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前の人のお題を書き込むスレ
000119 ◆gwnULb/9mw 垢版2010/11/08(月) 22:43:01ID:gLPovKZg
前の人が出した題にそって詩を書き、 次の人にお題を出すスレです。 詩を書いた人は必ず新しいお題を出してください。


「風鈴」

記憶している事は何かと語らう縁側が暖かければ
その人は人には無いものを持っている
銅張りの瞼が開くまでの時間を知っている事で
僕らはまだ見ぬそれを補おうとする

レム睡眠の震える目玉の奥底で
冷たい水をゆらゆらと
細い灯火をゆらゆらと
蓋の下で扱えるものは小さい

聴いて眠る時
風上が林の明かりに隠れ
土の上に短い影が色濃く落ちて
雲の降らせたような島を作る

砂場で人が泳いでいる
洗い物が風を嗅ぎ
帆のようにはためく



次は「AKB48」でお願いします
0774名前はいらない垢版2016/05/25(水) 20:51:34.34ID:EsRemmvi
「狼たちの夕餉」

深夜近くの店内は人影もまばらで

ハラをへらしたふたりがテーブルに向かい合うのは

なんだかよそよそしくも妙な感じに見えた

つい先ほどまでの夢の国での出来事は

若いふたりの静かな興奮として熱い体に残っている

やがて来た食事に大口でモノも言わずに

彼らはただただ食べ続けていた

ただ時々は互いに見あいながら

そこは恥ずかしげに笑いながら


次は「悪いうわさ」
0775名前はいらない垢版2016/05/26(木) 18:34:14.13ID:gEm59Wyx
「悪いうわさ」


自分を棚に上げて悪い噂を流すのは
自分はましだと思っているから
それは自分の弱さなんだけど気づかない
悪い噂が本当だとしても
全部が悪いわけでなく
誰だって
弱気になる時もひねくれる時もあってさ
本当はそういう時こそ
黙って側にいてあげられたらいいのにね
それができないのも弱さだ

次は「宿題」
0776名前はいらない垢版2016/05/26(木) 20:36:12.88ID:PVfBv8/H
宿題

高校卒業間際、先生が言った
「俺からの最後の宿題だ。次会う時までに、自分の人生を変えた言葉を、
ひとつ見つけてこい。なんでもいい。くだらなくていい。その言葉がどう人生を変えたか、
俺に教えてくれ。」

その1週間後、先生は事故で死んだ。
俺は、先生に迷惑をかけてばかりだった。
将来の夢が見つからず、グレた時もあった。
俺は、その時、先生が嫌いすぎて、葬式にも顔を出さなかった。

その後、俺は大工に弟子入りした。
辛い事だらけだった。

そんな時、いつも俺を支えてくれるのは、先生の言葉だった。

70歳。俺はがんで死んだ。

天国で先生に会ったら、あの宿題の言葉は決めてあった。

「俺からの、最後の宿題だ。人生を変えた言葉を見つけてこい。」

俺はこの言葉を見つけるために、人生を費やし、そしてこの言葉こそが、俺を変えた。



次は、Hello .Good bye.
0777名前はいらない垢版2016/05/26(木) 22:12:29.11ID:k5YyAgQ1
‐ Hello .Good bye. ‐

毎朝のあいさつ

今日からすこしきどってヘローにした

なんかカッコよくてみんなマネし出す

ヘロー やー ハロー よー  ヘーロォ

発音バラバラなのになんか合っている

下校時のおわかれもグッバイにしてみた

グーッバイ バーイ バイバイ

おどけたしぐさで大声で

Hello Hello

Good bye Good bye

大好きなみんなにHello .Good bye.


次は「夜のサンポ」
0778名前はいらない垢版2016/05/27(金) 18:34:18.37ID:oX3Wa8hG
「夜のサンポ」

深夜の団地内はひっそりとしていて

やたらと湿り気をおびた空気に包まれている

ココはもうボクとイヌのポチだけの空間

だって今の時間はだれひとりとしていないんだもん

昼間の近所の住民も子供たちも老人たちも

通りを走るクルマですらもほとんどないから

ポチの肉球が地面にやわらかく触れる音と

ボクのなるべく気をつかう足音だけが

ひんやりとした空間に静かに聞こえている

フイにガランガランドシン、と聞こえるあの音は

ああいつもの自販機に飲みに来るお兄さんだ

彼はこのあと配達の仕事にかかるのだ

もうそんな時間なんだと

明け方も近い夜空を見上げながら思った



次は「夜明けの空の」
0779名前はいらない垢版2016/05/28(土) 06:21:25.13ID:S6CuBwv9
「夜明けの空の」

まだ寒いこんな明け方に

ベランダから見上げる空はほんのりと色づく

こんな瞬間きっとどこかの誰かも

同じように同じ空を見上げているかもしれない

そう思うと何となくほのぼのと

ちいさな微笑みが生まれる

世界中の誰かでもいいから

そんなこと思っていればいいと

空を見上げがなら


次は「一番星」
0780名前はいらない垢版2016/05/29(日) 01:02:53.65ID:TE5fdtyG
「一番星」

夜は静かに暮れてゆく

明日までヒタヒタと

ぼくらの足元は交互に靴音がひびく

今夜もまだ寒いけれど

でもこうしてただ歩いていれば温かい

誰もがまだ眠りこけている頃に

しばらくこうして一緒に

ほら空を見てごらんよ

一番星が流れて消えてゆくよ

やがてあたりは白んで朝が来てしまう

それまでもうしばらく手をつないでいよう



次は「悲しいステップ」
0781名前はいらない垢版2016/05/29(日) 14:29:47.62ID:TE5fdtyG
「悲しいステップ」

今夜も街の通りで笑い合い

ふたりのコラボで唄を奏でていた

離れた歩道でハデなコスプレした青年が

たったひとりで踊っていた

用意した曲を流しながら

靴音を響かせながら

ただひたすらステップを踏み続けて

夜の界隈では

ボクらの演奏も彼のダンスも

かき消されて見過ごされてしまう

ひとりよりもふたり

少なくともぼっちじゃないだけでも

さみしさは少ないのだろからボクらのがマシかと

寂しくステップを踏み続ける彼を見ながら思った


次は「演奏家」
0782名前はいらない垢版2016/05/29(日) 18:36:11.71ID:TE5fdtyG
「演奏家」

昼過ぎのデパ地下のラウンジは

静かに噴水が湧き出ていて

そばのテーブルで休むお客もまばら

エスカレータ下で演奏する彼女の弾く曲に

聞き入るひとはほとんどいない

アイスクリーム片手に佇むわたしは

今はこのホールでたったひとりの観客

ただぼんやりと

ピアノの死角から眺めているだけ

きっとアナタは気がつかないでしょう

鍵盤と取り組んで目をつむって弾き続けて

まわりの誰にも目を むけずに

ピアノと語らうだけのアナタには


次は「子猫のワルツ」
0783名前はいらない垢版2016/06/03(金) 15:18:14.12ID:JSp6yo7/
子猫のワルツ

ふと目をやると子猫が
すがるような
いぶかしむような

あるいは名前すらない感情を
もてあますかのような
つかみどころのない視線で
僕をみるものだから

なにか見てはいけないものを
見ているかのような
そんな気持ちにとらわれてしまう

そして視線をそらすと
何を視線をそらすことがあるかと
こちらには何もやましいことはないのだからと
開き直りにも近い気持ちがめばえ

ふたたび子猫を見やると
見事なステップを踏んでワルツを
踊っているものだから
僕はどう反応したものか迷ってしまう

鼻で笑い 肩をすくめたくとも
鼻で笑うってそういえば
どうやるんだっけと首をかしげて
いつまでも僕は
迷っているのでした

次「カウントダウン」
0784名前はいらない垢版2016/06/05(日) 20:52:51.45ID:Acplbr39
「カウントダウン」

近づいてくる時間が短くなる
バスの時間がうらめしい
足踏みしているぼくはひどくこっけいだろう
だってとても不安だから
まるでこれから死刑台に登らされる人間のようで
裏切ってキズつけた友達に
どんな顔して会えればいい?
誰か教えてほしいよ
できれば今はこのまま逃げてしまいたい
迫りくる時間に胃が痛くなるのに
情け容赦なく時刻は迫る


