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前の人がお題を書き込むスレ
0001名前はいらない垢版2011/08/06(土) 14:10:25.83ID:lBVYthzU
前の人が出したお題で詩を書くスレです。
詩を書いたら必ず、次の人へのお題を出してあげましょう。

まず、「台風」
0406名前はいらない垢版2016/05/18(水) 15:55:29.20ID:VVt85Vs0
振る夢に抱かれながら


きみが涙を流すとき
肩を抱くのは
きっと、優しい誰かで
きみが寄りかかりたいときに
肩を貸すのは
きっと、信用できる誰かで

その誰かは僕じゃないけれど

きみが抱える孤独も
きみが求める支えも
理解できるのは僕だから

そして、いま、

僕を
誰よりも理解して
支えてくれるのは

きみだから

今夜、きみに降る星はぼく
今夜、ぼくに降る夢はきみ

抱き合っていれば怖くない


次「夜汽車は走る」
0407名前はいらない垢版2016/05/18(水) 19:17:11.90ID:emtwN3+N
「夜汽車は走る」

手の中には熱い缶コーヒー

いつまでも窓の外を見ている、キミ

その横顔は冷たくでも深い物思いに沈んでいる

ぬくもりが消えぬうちに渡したいけれどできずに

ボクはそばにつっ立ったまま考えている

これからどうしたいのか…

どうすればいいのか

ボクらの思いとは関係なく汽車は走る

ひたすらただ、闇を縫うように駆け抜けてく



次「あすはくもり空」
0408名前はいらない垢版2016/05/19(木) 01:00:44.17ID:mPDojsF9
「明日はくもり空」

夕方も6時を回り
頭上一面は濁った紫
それでも薄ら寒くて
雨も降らない気配

虚ろな足取りに
蛙の鳴き声が絡みつく
ほどけた靴ひもも
そのままで

梅雨入りは先の話
理解はしているけれど
この渦巻く気だるさを
僕はずっと
もて余している

明日はくもり空
どんなに見上げても
灰色の鏡は
なにも写さない
なにも与えない

あの光の矢で射ることも
あの大粒で凍えさせることも

ただ能面で
僕を蔑むだけ



「冷やし中華」
0409名前はいらない垢版2016/05/19(木) 03:09:46.69ID:bsnbvk/X
「冷やし中華」

紅いのれんが席からヒラヒラと見える

ラジオが天気予報を伝えている

黙りこくり注文を待つぼくら…

湿り気をおびたを店内も薄暗く

沈黙に押しつぶされそうになる

もうあれから一昼夜たつ

空腹に耐えかねお店に飛び込んだ

コレが今日のごはんとなるが

なにがいい?冷やし中華ソレでいいと

ふてくされていた彼がやっときいてくれたコトバだった

これからの予定も行動ももうなんでもいい

ゆっくりとふたりで考えて行けばいい

外からは遠く鳴いている雨蛙の声が響いていた…



次「雨しぶき」
0410名前はいらない垢版2016/05/19(木) 15:35:25.94ID:qrslbA6Y
雨しぶき


あの夜は雨で

車の窓にはねた雫をみて

きみは言う

「雨しぶきがすごい」

雨しぶき?

