親子2人…息子は37年もの間、この部屋にひきこもっている…

荷物であふれかえる部屋の中で、一日のほとんどをテレビの前で過ごす、52歳のまさきさん。中学生まではサッカー選手を目指していたが、膝を痛め断念…追い打ちを掛けるように学校でいじめに遭い、15歳で自宅にひきこもるようになった。以降、音楽にのめり込み、CDや音楽雑誌を買い集め、小さな食卓にも荷物が積み上がり、家の中は足の踏み場もない。
生活のすべては、一緒に暮らす79歳の母親に頼りきり…「このまま自分が動けなくなってしまったら息子はどうなってしまうのか」…母は不安ばかりが募っていた。

そんな中、母が自宅で倒れ、救急車で病院に搬送された。誤嚥性肺炎により、意識を失ったまま生死の境をさまようことに。なんとか退院したものの今度は足を痛め、今では思うように体が動かせず、家事もままならない状態に。母は、家中に積み上がった荷物の隙間を縫うように暮らすことに限界を感じ始めていた…そしてついに、今まで抑えてきた本音が爆発してしまう…

母の「生きていても希望がない」という言葉に、部屋を片付けることを決意するまさきさん。37年の間に積み重なった室内の荷物を整理するということ。それは長く苦しかった「ひきこもりの日々」に向き合うことを意味していた…