次は「細き血管」
0785名前はいらない垢版2016/06/06(月) 15:38:31.49ID:NdZDCkqE
細い血管

あかいはな
ぱっとさいて
ぱっとちって
はなびらひらひら

ひらひらはなびら
じめんにおちて
綺麗ああ綺麗

それはまるで
どこかのだれかの
たにんごとのようでいて

こどものいたずらのように
不穏なたくらみごとのよう

はなびらすべて
なくしたはなは
そのときなにを
おもうのでしょうか

次「雨あがり」
0786名前はいらない垢版2016/06/06(月) 17:36:12.78ID:kSMPrLCV
「雨あがり」


誰かが雨宿りをしてるバス停を

横目にみながら雨のなか走る抜けた僕らは

誰もよりもさきに雨上がりの空をみる

濡れたぶん、風は気持ちいい

雨に打たれたぶん、空が明るみくえる

雨宿りをして隠れてた賢い誰かさんには

見えない景色がここにある


「うそつき」
0787名前はいらない垢版2016/06/06(月) 18:56:34.08ID:Zhj3AJLY
うそつき

「しね」「だいきらい」「めのまえにあらわれないで」
平気で君に、嘘をつく
ほんとは「いきて」「だいすき」「ずっといて」
君を守るため、嘘をつく
心にもない言葉でも、
君がこれ以上嘘をつかなくていいように
  『嘘をつく』

失敗恐れて『嘘をつく』

別れを惜しんで『嘘をつく』

笑ってたくて『嘘をつく』

お話ししたくて『嘘をつく』

これはいい嘘と、自分をだまし『嘘をつく』

その重りいつも自分を苦しめ

何もかも嘘に聞こえてくる

そんな自分に嘘をつく

ほんとはすべて嘘なんだと、誰かに言いたい話したい

だけども僕は今日の日をいきていくため『嘘をつく』

次は『アリガトウ』そして『サヨウナラ』
0788名前はいらない垢版2016/06/06(月) 21:00:00.99ID:ZIrvg2rl
『アリガトウ』そして『サヨウナラ』

今日くり返したコトバは

友達とかわしたありがとう

いったい何回かわしたのかわからないけれど

言っててちょっと照れくさくて恥ずかしくて

でも何度でもかわしたくなるありがとう

そして誰かと別れるときや帰りの会で

かならずかわすのはこの言葉

さっきの角のわかれ道で

となりの家の門のところでチビ太にも

振り返りながら手をふって彼らにさようなら

こころにちょっぴり寂しさがこもるさようなら


次は‐紅い金魚のむれ‐
0789名前はいらない垢版2016/06/07(火) 15:15:44.60ID:WmDwYj6s
‐紅い金魚のむれ‐

私の足元には大きな水たまりがあります
見ると何匹もの紅いちいさな金魚が泳いでいました
くっつくようによりそうように 皆仲良くスイスイと
気持ちよさげに涼しげに

けれど現実にはそれはかわいい金魚では無くて
先ほどから私の口元からこぼれおちた血痰だったのです
私が苦しんで咳き込むたびにそれらはコロコロと
口からこぼれ落ちて
足元の水たまりに浮かぶのです

病気はつらくつねに逃れたくなるものだから
ときおり柔らかな妄想が私を誘うのです
これはきっとそんな妄想が見せる夢なのでしょう

ほら覗いてみてください
足元で金魚たちがヒラヒラと楽しげに泳いでいるでしょう
血の糸さえ引かなければ美しい金魚たちが


次は‐鉄格子越しのそら‐
0790名前はいらない垢版2016/06/07(火) 16:19:21.66ID:GKwV9J9c
「鉄格子越しのそら」

ショッキングピンクの壁にはめ込まれた
小さな窓にはゴールドの鉄格子
窓のそとにあるのは暗黒の空
小さな部屋の天井には天使が舞って
テーブルには美しい花束と甘い甘いチョコレート
たったひとつのドアの鍵をもつきみは
美しいこの部屋でも
今日も優しい嘘をつく
クッションの羽根が舞う中で
ほら雪だよときみが微笑えむから
そうね、世界で1番優しい雪ねとこたえる
瞳をとじるときみの声がきえこえる
宇宙はひろい、ひろくて自由だ
何を描いてもいい、すきに描いていい
ショッキングピンクの壁
天井には天使が舞って
窓にはゴールドの鉄格子
テーブルにはきれいな花束と甘い甘いチョコレート
きみは今日も優しい嘘をつく

窓のそとはきみのいない自由
0792名前はいらない垢版2016/06/07(火) 17:07:59.13ID:GKwV9J9c
「お別れの挨拶」

よく頑張ったと思う
今までよくやったわ
あなたは助けてくれなかった
それだけは覚えておく


「祝賀会」


「」
0793名前はいらない垢版2016/06/07(火) 17:56:25.53ID:WmDwYj6s
「祝賀会」

今夜は酢っぱい酔いが回る
星さえもチカチカとまたたきながら空でおどけてそうだ
大事な仲間の祝いの場で
婚約の話を聞かされてその瞬間ノドが焼けついた
冗談と 本気の入り混じる思いの中で
俺もどこか飛んでゆきたい気がする…


次は「指輪」
0794名前はいらない垢版2016/06/08(水) 01:34:19.12ID:No3roaQw
「指輪」

今日はイヴ
同じ日に生まれたことに感謝したい

誰に…?
ふたりの神さまにだろう
だってこうして僕らを巡り合わせてくれたのだから
今はただこの日を祝いたい

なんだか照れくさいね
同じイニシアルの刻まれた光る指輪
偶然にも僕らの名前はそれも同じで
トールキンの童話じゃなくてもドラマを感じてしまうだろう
イヴで賑わうイベントの会場で適当に選んだ指輪は特別に見えた

僕らにとっては今日を記念できる素敵なアイテム
はめた指を合わせればほら何かが見えるはず
キラキラと銀色に輝きながら
互いの指輪の放つ魔力に魅せられながら…


次は‐待ち合わせ‐
0795名前はいらない垢版2016/06/08(水) 22:14:25.82ID:No3roaQw
‐待ち合わせ‐

今日の俺はやたらとドキついていた
遅れてきたヤツは走ってきながら
やや照れながらスッキリとした頭をゆらした

日を浴びて短くなった襟足がやたらとまぶしい
目をしばたかせている俺に
おかしくはないか?と聞くあいつ
おかしくはないよと答えてやるけれど
すごく似あうぞとは何故か言えずにいた
それが今でも悔やまれるのだ
俺の時にはあいつはそう褒めてくれたのに


次は‐しろい手‐
0796名前はいらない垢版2016/06/10(金) 17:19:11.01ID:Og4a+NJf
‐しろい手‐

今日の俺はやたらとドキついていた
よろけたヤツの腕を掴んだとき
浅黒い俺の腕から白いヤツの腕が伸びていた

日を浴びてやたらとまぶしく光っていて
そんなヤツの腕に
俺はついつい目を何度もしばたかせてしまう
散髪したてのまぶしいうなじに
シャツからすんなりと伸びる白い腕
そして掴みかえしてきたその手先