「雨のしぶき」

そう言って

きみが無邪気に笑った瞬間、

太陽が

ぼくの胸に

きみの笑顔に



次も「雨しぶき」
0411名前はいらない垢版2016/05/19(木) 17:41:50.06ID:bsnbvk/X
「雨しぶき」

夕方から予報通りに雨足が強まってきた

田舎の駅前通りの軒下でぼくらはしゃがんでいた

いつまでもやみそうもない雨粒を受けながら

背後に列車の音を聞いていた…

足元の水たまりで雨蛙が重なっていた

彼を見ると笑っていた

それを見てぼくも笑ってみた

通り過ぎた車の雨しぶきがカエルたちを驚かした



次は「さわやかな風」
0412名前はいらない垢版2016/05/20(金) 00:26:59.17ID:oomYnIV0
「さわやかな風」

線路沿いは緑に覆われて

5月の空気が満ち溢れていた

雨上がりの後のニオイは澄んでいて

ぼくらの肌を優しげに撫でてゆく

ふかぶかとした濡れた草の上を

どちらともなく手をつないで歩き

予定のない自由と

あてのない不安とにとまどい

この晴れた空が少しうらめしく思った



次「名も無い草」
0413名前はいらない垢版2016/05/20(金) 12:21:23.49ID:14fEC/1z
名も無い草

手をつないでかけていこう
あの先まで
空に浮かぶ雲をみた
ただそれだけで
きみは嬉しそうに笑うから
ほら音楽が聞こえる
ぼくも笑う
きみが踊る
ぼくが奏でる
きみはまわる
草がゆれて
空もまわる

雲を掴んだら
きっと、二人で
空から見下ろして
ほら
また誰かが笑って
となりの誰かが歌って
そしたらみんなが笑って
きみもまた踊るだろ
ぼくらはそう
名前も忘れて
空がまわるよ
きみとまわる


次は「帰る場所」
0414名前はいらない垢版2016/05/20(金) 13:34:01.06ID:oomYnIV0
「帰る場所」

つなぐ手のひらが汗ばんで

疲れと鼓動がちいさく伝わる

そうぼくだって同じ、とてもくたびれてた

足も気持ちも互いに参っているよ

顔を見合せなくともわかっている

どちらからともなくつぶやくのを待って

背後から聞こえる汽笛が呼びかける

ここじゃないんだよ

ぼくらのいる場所はもう、お帰りよと

一陣の風に押されるようにしてぼくらは駅に向かった




次は「つゆ草のにおい」
0415名前はいらない垢版2016/05/20(金) 15:47:41.61ID:14fEC/1z
つゆ草のにおい


懐かしい香に想いが募る

初夏の朝日のような人でした

白い陽射し、水色の空、無垢なこころ、

ありのままのあなたが好きでした

窓のしたから見上げるあなたの

瞳がすきでした

なにも持たなくても

なにもなくても

誰よりなによりすきでした

いまのあなたを愛するひとより

純粋にあなた自身をすきでした



次は「上書き」
0416名前はいらない垢版2016/05/20(金) 20:23:21.58ID:oomYnIV0
「上書き」

汽車の中での冷たい横顔

紅いのれんのお店でのひとこと

軒下でのほほえみ

沿線沿いで手をつないで歩いたこと

それらは今はすべてキミにとっては過ぎた出来事

きっともう大人たちによって上書きされているだろう

そしてキミ自身もやがて忘れてしまうと思う

でもぼくはまだ鮮明に覚えているのに

たとえそれらが悪い過去だとしても

あのひキミが守れたぼくはとても幸せだった



次は「手のうちのカード」
0417名前はいらない垢版2016/05/21(土) 11:34:08.17ID:0Z/CIC+v
「手のうちのカード」

向かい合うキミの手には

いくつものカードが隠されていて

どれを選べばよいのかがわからずにいる

オレは心を開かないキミの内面が読めない

正しい答えとカードがひけずつねにとまどう

キミは隠しているつもりじゃないのに

頑なに心にカギをかけ続けてて

もどかしくガードの固さがいつまでも壊せずにいる

ならばキミの手から

こちらのカードがひかれるのを待つしかない

こうして向かい合ったまま

固唾を飲みながらオレは待ち続ける



次は「カードを引いて」
0418名前はいらない垢版2016/05/21(土) 13:02:46.63ID:PRiitcQ4
「カードを引いて」

素直が一番遠回りなのね、私は
私はあなたの真逆
あなたを逆さに映した海
だから一番近くて遠いの
理解できることの中に隠れている神秘が
あなたに私を、私にあなたを惹きつけさせる
あなたのカード以上に私を誘うものはない
フォールドなんてしないわ
私の愛にフォールドなんてない


次「ディーラーズ・ゲーム」
0419名前はいらない垢版2016/05/22(日) 12:53:20.19ID:wOmwT8M/
「ディーラーズ・ゲーム」

可能性が開かれ
未来が己が手に委ねられているが故に
破滅が隣にある世界で
彼らは一手一手に駒を進める
断頭台に勇みゆく無謀さで
その狂騒の故に我を見失い
精神の地平が破裂したのだと知らぬままに

さあ、私はAの1の目の前にある障害物を変えよう
水飲み場を消し、通路に崩落を起こさせ――
彼の手の中にあるAK15をおもちゃの銃にしてしまおう
君はどんな手を打って彼を勝たせる?