なにもかもが皆まぶしく照れくさくて
なんだか今日は一日まともに見れずにいた

次は‐鏡‐
0797名前はいらない垢版2016/06/11(土) 20:24:18.55ID:jmw9Y8ae
‐鏡‐

ふと見ると暗がりの中に僕がいた

姿見の中でもうひとりの自分がこちらを見ている

真夜中の鏡の中は見てはいけない世界なのかもしれない

昼間見る自分とはまるで別人の姿がそこにいる

笑っているのだろうか微笑んでいるのだろうか

謎めいた見たことも無い笑顔を向けて僕を誘う

不気味で怪しい姿の何者かが手をこまねいて…


次は「ナチュラルな」
0798名前はいらない垢版2016/06/13(月) 09:03:00.85ID:yP+T4Gdq
「ナチュラルな」

彼の生き方としぐさに魅かれる

みじんもウソやいつわりのない姿には

ひとへの愛情や思いやりがとけあい

自然と自分もつられていることに気づいている

きっと本人はなにも気がつかないんだろう

だからこそ空気が流れるように存在する

そこには静かにナチュラルななにかが


次は‐縁‐
0800名前はいらない垢版2016/06/20(月) 08:47:19.45ID:3BRdc8rV


ある朝、段ボールが届きました
食べ物だったらいいな

中には何もありませんでした
魂が一個はいっているだけでした
ぼくはその魂をたべようとしました
でも手のなかからするっと逃げて
それは大通りへと転がっていきました

雑踏で見つけたそれは
魂とはちょっと違った色をしていました
魂は腐った卵のような色をしていたのですが
それは犬の形をしています

犬の形をしていても食物は食物です
ぼくは彼を食べようとして大きく口を開けました
彼は一目散に逃げていきました

その日の最後にありつけた食事は、道端に転がっていた、よくわからない虫の死骸でした

白い、糸のようなものが、ぼくと彼の口のあいだを繋いでいました


次は『最果て』
0801名前はいらない垢版2016/06/20(月) 20:57:56.17ID:PdFRq10e
『最果て』

くり返し訪れる朝も開ければまた同じ

冷たい夜が過ぎてけだるい昼間がやって来ようとも

今ここで膝を抱えて孤独と戦う自分は同じまま

ただここにこうしているだけ

ここが都会の真ん中だろうが最果てだろうが

それは同じことなのだ

いつか必ず訪れる新しい朝には期待できたとしても

僕はここから逃げられはしまいだろう

きみのことだけを案じながら

今夜も明日もその先も孤独な部屋で生きている

窓からさしてくる光がどんなにまぶしくても

それはいつまでも変わらぬこと


次は『誓い』
0802名前はいらない垢版2016/06/21(火) 03:37:23.14ID:hYHq2Hka
『誓い』

手の傷はふたりの絆なんだよと
風の中で誓い合ったこと
あの日を僕たちは忘れない

冷たく吹き荒れる風の中で
君はいつもひとりきりで立ち尽くしていた
口癖のよに強くなるんだと言いながら

きみはいつもひとりぼっちな戦士だったね

風の中で君の叫びがこだまする
僕の耳にも響きがながら

僕の差し伸べた手の甲に
君の伸びたツメが突き刺し血が滲む
手の痛みは君の心の痛みだろう

君はもうひとりきりじゃない
そばには僕がいつもいるよ
だからもう泣かないで

もう孤独に苦しまないで
君の叫びは僕の手のひらでふさがれる
君は僕の傷にくちづけし
ふたりで戦うことを誓った

これからはふたりなんだ
僕たちはともに戦おう


次は『叫び』
0803名前はいらない垢版2016/06/21(火) 19:08:48.90ID:hYHq2Hka
『叫び』

夕刻時にどこからか響いた

橋の上からなのか

夕闇の下からか

誰のものなのかわからないけれど

カラスの鳴くようなそれともネコの鳴くような

ちいさいけれど鋭く耳にいつまでも残るような

そんな不快なそして気味が悪くて

今ここでいつまでも立ち尽くして動けなった

僕が聞いたことを後悔した…


次『甘い果実』
0804名前はいらない垢版2016/06/22(水) 10:19:43.67ID:Xvo5uAw7
甘い果実

とてもとても
おいしそうな
あまいあまい果実

悪い虫がよってくるのを
追い払って独り占め
しかしながら
いざ手にしてみると
生まれるためらい

食べてしまいたいけれども
ほんとうにこれを
僕がたべていいのかな

早く食べないと
果実は傷むのも早いし
ころころどこかへ
ころがっていく恐れも

それでもまだためらっている


次「豪雨」
0805名前はいらない垢版2016/06/22(水) 21:06:47.33ID:ejsh1lcC
「豪雨」

今オマエが何に怯えているのかあててみようか?
そんなに寂しい顔はしなくてもいいよ
オマエが流してきた汗や涙の分だけ
俺も傷ついてみせるから

ひとりぼっちで怯えることなどない
オマエが佇んでいる時はいつでも待っていてあげるよ
だからその一歩をいつでも踏み出しておいで
オマエがその小さな手を差し出したら
かならず俺の手が掴んであげるから

いつでも俺はオマエのそばにいて
そのちいさな魂の雨傘となってやるよ
今オマエはこうしてどしゃぶりの雨の中でしゃがんでいる
そして誰かから差し伸べられる傘を待っているんだろう
そんなやつは誰もいないとわかっているのに
濡れたいのならかまわないよ
いつでもこうして俺がいる
馬鹿なオマエにつき合って後ろに立ち傘になろう

ふたりでビショ濡れになれば少しはマシだね
ふりかえるその顔は濡れていたけれども


次は‐深い眠りのあとで‐
0806名前はいらない垢版2016/06/23(木) 11:29:08.46ID:CF2YzuFU
‐深い眠りのあとで‐

手放さなければならなかった
大切なものを沢山失って
誰もが知っているあの忌まわしい災害に
日付は風で吹き消されようとしている
数多くの出来事に摩擦されながら

ディープスリープ
僕は眠っていた
一段こころをしなせてそして再び目覚めた時、蘇る
しんだこころは干上がりそしてまた起き上がる

涙はいつの間にか乾いていて
雲ひとつ無い青空は再び立ち上がる勇気を与える
悩み苦しんだ後にはまた新たな明日が始まる
これが運命というものならば
僕はしっかりと受け入れよう


次‐踵をかえして‐
0807名前はいらない垢版2016/06/24(金) 16:00:24.00ID:OPPnI+bI
‐踵をかえして‐

きみの足首はいつも緊張している

動くたんびにその中にある固い筋肉が痙攣し

しろい足の下でヒフの中でふるえている

まるで歩くたびそれが別の生き物ように見えて

なんだかおかしくて笑えてくる

傷ついて怒ったきみは

そのまま踵をかえして逃げてゆく

ごめんねそんなつもりじゃないのに

お互いにおかしなところはあるのだから

きっとそれはこのぼくにだって


次は‐湿度計‐

そしてきみにも笑われているのだろうね
0808名前はいらない垢版2016/06/25(土) 15:31:35.36ID:p3yVXIaS
‐湿度計‐

しっとりと滲んでいる部屋はまるで水の中

空気がとけたかのような

息苦しいくらいの湿気の内部で

ぼくは溺れて汗ばんでいく

外は雨

水しぶきが強く跳ねあがり

窓を開ければ水分が流れ込む

開けずにはおれずに

外もうちも水分に溢れて溺れてしまう

湿度計はどこまでも鰻登りに高くあがる

苦しさと淀む臭いにちっそくする


次は‐濃厚な‐
0809名前はいらない垢版2016/06/28(火) 02:03:26.60ID:MCUqqL6d
‐濃厚な‐

自分のひとことが信じきれていない

いつもお前の言葉が不鮮明で怯えているのは

お前がおくびょうで愚かだからと

そう言われた夜にぼくは彼を心でころした

でもあれはもう夢なんだと信じたい

だって今はぼくたちは違うから

あたりまえにそのひとことが話せるぼくにはもう過去のこと

云えたい言葉をやたらと慎重に選びすぎているから

最も簡単で最もたやすい言葉がどうしても選べないよ

だから肝心なことが伝えられぬまま損して生きているんだと

くりかえす彼の口を何度も泣きながら塞いでいた

でももうそれはあの夜の遠い思い出

そうぼくらにとっては深い霧の中にいるよな濃厚な


次は‐罪の重さ‐
0810名前はいらない垢版2016/06/29(水) 23:37:37.28ID:vaKRo+Pg
‐罪の重さ‐

孤独を愛していた僕
嫌なこと全てから目をつぶり
本当の孤独というものがたぶん理解できずに

ただひとりでいることが贅沢なんだと
ひとりきりの寂しさだけ愛そうと
大きな赤子で成長しきれないのだと
そう人からは言われながら

ボクの内部に現れたキミだけが新しく
キミのことを考えることで生まれ変われた
悪いほうにかもしれない
よりマイナスのほうにかもしれない
カンチガイ?それもいいだろう
狂気?それでもけっこう

好きになればそれは罪になるだろうけどそれがなんだろう
僕はいくらでも傷ついて良いから
運命?輪廻? 人生?なんとでも言うがいい
そうそれがおそらくこれからの僕の人生だ

いつかキミが気がついてくれるのを待ち望み
なにが悪いのか罪になるのかも気がつかないままに


次は「夜の駅で」
0811名前はいらない垢版2016/06/30(木) 21:44:50.03ID:rfhmIK+2
「夜の駅で」

また会おうねとかわした握手が
いつまでも冷たくこの手に残っている
別れの言葉は列車の響きに消されて消えた
朝も昼とも違い
今の時間駅は寂しさに凍えている
明かりがポツポツと灯る静かさに
耐えきれずに
ひとり残された目に涙が滲む
かすむ光景はキミにも映るはず

次は‐ひとりきりで‐
0812名前はいらない垢版2016/07/01(金) 08:16:33.69ID:vksvhgpa
「ひとりきりで」

蜻蛉の死骸をぼんやり眺めながら
ぬるくなった缶ビールを一口啜る
無機質な光が手のひらからこぼれると
行き場所を探す虫たちは群がるけれど
ぼくと世界を繋ぐほどの魅力は失ったようだ

ぼとん、ぼとん、

蜻蛉の死骸に缶ビールをふるまって
薄白い水平線をにらみつける
夜と朝を分かつ光が静かに、柔らかくぼくを包む

上等じゃないか。
この心、この体があればひとりきりでも案外悪くない

そうして今日も生きていくのだ

次は「面白い夢」
0813名前はいらない垢版2016/07/01(金) 20:33:19.04ID:hySYVLw/
「面白い夢」

ただ、全てに恐怖して
そんなふうに感じる時が来る
毎夜…
地滑りのように転がるように滑ってゆく
まるで終わりなきブラックホールのように
谷底へと奈落のように勢いよく
でも僕はそれでも立ち上がる
滑った先にいたのは愛してくれている人が見ているから

毎夜くり返し見る悪夢でも
過ぎてしまえば面白き語り草と変わるだろう
僕の恋人は笑いながら聞いてくれるから
しかし夢の中で待つきみは僕が来るのを望んでいたね
白い美しい手が僕が転がり落ちてゆくのをこまねいて

次は‐列車の窓‐
0814名前はいらない垢版2016/07/02(土) 01:08:53.52ID:TTlTI/FW
‐列車の窓‐

今はトンネルの中
暗いくらい真っ暗な風景しか見えない
ここはどこ?
さっきまで走り抜けていた田畑も森もなく
ただただ暗い風景が続くだけ
それでもやがて日が昇れば
また明るい景色に戻るのだろうか
それともいつまでも真っ暗なトンネルをひた走るのだろうか

ガタンゴトン
列車はゆれる
ガタンゴトン
いつまでもどこまでも走り続けている

次‐始発駅‐
0815名前はいらない垢版2016/07/05(火) 19:57:20.51ID:LrHJjnyA
‐始発駅‐

肌が冷たい空気に包まれる朝もやの中で
手に持つ缶がまだ温かい
昨日別れ際にかわした握手の感覚がいつまでも手に残る
別れの言葉も駅の構内に消えそのまま記憶される
いっそここで封印して
まだひともまばらな
今の時間駅は寂しさに静まり
閑散としたホームを
ポツンとただひとり歩いている自分がいるだけ
響く足音に耳をかたむけて

次は‐つぶれた缶コーラ‐
0816名前はいらない垢版2016/07/07(木) 06:40:38.98ID:NDX2srjr
‐つぶれた缶コーラ‐

飲み終える前は膨らんでいた本体が
今はひしゃげて僕らの足元で転がる

流した汗の粒を数えて
僕らは共にその数だけスタートが切れる
失敗や苦しんだぶんだけ
きっと見返りもあるハズだから

とってもやな事が起こって
もうダメだと何千回何万回と思っても

僕の血が流されて
きみの血も流されて
僕の涙が涸れてしまって
きみの涙も枯れてしまっても

それでもひどい状態は抜け出して
やがてふたりはくり返し再生するんだ
何度も僕らは蘇るんだ

つぶれた缶は蹴飛ばして
そこにはわずかな水滴が残るだけ
昨日までの記憶と香りがほのかに漂いつつ


次は‐甘い記憶‐
0817名前はいらない垢版2016/07/08(金) 03:07:58.42ID:VdVM0ZS5
‐甘い記憶‐

愛されたくても愛されず愛したくても愛せずにいる
それはなんて空しいことだろ

俺と彼との関係は相変わらずに
冷たい平行線のままで続いている

ふたりの間にはいつも冷たい何かが流れていて
互いの心のぬくもりすら感じられないような

トゲのように心に刺さっているのは
わずかな甘い記憶だけ
そんなささやかなモノだけに縋らなければ
生きていけないような自分がもどかしくて

きっとそれすらもない彼はもっと空しいのだろう


次は‐幻想の唄‐
0818名前はいらない垢版2016/07/09(土) 02:17:53.91ID:PcDkbgEj
‐幻想の唄‐

今ここから見る空は
優しい色と感じるよりも
少し淋しそうに見えるのは
ふたりがちょっぴり悲しいからかも
きみと見上げた空と雲はいつも
優しくゆかいな色に感じていたね
きみと話していた空はいつも
希望の色で輝いていたね
できればそんなふうな空ばかりが
ふたりでいるときには見られるといいのに
たとえお天気の青空でも
今のように寂しく感じるのはつらいんだ
雨の日でも晴れの日でも
楽しさを感じられればいいのに


次は‐丁寧なことば‐
0819名前はいらない垢版2016/07/09(土) 21:35:02.52ID:PcDkbgEj
‐丁寧なことば‐

何度もきみに教えてきたのはそれなんだよ

もしまだきみがわからないのなら

きっと僕のことばが足りないせいだろう

でも自分では丁寧に話しているつもりなんだ

できるだけやさしくに明確にって

きみならわかるはずなんだと

今ここにいることがそんなに苦しいのなら

自分でいられる居心地が良い場所を

自分で見つければいいいんだよ

良ければ手伝ってやるから

もう一度だけでも聞いてくれ

愚かだなんて思わないから


次は‐おくてな恋‐
0820名前はいらない垢版2016/07/14(木) 19:51:09.59ID:lkM77e4F
‐おくてな恋‐

気づかないふりをしているだけ
本当はワタシは
あなたの本心知っているのよ
気づいてしまった頃から
私のハートは捻れてしまい
もうなかなか戻らないのよ
あなただけ、なおせるのはあなただけ

だから気づかぬフリなんかもうしないで

自分ではこの捻れはなおせないのに
あなたはいつまでもそしらぬフリしてばかり
苦しくて仕方が無いのに もう
はやくなおしてもらいたいから
だからふり向いてほしいの

お願いその顔をこちらに向けて
ワタシはいつでも待っているのに


次は‐こころの旅‐
0821名前はいらない垢版2016/07/17(日) 18:27:55.65ID:e2VQ11CX
‐こころの旅‐

過去がゆっくりと去りながら
静かに遠ざかっていく
時間はゆるやかに大切な記憶もとかしてゆく

あのころのキミとのひとときは
今はもうずっと昔の出来事で
今はささやかな思い出として生き残る

なまぬるく互いにふざけ合っていた
そんな楽しい思い出が
あのころの幼かった僕らが幸せだったことに
キミはきっと気づいていないだろう

今でも夢の中で幼い誰かが呼んでいて
それはきっと僕を呼び覚まそうとするキミだろう
いつかキミが夢から抜け出して
再び遊んでくれることを期待して

寂しがり屋の大人となった僕や
悟り過ぎの大人となれたキミは
それでも過去が捨てられずに生きている


次は‐告白と嘘‐
0822名前はいらない垢版2016/07/18(月) 07:57:59.88ID:rFaTYjlT
‐告白と嘘‐

もう全部話すよ 
今から話すことは半分真実で半分が嘘
ああきっとうまくは言えない
しかしどうしても聞いてほしいんだ
君のこと好きだと言ったこと
そうあれは嘘だったんだ