「賽ノ河原」
0421名前はいらない垢版2016/05/22(日) 14:42:52.96ID:vQyxLMcY
「賽ノ河原」

俺の手はアイツよりも白く細い

だから懲りずに試す腕相撲でも

当然一度も勝つためしは無いのに

アイツの気持ちを試すために

しつこく挑んでみても

奴はただもういいよムリだよあきらめろ

そう笑いながら言うだけで

せっかせいいっぱいに譲ろうとするこちらの真意に

ちっとも気づかずにいるんだから

もうやめたいけどやめれずに

自分の努力のムダな繰り返しに泣きたくなる



次「ラヴ・シーン」
0422名前はいらない垢版2016/05/22(日) 22:24:36.89ID:vQyxLMcY
「ラヴ・シーン」

ポケットにはさっき観たモノの半券が入っている

並んで歩くかたはつむいて黙りこくる

暗い館内から明るい外に出た後も

ふたりの心にはスクリーンで繰り広げられた場面が蘇る

暗がりの世界で覗いた甘いラヴシーンが焼き付いている

なんだか息苦しくてせつなくて

やるせない思いがうっとうしくて

ふとふれた手が慌てるように離れて

なんとなく気まずい帰り道は強い日差しがまぶしかった


次は「まぶしい手」
0423名前はいらない垢版2016/05/23(月) 05:46:54.29ID:YHo0QCYl
「まぷしい手」

フイに時間を聞いて腕時計を見せられたとき

ヤツの手の白さがヤケにまぶしく見えた

シャツの袖をまくりあげた

自分よりもひよわな腕の生白さが日差しを受けて

一瞬目が痛む

この腕と何度も腕相撲をして負かしてばかりいたっけ

無口なヤツの挑戦が断れずに

映画のハンパなラヴシーンなんかよりも

妙に心が揺れた自分に苦笑した


次は「くちぶえ 」
0424名前はいらない垢版2016/05/23(月) 12:53:42.01ID:KkgRjGG3
「くちぶえ」


くちぶえが上手にふけない僕に

くちぶえなんて誰でもふけるだろ?

一生懸命吹くからだよ
もっと優しく吹いて

きみは嬉しそうに教えてくれたね

ぼくの唇から音楽は流れない

きみのいる時間に音楽が流れる


「洗濯」
0425名前はいらない垢版2016/05/23(月) 13:53:35.49ID:AiKKQt1/
洗濯


世界にぐるぐるてんてこ舞って
待って
離れないよう縒って束ねてきつく結ばれたいけど
神様、私ではないみたい
ほどかれて
どれだけ袖濡れらしても私たちを照らすもの
どれだけ悲しみの深くにいても晴れると知っている
すっかり涙枯れたら心折り畳んでそっとしまって箱の中眠り続ける
思い出にカビ生えぬよう
次また同じ体にくっつき合えるときはきっと晴れた日に、と、今は願う

次は「炒めもの」で
0426名前はいらない垢版2016/05/23(月) 16:03:36.47ID:YHo0QCYl
「炒めもの」

ローリエの葉が一枚ふわり

他の具のうえにゆっくりとまざる

今日はカレー風味ですこし辛めに

スパイスはこれでいいだろう

残りメシとわずかな野菜、それに調味料

あとはひたすらひたすら炒めるだけ

皿に盛ったら昨日の懺悔とともに食べるだけ

スパイス以外の苦みと辛さが口中に広がる

考えずなにも考えないでひたすら頬張りながら


次は「ひとり芝居」
0427名前はいらない垢版2016/05/24(火) 01:37:25.31ID:e20A4ct/
「ひとり芝居」

俺の笑い顔も怒り顔も

本当の姿がわかっているかのように

おまえはいつもそうして優しげに

見透かしたまなざしで見つめている

この苛立ちがわかるか?