(No way)

僕は昔からあまのじゃくな人間で
ヒトに対して捻くれた態度で
好きだろうが平気で遠ざけて 

君なら僕を分かってくれそうだったから
大切な友人として選んだ途端
話すべき本音が何一つ話せなくなってしまった

だからわかってもらいたい
何度も全てを話そうとはした
本当の僕の本音がなんなのか

(There's only one thing that I want you to understand)

いっそ本当に嫌いになれたほうが
僕は幸せなのかもしれないと
こんなこと言う僕をきみは遠ざけるだろう
そうわかっているけど
そうそれが目的なんだって

(I admit, is true)


次は I wanna be strong(僕は強くなりたい)
0823名前はいらない垢版2016/07/20(水) 03:18:50.33ID:xeSVnzso
I wanna be strong(僕は強くなりたい)


誰もいない駅に
僕らふたりだけが残っていた
照れながら差し伸べたその手が
冷えて少し冷たくなっていた

ほっとけばいいのに
馬鹿なキミはただそこで見ていた
いつまでも辛抱強く
僕につき合うそのキミの優しさは
きっと本当の強さなのかもしれない

愚か者たちは気づかずに
きっとその優しさを嘲笑うだろう
I wanna be strong
いつか自分もこうなりたい

I wanna be together forever
そう思わせるキミは
本当はスゴイ奴かもしれないよ


次は こんな日には…
0824名前はいらない垢版2016/07/22(金) 04:02:21.02ID:CIjvjd8j
こんな日には…


家を出たらもう快晴の空

さっきまであんなに降っていたのに

まぶしく強い日差しに変わっていた

電柱の後ろに伸びる濃い黒い自分の影

ぬかるみを避けながら

しばらくこのまま歩いていたいなと

さわやかな一陣の風に吹かれながら感じた



次は‐あそこまで何歩?‐
0825名前はいらない垢版2016/07/27(水) 00:38:51.30ID:+cFsoJ1k
-あそこまで何歩?-

君が生まれた日はとても寒い日だった
たくさんの愛情が君の小さな体を包んだ

君は眠るのが苦手で抱っこが大好きだったから
たくさん抱き締めた

君が少し大きくなってよちよちと歩き始めたから
笛がぷぅぷぅ鳴る靴を買った

君の体に合わない大きなランドセルは
春が来て冬が去ったらどんどんと小さくなった

君は勉強が好きじゃなかったけど
美術の先生とはとても馬が合った

君に革の靴を買った
コツコツと綺麗なリズムで大きな背中が歩いていった

君がつらい時、
うまくいかなくて一人きりで泣いている時は

どうか思い出してほしい
笛の靴は君にもう似合わないけれど
歩む道はいつだって応援していることを

─あそこまであと何歩?
長い道、坂道、でこぼこ道、いつか君が歩む道

次は「真夜中に」
0826名前はいらない垢版2016/07/27(水) 01:59:20.64ID:9YX9AN3I
「真夜中に」

君の耳を塞ぐヘッドフォンは
漆黒に染まっている
空に浮かぶ白い星が
いつも僕らを遠い位置から見守っている

君は今何を考えてるの?
白い星の数だけ
その心にはきっと
いくつもの謎がある

ふたりの分かち合う酸素の量は
つねに均等にバランスを保っている

遠くから見る分には分からない
僕らの距離感が
こんなに近しいのに
離れているみたいで

僕は僕の君を
君は君の僕を
それぞれ大切に心で見つめている

君の耳を塞ぐヘッドフォンは
漆黒に染まっている
僕はいつかその耳からはずして
思い切り問いただしてみたくなる


次は「雷鳴」
0827名前はいらない垢版2016/07/28(木) 05:52:01.70ID:c7h2zj6F
「雷鳴」

ただそこにいるだけで
鮮やかな色が生まれる
僕は何故かまぶしさと
なんとはしない羞恥心に目が痛む
そんなものそれが君の存在

闇夜にとどろく雷鳴に
雨の予感が香りで伝わってくる
激しい音が届き夜を支配する
稲光に怯えながらも
闇の中にその姿が浮かんでくる

もはや君は陽炎のごとく
または幽霊のごとく
僕に付きまといまとわりつく

これは僕の勝手な疑惑
思いこみで妄想かもしれない
こんな雨の夜はより強く
その波長を感じて


次は‐動物園‐
0828名前はいらない垢版2016/07/29(金) 05:32:18.03ID:fF7LZHqk
‐動物園‐

心があって良かった
こんな晴れやかな空みたいな日に
心がまあ無事でとりあえず良かった

象の目が語る
アフリカのあの世界が浮かぶ
サルの山が見えてくる
彼らの喧騒が聞こえて

いつか回復すれば違う風景も見えてくるだろうから
満足はしていないけれど納得もしていないが
現在の自分はごまかしても嘘ついてもいないから

心があって良かった
雨上がりの空気の澄んだ日に
心の復帰を求めてまたここに来る


次、‐治癒力‐
0829名前はいらない垢版2016/07/30(土) 04:41:49.28ID:CIc4YB3y
‐治癒力‐

今はからっぽの手のひらの中
守るもが何も無いのはつらいことだ
蒼い空が眩しく見えたんだ
自分とよく似た面影
それが僕の友達だった

今こんなにも辛い
ともに夢ばかり追ってたきみはどこ?
答えを足掻いて探し
光に手を伸ばして
I don't wanna miss you.

本当は悲しくて
乾いてしまった声と涙
しかし守られていたのが自分だと
ここにきてやっと気がついたんだ
だって僕が包み込む内部に
いつもきみがいたから癒された
that's why

きみの存在だけが僕を癒し蘇らせるんだと


次、Hold on, I’m coming.( 待ってて、いまいくから)
0830名前はいらない垢版2016/08/02(火) 21:16:40.28ID:rNJ39vBE
Hold on, I’m coming.( 待ってて、いまいくから)

僕はきみを追いかけて

誰にも取られたくないきみ
I wanna be together forever
誰にも渡したくはないから
必要ならばぼくはきみの盾となるのさ
だから行かないで
きみの声が好きだか ら
耳元でなんでも打ち明けてよ
きみの全部が好きだから
僕をひとりにして行かないで
きみを誰にも取られたくない
必要な時は助けてあげるよ
苦しい程きみのことが心に浮かぶ
だからいなくならないでよ
明日世界がもし終わるのならば
きみを抱きしめに行くかもしれない

待ってて、今いくから


次は「波打ち際」
0831名前はいらない垢版2016/08/06(土) 00:12:20.66ID:m2AgSt+Y
「波打ち際」

ぼくが振り返ると
白い波しぶきが 足元にかかる
そこはどこまでも続く長い見えない浜辺

ぼくはいつの間にか海に囲まれていて
白く長い砂浜の波打ち際に立っていた
ここは黄泉へ続いているゆく長いみち
白杖をたよりに踏み進んでゆく

ザザンザザンと
寄せては繰り返す音
寂しい足跡は波にのまれ消されてゆく


次‐白杖の音‐
0832名前はいらない垢版2016/08/10(水) 07:44:40.77ID:i9WmEkVU
‐白杖の音‐

ぼくの頭には地図がある

闇の中に描かれた白い線

つないでゆけばきっとどこかへ辿りつく

毎日真っ暗な夜の世界だけ歩み続け

靴音とコツコツと案内する白杖の音だけが木霊する

誰かに手を差し伸べられても

永遠に闇の地図を歩き続ける


次、「汗」
0833名前はいらない垢版2016/08/14(日) 02:08:35.21ID:fkpB7Uxd
「汗」

さっきまでの雨はもうやんでた
水たまりを避けながら歩く

どうせ借りてないのならひとつ貸そうか?
じゃこれ借りるよ
たまにはまともなの読んだら?
活字読まないとバカになるよ
そんなのしなくても成績はいいから
そーいうことじゃないのに
おまえこそ体力無いからスグ甘えるじゃん?
すこしは体力つけたほうがいんじゃね?
ホラもう近いから残り半分返すわ
えーも少しだけお願い

蒸し暑い風の中で
互いのひたいに光る汗が目についてた
でも彼らは気づかないよう
まだ大きな傘の中にいた


次、、「ひとつぶの」
0834名前はいらない垢版2016/08/23(火) 03:22:25.07ID:5FxGh1bI
「ひとつぶの」

こぼれ落ちたドロップは
すくいとると塩辛い味がする
きみのちいさな瞳から
時々溢れ出てくるソレは
ほんの指先に乗るくらいの
コロコロとしたかわいいものだけども
その分きみのこころの痛みのほうが重いのだと
いつも口にするたびに感じるんだ…

ドロップなんて甘いモノだろ
しゃぶるたびにその辛さにつらくなる
だからいつもそんなに
簡単にこぼすものじゃないよ
こぼれる前に落とす前に
ぼくに打ち明ければラクになるよ
きっとたぶん…


次、、「雲」
0835名前はいらない垢版2016/08/24(水) 09:41:47.87ID:Q0dGmHf5


それにはとくに
決まった形がなくて

決まった形がないということは
それならば それを見ている側が
あれこれと形を想像してもいいということ

それはきっと
都合のいい娯楽なのだけれども
他に都合のいい娯楽が
あふれている現在は
そんなことしてる人は
よほどの暇人か子供ぐらいではなかろうか

そう思って雲を見てみても
俺の目にはそれはただの雲にしか見えず

いつのまにか 俺の脳からは
柔軟な発想というものが
すっかり消えてしまったらしいぜなどとつぶやいて
肩なんかすくめてかっこつけてみた

次「アイスクリーム」
0836名前はいらない垢版2016/08/25(木) 06:28:33.41ID:gQEzXDvE
「アイスクリーム」

ひとすくいサジにのせたクリームが
つるりとすべって下に落ちた
タップリとかたまりが

それが
アスファルトの上でドロリとひろがる
空に浮かぶ白い雲のように
ゆっくりと地熱に溶かされていって

見つめているとアリんこが
ちいさな群れをなしてやってきた
輪をつくりバニラの雲のまわりで
取り囲むようにしてうれしげにナメていた

やがてバニラの雲の中に入り込み
彼らも地熱によって地中に溶かされてゆく
アリんこの消えるのを眺めながら
カップの中をきれいに片付けた


次、‐9月の匂い‐
0837名前はいらない垢版2016/09/06(火) 08:55:59.40ID:GU/oKE34
‐9月の匂い‐

薄明かりが照らす

森の木々の下

ボンヤリと見上げると

白いお月さんが浮かんでいた

明月夜の中

静かにトボトボと歩き


次は‐悪意‐
0838名前はいらない垢版2016/09/07(水) 06:27:10.10ID:k3e7xdbH
‐悪意‐

いつか彼のコピーとなる
そんな日が来るのを望みつつ
僕は彼の影となる
不安気に歩くきみ
車道を横切るきみ
そんな彼を追いながら
決して追い抜くことなく
ピッタリとあとをつける

彼に従うぼく
彼に逆らえないぼく
彼に裏切られるぼく
彼を愛するぼく

破滅にむかう遊びに
罪は優しく追いかけてきて
逃れられぬ思いに苦しみつつ
ぼくは彼の生贄となる


次は「雨」
0839名前はいらない垢版2016/09/14(水) 05:12:31.93ID:EPG90w1R
「雨」

カサを開く音が
空からの雨水を弾く
軽い音が響いてハシパシと
9月の匂いを感じさせている
湿度も空気も
流れるものは何かが違う
夏は過ぎたんだろうと
その予期を耳や目が
吸いこむように期待して


次 ‐朽ちた扉‐
0840名前はいらない垢版2016/09/21(水) 15:06:57.70ID:LWZ/kCQu
‐朽ちた扉‐

扉の奥には武器がある 
扉の奥には見知らぬ世界が
扉の奥には鼠の通路に
扉の奥には秘密と夢と
扉の奥にはそして埃があり

朽ちて落ちるのを待つのみ


次、長い雨期
0841名前はいらない垢版2016/09/22(木) 14:06:39.67ID:JYyJK9Fk
長い雨期

地球に帰還してみたらまだ梅雨のまま
たしか去る頃はまだ6月だったのに
今はもう9月
それなのにここは湿気に包まれている
いつ終わるともない長い雨期に
この国全体が深く包まれてしまっているみたいだ

やや肌寒い中
レーンコートをはおり
カサをさして強い湿るめる空気と雨の中
トボトボと濡れながら出かけた

世間は薄闇色にボヤけている
ワイパーも濡れて
タイヤも濡れて
通り過ぎる何もかもが濡れていた


次 ‐鳴き声‐
0842名前はいらない垢版2016/09/30(金) 08:01:37.39ID:wEADIRel
 ‐鳴き声‐

電柱の上から
おとついは青年のように
昨日は子供みたいに
そして今日は老人のような

千変万化する一体おまえは何者?
低くも高くもしゃがれもする
不思議な鳴き声に
しらずに魅せられて
姿はただ一羽の汚いカラスだのに
その声は日毎に変わる

イミなんかないんだろうが
つい気になるのだ


次、「I see...(なるほど...)」
0843名前はいらない垢版2016/10/09(日) 03:14:01.41ID:jhkyjqGA
「I see...(なるほど...)」

いつもいい加減に
曖昧で煮え切らない
多少イラつかせる
そんなそ君の返答のしかた
クセなんだと控えめに微笑んで
なんだコイツ馬鹿にしてなんて
見下していたけれど

言い切り方で自分の意見だけを
ただひとに押し付けていた
そういう僕の返答とは
とても対象的で
あとで必ず後悔するのは
自分の幼稚さと愚かがわかるから
比べればいつも

そうだね
君は誰からも愛されている
僕は誰からもうとまれている
I see...
理屈ではわかっているけれど
君は正しくて優しくて
I see...
それはわかっているけど

I see...
いつも僕は一歩うしろで負けている
君は正しく僕のはるか先に歩いている


次は「that's why.(だからか)」
0844名前はいらない垢版2016/10/14(金) 04:29:01.20ID:+zRrZj2/
「that's why.(だからか)」

手の中の駒は
いつ回されるのかと
自分では身動きできずに
ジッと待っている
(そう何もできずに)
サイコロの目も
手の中から落とさなければ
見ることはできない

that's why
楽しいのはこれから
やがてじんわりと
彼らはその体温で
汗ばんでゆく
緊張と暫しの緩和
賭けごとにも遊びにも
スリルはつきもの

次は‐枯れ草の音‐
0845名前はいらない垢版2016/10/16(日) 04:50:26.81ID:VT2DHw+W
‐枯れ草の音‐

コンクリートとの摩擦が
カラカラと乾いた音に聞こえて
なんとも侘しい気持ちになる
空が高くて空気も心地よいのに
なんとなくなんとなくだけど
寂しい気持ちになってゆく
無花果の葉がガレージに伸びてゆく
カラスも喰わずに実は腐り
黒く地面に落ちていた
早く捥いどけば良かったと後悔して

次は「nothing(別に)」
0846名前はいらない垢版2016/10/19(水) 04:29:38.82ID:EpvApuPx
「nothing(別に)」

言いたいコトの三分の一すら言えずに
言葉の固まりを飲み込んで
ぼくの胸は膨らんでゆく
ホントは言いたいことなのに
つぶやく言葉はつねにnothing(別に)
いつか心も胸もそのウップンで破裂するだろう

俯いていもnothing(別に)
答えてもnothing(別に)
いつのまにか自分の口癖と化して

次は‐嘘つき‐
0847名前はいらない垢版2016/10/26(水) 05:54:09.49ID:i2u0Jk7U
‐嘘つき‐

キミの冷たい唇から出てくる言葉に
信用できたことなんかいつだってなかった
ボクはほとんどキミの言うことは
信じないようにしていた
だからキミがいつホントのこと
その口からつぶやいたとしても
きっとそれも信じないと思う