そうだよおまえの言うとおり俺はいつも仮面ひとつ被り

おまえや他のやつらの前で気取り屋を演じている

そうしていなければ壊れてしまいそうに弱い

自分のカラを崩すのがつらくて

ヒト嫌いを演じてしまいますますヒトから遠ざかる

愚かで幼稚だとわかっていても演じずにいられなくて

おまえに嫌われるのがわかっていても


次は「告白」
0428名前はいらない垢版2016/05/24(火) 09:55:16.32ID:P4pR3M3B
「告白」


私にはあなたが必要です

なんどきみに告げただろうね
その度に傷つくのだから
もうやめればいいのに

いつか、きみ宛ての手紙に書いた
きみがいなければ、僕は僕でないんだって
ぼくの半分はきみで出来ているんだって

きみの心を殺したのが僕なら
僕は自分を殺したんだね


次は「仲直り」
0429名前はいらない垢版2016/05/24(火) 10:53:21.96ID:e20A4ct/
「仲直り」

寒い季節がやってきて

木枯らしがぼくらを決別させた

きっかけがほしくて

試験間際のともだちに

呪文とともに魔法の消しゴムを貸した

ありがとうもう怒ってないよね?

ぼくらの仲直りはウマくいった

もうひとつの願いはキミが受かることだけだよと

こころのなかで祈ってみせた


次は「ネットのなかの」
0430名前はいらない垢版2016/05/25(水) 03:36:54.34ID:EsRemmvi
「ネットのなかの」

ひとりっきりのコンサート

流れ続ける動画の唄をくちずさむ

Get Wild and Tough

何度もくりかえしあきずに

Get Wild and Tough

自分だけの時間が籠もる

Get chance and luck

Get Wild and Tough…

くりかえしいつまでも聞き続け


次は「コラボして」
0431名前はいらない垢版2016/05/26(木) 16:09:53.11ID:k5YyAgQ1
「コラボして」

僕の作る曲を

君がギターで唄う

恥ずかしいけれど

こうして唄われてみれば

ふたりのコラボもまんざらでもないねと

今夜も街の通りで笑い合う

ああいつまでも

こうしてふたりで楽しんでいられればいいな

たとえふたりぼっちのそれが愚か者だとしても

たとえこれがビタ一文にすらならない行為だとしても

たとえ誰ひとり振りかえらなかったとしても

楽しいことは楽しいと思えるのだから


次は「ぼっちのホームレス」
0432名前はいらない垢版2016/05/27(金) 21:59:37.48ID:oX3Wa8hG
「ぼっちのホームレス」

駅西口の歩道橋から

いつも彼は見降している

ボロボロのアナの開いた脛ののぞくズボンと

顔がかくれる帽子と

大きな袋だけ引きずりながら

ボンヤリとその大きな若い体で

のっそりと陰気な熊のようにただそこにいる

カラスが数羽はばたきながら

散らばるゴミくずをついばんでいる

ときどき手で周りを振り払うかのように

ぼっちの彼はのっそりと移動して

いつのまにか夜の界隈へと消えていく



次は「路地裏で…」
0433名前はいらない垢版2016/05/27(金) 23:38:25.06ID:/zhfg4p0
世界中の全部の裏路地を
当たり前の通いなれた道にしたい