あのときは悪かっただなんて
嘘つき(おかしくて)
今はホントなんだって
嘘つき(良く言うよ)
今度こそ信じてよなんて
嘘つき(調子がいい)

笑えるね全く

今までどれだけの数の信頼が
ふたりの間から失われたかなんて
知りもせずに勝手に
今さらマジになられたって
今さら泣いて詫びられても
もうボクは信じてやれないから
もうボクは信じてやらないからね
これからは絶対に


次、‐Yeah, definitely うん、たしかに‐
0848名前はいらない垢版2016/11/04(金) 08:04:59.57ID:tmwQYVZN
‐Yeah, definitely うん、たしかに‐

きみの口元から落ちたドロップ
足元で転がるソレを
きみは躊躇なく通りに蹴り上げて
車の下でパキンとはじけて飛んだ
缶の中からまたひとつぶ
きみは取り出し放り込むけど
ハッカが出ると必ず避けるね

Yeah, definitely
ボクが言うとそう答えた

ボクにもくれた中身は
自分のしゃぶるモノとは違う
味と色のドロップだった
同じの食べるのヤなんだろ?
そう聞くと上目づかいでチラと見て

Yeah, definitely
やっぱりそう答えた


次は「ひとりぼっちの影」
0849名前はいらない垢版2016/11/06(日) 06:40:23.89ID:JTkkvh+G
「ひとりぼっちの影」

きみが歩く時も
きみが走る時も
きみが立ち止まる時も
ピタリと足元に張り付く黒い影

ある時は電信柱に隠れるように
ある時は水たまりのかで揺れながら
ある時は陽炎にゆらめきながら
ピタリと足元で立ち止まる影

きみは知らずに足元の小石を蹴り
きみは手に持つボールを高く放りあげ
孤独を噛みしめながら生きている

けれどただひとりきりで
きみの寂しさも涙も
きみの影もついていきながら見ているハズ
ふたりは重なり合い
いつもひとりぼっちになりながら


次「長く白い吐息 」
0850名前はいらない垢版2016/11/15(火) 07:29:31.17ID:sSJE3TS2
「長く白い吐息 」

空の水分が下りてきて
地面に溜るような
そんな肌寒いこんな日
互いの足取りは遅く緩くなる

手にかける息も
やるせなさからくる吐息も
口から洩れる空気はすべて
糸引くように長く長く感じる
きみの雀のようにくすんだ舌が
吐き出す息と同時に出たり入ったりしている
せわしない動作につられて
ぼくも深くはあと吐き出してみた

まっすぐ伸びながら
連なるように重なるように
やがてぼくらの吐息は長く細く
灰色の景色の中に消えてゆく


次、「夜の足音 」
0851名前はいらない垢版2016/11/27(日) 00:23:29.49ID:JCOFNO5E
「夜の足音」

テレビも黙る丑三つ時
コツコツ聞こえる窓の外
ヒールの女?コツコツコツ
コツコツコツコツコツコツコツ
コツコツだんだん遠ざかり
ガチャガチャ鍵の声がした

再び一人になった
無音のリズムに自分を溶かそう
闇を見つめてアタマをゆらがす
これこそが宇宙で最高に平和な出来事

しかし何やらおかしいな
ヒールのリズムが蘇る
酒でも飲んできたのだろ
壁を挟んだ向こう側
君は一体何を考えて、、、


次は「アイドルはうんこしない」でお願いします
0852名前はいらない垢版2016/11/28(月) 00:10:32.53ID:pnnjC0Rf
アイドルはうんこしない

鉛色の空の下 
鄙びた町の駅前の
ごっつ寂れたシャッター街に
お呼びじゃないのにしゃしゃり出た
フラッシュモブかテロリスト
便秘アイドル毒ガスダンス

甘ろりスカート翻し
消火栓をば蹴倒して
熱い溶岩しとどに浴びて
焼け剥げ頭皮をなびかせて
舞う舞う舞うよカタツムリ

アイドルはうんこしないって
ドルヲタ様がおっしゃった
むくんだ顔の豚肉に
弦が食い込む黒縁眼鏡を
指でクイッと押上げながら

我慢の末の腸閉塞
ぽってり膨れた下腹に
濃縮汚物臨界値
甘ろりスカート翻し
舞え舞えアイドル肛門締めて
十月十日の月満ちて
うんこが産まれるその日まで


次のお題は「凍傷」でお願いします
0853名前はいらない垢版2016/11/30(水) 02:47:09.03ID:xa52eQ/p
「凍傷‐ツンドラ‐」

夜 道端の片隅にキミは泣いていた

ひとりぼっちでふるながら

この世界は凍りつきそうで怖いから

朝になるとキミの涙も凍りつく

通り過ぎるひとはどこにもいないから

今日もキミは孤独かかえ

つらくても悲しくても

朝までそうしてひとりきりで

耐えながら凍えながら生きている

そうボクもひとりきり

だから今夜は一緒にふたりで抱き合おう

この広い平地も凍りつく高原も

冷たいヒザ突き合わせあえば

きっと少しはマシだろうから


次、「キミの上に降る雪」
0854名前はいらない垢版2016/12/18(日) 06:47:16.85ID:JJrbuY1Y
「キミの上に降る雪」

立ち尽くすキミの頭上より
次々に冷たく舞い落ちる粉
誰もいない公園
ひとりもいない広場
ただひとりきりで待ちながら

いつものことなのに
約束なんて
いつものことだから
裏切られることなんて
ぼっちはたいしたコトじゃないんだと
冷たい手の甲で鼻を拭う

震える手も
凍りつきそうな体も
燃えるような怒りの心が溶かしてゆく
だから今は寒くは無い
地団太踏みたくなるような
でも足は動かない
孤独なキミの上に
冷たい粉はやさしく舞い落ちる

次は「wimp out (意気地なく) 」
0855名前はいらない垢版2016/12/26(月) 15:55:47.63ID:AFIptlZN
いくじなく

この一歩
ふみだすべきか
まよい惑ううちに
その機をうしなう
いつも

あなたへの思い
それはむしろ
わたしの心を
呪い縛る
なにものかのよう

傍らに生まれる焦り
名前もないような
どす黒い感情
余計なものばかり
かかえこむわたし

それらは
たとえようもないほど
おもい荷物
そしてまた
わたしの一歩を
邪魔して阻む

次「くもり空」
0856名前はいらない垢版2016/12/28(水) 03:57:45.93ID:sNLtVlrj
「くもり空」

押し付けられたヒフの感触
熱い思いが溶け合うとき
ふたりの気持ちは
くもり空いっぱいに広がる

キミは笑う
くるくるとはしゃぎながら
キミは叫ぶ
そこいらを何度も走り回って

なにがそんなに楽しいのか
ボクの周りを走りまわりながら
目に涙まで浮かべて

声高らかに笑って
足元をもつれさせながら
灰色の空の下で両手を広げて


次「snowホワイト」
0857名前はいらない垢版2016/12/28(水) 21:35:35.48ID:gaVaLVIb
見えない
君以外何も
君がいなければ僕もいないんだ
なのに君は近づけば近づくほど
白く霞んでしまう
雪の中に白く霞んでしまう
ガラスの向こう息で霞むほど
SNOWホワイトに映える僕

次「お粥はストレートで」
0858名前はいらない垢版2016/12/28(水) 21:44:03.91ID:gaVaLVIb
2秒待っても返事がない
5秒待っても返事がない
カウンターの向こうのお前ら
お前らは駆け出しバーテンダー
お前らの気を引きたくて
僕はそっと思いを放つ