世界中の裏路地のタバコ屋の
看板娘とねんごろになりたい

世界中の裏路地の定食屋の
女将と馴染みになりたい

世界中の裏路地のしけたバーで
酔いつぶれたい

世界中の裏路地で
遊ぶ子供の嬌声で満たされたい

世界中のどこかの裏路地で
野に垂れて終わりにしたい


次「サイコロキャラメル」
0434名前はいらない垢版2016/05/28(土) 04:33:56.90ID:S6CuBwv9
「サイコロキャラメル」

廃墟のおしろでお三時に

ふたりの持ちよせた袋からぶちまけて

いくつものおやつを転がり出した

舶来もののお酒のチョコ

ぶどうの味のするまんまるいキャンデー

サクサクとしたクッキーやウエハースの菓子

どれも半分こするにあたり

ふたりはキャラメルのサイコロで

出た数のぶんいただこうと決めた

転がすうちに箱はスグこわれて

かじりあった甘い中身のキャラメルもなくなった

おしろの柱の時計は鳴らずに

止まったまま三時をさしたままで

ふたりはいつまでも遊んでいた


次「古い絵本」
0435名前はいらない垢版2016/05/29(日) 00:54:26.42ID:TE5fdtyG
「古い絵本」

そこに落ちていたモノは全てひからびて

もうすでにこの世には生きていないかのように

埃だらけで灰色がかっていた

ここは古びたおしろの廃墟

ほんのいっときだけ立ち寄っただけの場所

彼らにとってはどれも珍しい玩具でも

ひとから見たら気味の悪いガラクタだろう

色のはげた絵本も

彼らが広げたら遠い過去に引き寄せられる

そんな危いユメがここにはいくつも眠っていた

引っぱれば破れてこぼれ落ちる

とても脆くはかないユメが


次「ちいさな呪文」
0436名前はいらない垢版2016/05/29(日) 08:17:49.07ID:vU8qCxQ2
町外れのロボット研究所に
いってごらん

二人の科学者が
旧式ロボットを
見せてくれる
触らせてくれる

運がよけりゃ
プレゼントしてくれる


最新式は国家機密だから
見せてもくれない


月夜の晩の研究所
こっそりボクは
忍び込んだ
最新式がどうしても見たくて

奥の部屋から
まるで小さな呪文が聞こえてきた

ボクは魔法にかけられたように
その部屋に向かってステップ

とびらの隙間から覗き見た

一人の科学者が
まさに最新式ロボットを
産もうとしていたんだ

もう一人は手を握って
呪文を唱えていた
「ひっひっふー」

次は「コンクリートの花園」
0437名前はいらない垢版2016/05/29(日) 08:38:43.96ID:TE5fdtyG
「コンクリートの花園」

都会のジャングルに囲まれた

ここはそう、ひみつの庭園だ

いつでもこうして多々な香り良い花々が

咲き乱れているのだから…

そんなあたりまえの贅沢な環境が

あたりまえに暮らしているぼくらを傲慢に育てた

バラ園の花園が枯れないように

いつでも眺めて散策できるようにと

従兄とともに庭師にワガママに命令する

いつも満足な空間に整えろと

でもいいよね

ぼくらはここに棲む君主なのだ

花園はぼくらのものなんだ


次は「しろい花びら」
0438名前はいらない垢版2016/05/29(日) 09:08:29.48ID:vU8qCxQ2
濡れた足で
ポチが歩く
煉瓦を歩く
紅い花咲いた

濡れた足で
コロが歩く
砂浜歩く
しろい花びら散った


次「シマウマ探して」
0439名前はいらない垢版2016/05/29(日) 12:48:22.22ID:TE5fdtyG
「シマウマ探して」

あるとき動物園から

若いシマウマが逃げだしました

おいかけてくるひとびとと飼い主

でもシマウマはどこまでも走ります

やがてお池の近くでつかまって

とうとう麻酔でとらえられてしまいました

ヨロヨロと彼は水を求めてお池の中に

そのままその夜は空へのぼってゆきました

そしていつまでも星の中を生きています


次「排他的な」
0440名前はいらない垢版2016/05/30(月) 17:30:09.04ID:/wKcUjig
「排他的な」

僕は手で覚えているんだよと

音の出ない鍵盤を弾きながら彼はそう言った

正しいモラルや常識を嫌い

功くんの思考はつねに飛躍する

音が無いのなら手が覚えればいい

壊れているモノは使えないとは限らない

自分はいつも己のやりかたでやるのだ

彼はきっと排他的な

世間から見たら風変わりな生き物なのだろう

音のないピアノでも

功くんが弾けば常識を超えて聞こえてくる

そして僕もその考え方に感化されて


次「アンチモラル」
0441名前はいらない垢版2016/05/30(月) 21:46:15.60ID:/wKcUjig
「アンチモラル」

彼の奏でる唄と曲には

健全な響きは無く

そこにはモラルの無い淫靡な香りが漂う

でも何故か不思議と心魅かれるのだ

それはなんなのかわからないけれど

通り過ぎる人々の足を止めるものがある

一陣の唄がふと街中で

あなたにまとわりついて

その足が止まるかもしれない…

それがなんなのかがわからなくても


次「モラリズム」
0442名前はいらない垢版2016/06/01(水) 19:52:16.91ID:W2FGO8JK
「モラリズム」

僕は指で覚えているんだよと

音の出ない鍵盤をボクの手に重ね、

ふたりで弾きながら彼はそう言った

そうだね彼はつねに正しい

音が出なくとも彼が叩けば音が聞こえる

壊れているモノが鳴らないとは限らないんだよ

ホラきみにもこうしていれば聞こえてくるだろ?

モラルを崩せば見えないモノが見えてくる

常識をくつがえせば音のないキーからでも音は聞こえる

ふたりの指で覚えて行けばいいんだ

功くんの常識をボクも 飲み込んで

やがてボクの内部も変わっていく…



次は「宇そら宙からの侵略者」
0443名前はいらない垢版2016/06/03(金) 07:52:19.86ID:/ktB4f19
「宇そら宙からの侵略者」

まるい月が妖しく紅く揺れている夜は

なにかが起こる気がするのだ

そら違うよ? 良く見つめれば

いつもの散歩道も

ポチの鳴く声も

なにかがきっとちょっぴりずつ違うはず

それがなにかはわからないけれど

空と星とが見つめている

遠くから僕らを侵略せんとしながら

いつか降り注いでくる危険が感じられながら


次は「雨どいに蝸牛」
0444名前はいらない垢版2016/06/04(土) 13:08:38.58ID:XZ/bN3tS
「雨どいに蝸牛」

冷たく降り注いでいる雨が

壊れた瓦あたりながら

軒下の彼にそのしずくを落とす

空腹と渇きに動けずに

男の子はただジッと雨のやむのを待っていた

さっきまでそこの雨どいにいた大きなカタツムリは

今はもう彼の知らぬ間にどこかに消えていた



次は「終わらない一日」
0445名前はいらない垢版2016/06/07(火) 21:25:01.27ID:WmDwYj6s
「終わらない一日」

君のためならウソで塗り固めた日々でもかまわない
これは君を守るため
ボクの一日はウソで始まる
君だけのために
今日も昨日の続きが始まって…

失敗のためにまたウソついて

別れたくないのにスグ立ち去り

笑いたいのに笑えずに

話したいのに嘘をついて

自分をだましながらボクはどう生きているんだろう

それでもいいんだ
そうしてごまかしているうちに一日は過ぎてゆく
また明日が同じくり返しでも


次は‐ ニューエイジ ‐
0446名前はいらない垢版2016/06/10(金) 11:22:34.54ID:Og4a+NJf
‐ ニューエイジ ‐

古い時代のカラをやぶり捨て

僕らは軽やかにステップを踏んでゆく

名前も生まれも同じで親しくて

新しい時代にたん生した

指輪に刻まれた文字が見えるだろう?