お粥!お代わり!ストレートで!
0860名前はいらない垢版2016/12/30(金) 20:03:16.85ID:bOUlc/fS
「育毛なう」

フキノトウが大きな葉っぱになり
タンポポの集団が黄色いかたまりになった日

言ってしまった言葉「毛深いね〜」
そう ベージュ色のストッキングの下 短い毛たちの芽生え

悲しみの表情 (謝罪は困惑しか生まないだろう)
ぼくは自分の前髪を全部後方へと持ち上げた
「H・A・G・E!」
「hage・・・えっ、hageなの?」

北国の初夏の日差しが
ふたりを眩しく包んだ
0861名前はいらない垢版2016/12/30(金) 20:04:11.07ID:bOUlc/fS
次は「お正月」で
0862名前はいらない垢版2017/01/01(日) 07:19:00.97ID:rFWdNuk4
「お正月」

それは彼の毎日の仕事
新しい年がこようが無関係で
いつもの自販機の前に
彼はここでわずかな休息の時間にする
静かにタバコを吸うときもあるけど
今日は自販機の飲み物を買っていく
ガチャンガタンゴロン
響きわたる金属的な音が
開ける年の始まりに響いて行く
温かい飲料が体にしみわたると
バイクにまたがり配達の続きを始める
今日はスズメたちも震えている
僕はその立ち去る姿を見守りながら

次は「荷物」
0863名前はいらない垢版2017/01/03(火) 08:49:02.23ID:LA2pdfhs
荷物

昼下がりの工場地帯
海岸に集まってくる大型トラックたち
中身はからっぽ

運転席にカーテンを閉め
眠っている男たち
あるいはスマホで遊んでいる

荷物のない今が男たちの休息時間
汚れた海をくたびれた漁船が走る
煙突からは白い水蒸気が空へ出ていくよ

トラックを降りて一人の男がオシッコをした
蟹たちの水路に流れていく液体
ここにはノラネコさえもいない

荷物のない空間
フナムシが海鳥にくわえられ去っていった


次は「ビニール袋」で
0864名前はいらない垢版2017/01/17(火) 20:50:39.24ID:bT375LqV
吹き抜ける北風
枯れた外来植物の灰白色の根元に
白いビニール袋がからみついた

それはレジ袋
背の高い 反っ歯の大学生が
母のような中年女たちとスーパーのレジを打つ
俺はいつも そのレジを避ける

彼は処理速度が遅いから時間を損するからだ

自転車に踏みつけられる小さな袋
コンビニのレジ袋
あるコンビニでは髪の薄いおばあさんがレジを打っている
俺はいつも そのレジを避ける

彼女は袋の二つの持ち手をネジネジと何重にもこね回すからだ

どうでもいい小さな損得勘定小さな身勝手
どうでもいい美的感覚わがまま
そんなことで今日も一日が終わり
明日に続くのだ
0865名前はいらない垢版2017/01/17(火) 20:55:14.58ID:bT375LqV
次は「信頼」
0866名前はいらない垢版2017/01/24(火) 21:49:41.75ID:bM8UXMLg
雪の月曜日  
19時を回っても来ない
踏みつぶされる溶けた半透明の結晶たち
冷たい液体に戻っていく

無限に
信号が赤になり 青になる繰り返し
歩行者用信号が出す無意味な電子音
発車するバスのディーゼル・エンジンの轟音

靴の中で足先が冷たくなっていく
夕方から夜に変わってしまった
配られる居酒屋の割引券 飲み放題

前髪を濡らして 
何度目かの青信号で駆けてきた
仕事のスーツの下 薄いセーターの胸を揺らして
ズボンの膝も雪に降られて 脚に貼りつかせながら

誰にも見せたくない 19時50分の姿
大切な気持ちになれた
夜 一瞬
小さな信頼


次は「コーヒー」で
0867名前はいらない垢版2017/01/26(木) 05:26:00.25ID:J2gAJHmY
「コーヒー」

きっかけがなんであれ
ぼくのスケッチブック
紙片の中にはきみがいて
放課後の美術室にはいつも
笑い合うぼくらの姿

駆け抜ける季節の中で
ふたりは絵とともによりそってきた
今は寒い冬のさなか
休みの日には絵を見て回り
北風のの音聞きながら
手と手に息をかけ合い歩いている

街中のCafeでひとやすみ
互いに飲んだ漆黒の珈琲は
大人の階段あがってゆくしるし
苦ければそれだけひとつなにかに近づいて
窓の外が少し汚れて見えた


次は「andante‐少し早く‐」
0868名前はいらない垢版2017/02/01(水) 19:14:22.61ID:KNLPFoNx
「andante‐少し早く‐」

時間がない
手早くやろう

・6B・悪意の輪・自分A´

・マッチ棒と仕事の銀貨
・キャッチボール(または、『エウロパ』)
・無垢

・ふつかめの髭
・爽健美茶
・読者
・続・ジジィ

コレらがきたら書く用意はあった。
次は、

――――


『偏愛狂時代』で、ヨロシク。
0869名前はいらない垢版2017/02/05(日) 08:36:34.44ID:4ZTlXPWg
『偏愛狂時代』

もうお別れだね
つぶやくきみの顔が浮かぶ

闘う前から逃げるきみはいくじなしだね
血を吐く叫びが聞こえるかい?
怒りに燃える僕の顔が見えるかい?

林を駆け抜けきみのために血を出した
誰にも取られたくない故に
今ぼくは走っている
誰にも渡したくはないから
僕らを引き離すものは退治しよう
だから行かないで
だから待っていてよ
僕のためにカギを開けて
きみの全部が好きだから
僕をひとりにしないで
きみを誰にも渡しはしないよ
今苦しい程きみのことが心に浮かぶんだ
だから消えることは許さない
明日世界ときみが終わるのならば
きみを救うために僕は今夜駆けつける

待ってて今夜きみのそばにいく


次は「DON'T CRY」
0870名前はいらない垢版2017/02/05(日) 13:56:45.56ID:+rVyHRfR
寒々とした京都の街並みを
高校生たちが走る
テレビで見る私にも 肌の冷たさが伝わる

腕が振れていない 初出場チームの第1区間
彼女の高校が 
みるみる最下位になった
バトンを渡すと道路に倒れこむ

ドント・クライ・ナイスファイター
強豪校の選手より すこしだけ太め
君の陸上部の歴史も 
ランナー生活も
きっといま始まったばかり


次は「怒らないで」
0872名前はいらない垢版2017/02/12(日) 07:19:52.15ID:cUJ+wnPu
「怒らないで」

どうか怒らないで
約束は必ず守るから
どうか悲しまないで
必ず戻るから

きみのその心
裏切りたくはないから
きみのその心
壊れさせたくはないから

baby
頬にはりついた冷たさを
baby
僕はきっとほぐしてあげる
baby
きみがすきだから

足早に立ち去る僕を
きみはいつまでも見つめている
子犬のようにジッとして
それでもちいさな怒りに燃えながら
哀しみにその体ゆらめかせ


次は「ちいさなひと」
0873名前はいらない垢版2017/02/17(金) 05:31:02.19ID:XH3cB16k
「ちいさなひと」

きみの頬は炎のように
熱く紅くほんのりと燃えている
北風に撫でられたその唇も
幼いちいさな手のひらも手の甲も
ささくれだちシワに覆われた自分の手と違い
つやつやと輝いている

きみのその黒々としたひとみは
なにを熱心に見つめているんだろう
私にはわからぬなにかが
その先にあるのかもしれないね

ふたりぼっちで並んでいると
こんなにもいつも
暖かくそして悲しいのは
どうしてなんだろうねと
林の中をゆきながら考えていた


次は「風の中」
0874名前はいらない垢版2017/02/17(金) 16:15:27.32ID:chyoTwZT
風の中

そのアナウンサーは熱唱した。
彼はまるで首でもしめられているかのように
「なごり雪」を歌った。
普段の美声は風の中、
いつもバイクを載り廻しているのに
自転車に乗れない人だって居るのだ。
彼はそうだった。

だが、彼の歌は機械をして90点をつけしめた。

ご満悦な彼の声がCMに切り替わった所で
ラジオを切り、
歩くのに専心しはじめた。

口笛は風の中、
音楽も春もない。
負けた。
「なごり雪」を朗読する。
雨が落ちてきた。

風の中、次の風の中まで
私は歩く。

ーーー


次は、『フェブラリー・マーチ』で
お願いします。m(_ _)m
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