それは信頼の証なんだ

目に見えるものだけ信じたい

手にとって誓うことだけも守りたい

新しい時代へ生きてゆく僕らエイジたち


次は「金の銀の」
0447名前はいらない垢版2016/06/12(日) 14:38:21.75ID:HH8AdRA7
「金の銀の」

ソレはあのときの会話だったね
あたまのいいキミはボクに向かい

自分もそうだよ
金と銀の区別がついたのはね
つい最近なんだよと

それがぼくに対しての
気をつかってのコトバだったのか
それはわからないけれども
右と左のくべつすらつかなかったボクには驚きのコトバで
とてもうれしかったんだよと
そう教えたいんだ


次は‐星になりたい‐
0448名前はいらない垢版2016/06/12(日) 19:42:16.31ID:xtegE1A/
「星になりたい」

あまねくを見下す
私は心と体の距離とってなにが起きても他人事
今日も一日床で寝る
万年経ってなにもせず見上げた天井の染みになる
六でもない生活
六つかしい行動
なにかをしたくない
なんにも自信ない
あーヒモになりたい あー
何にもせず
あー宗教家になりたい
楽してちやほや
あー結婚したいよー
ヒモになりたい
あー私のなにもない人生が早送りされていく
あー星になりたい
あー星になりたい


次は「ダサい奴ら」
0449名前はいらない垢版2016/06/12(日) 22:49:11.23ID:HH8AdRA7
「ダサい奴ら」

「ダサい奴ら」

一体いつも思っているけれど

僕の本音はどこにあるんだろうか?
平気で君に嘘をつき
毎日くりかえし
誰にでも平気で嘘がつける
昨日も今日も
君に嫌われたくないために嘘をつき
君にこれ以上ないくらいに嘘をついている
それでも君は笑っている

おためごかしにと自分をだまし嘘をつき続けて
僕はいつまで道化を演じるのだろう

そこの路上でふざけ合うダサイ奴ら
彼らよりもずっと僕はみっともないヤツなんだろうよ
そうだねきっと
わかっているけれどわかっているさ
そんなことは自分がずっと
もうずっとずっと前から
0450名前はいらない垢版2016/06/12(日) 22:50:30.61ID:HH8AdRA7
次は‐水の流れ‐
0451名前はいらない垢版2016/06/17(金) 03:16:12.01ID:YO2Hmoie
南の風が雨になり
ずぶぬれ猫がなあと鳴く
野に咲く花の
何もない
瓦礫の山か
蓮華の花

次題「なし」
0452名前はいらない垢版2016/06/17(金) 18:36:58.54ID:IRrmjm+U
なし


このドアをあけてたらさ

きみが笑顔で迎えてくれたら

僕は全部、謝るからさ

きみを傷つけたこと
きみを泣かせたこと
淋しい思いをさせたことも

ぜんぶさ、ぜんぶ



このドアをあけてたらさ
きみが笑顔で迎えてくれたら
僕は全部、謝るからさ
きみを傷つけたこと
きみを泣かせたこと
淋しい思いをさせたことも

ぜんぶさ、ぜんぶ


きみがいない部屋にいるとさ
ほんとに大切なものに気づくんだ
ぼくはきみがいないとさ
からっぽなんだよ
きみは知ってるだろう
誰よりきみを愛してるんだ

きみだけさ、きみだけ
0454名前はいらない垢版2016/06/18(土) 10:00:15.72ID:CbzYnm/U
次‐あつい夜‐
0455名前はいらない垢版2016/06/19(日) 01:09:05.86ID:eT2eZ+Ap
‐あつい夜‐

部屋が蒸すようなこんな夜は

冷たい外に出てアスファルトの上に寝ころびたい

昼間の熱さが引いて今はこんなにもひいやりしていて

車が来たら転がって避ければいい、猫のように

いっそハダシでヒタヒタと歩いてみようか

僕の足がボクの足ではなくなるかのような感覚で

どこまでもどこまでもヒタヒタペタペタと

きっとその感覚はお月さんの上をゆくみたいだろうね


次は「キャットウォーク」
0456名前はいらない垢版2016/06/19(日) 23:42:53.73ID:waLFYv/L
 『 キャットウォーク 』

それは死語

今ではあまり使う人も居ない

( だってランウェイが主流だから )

だから何だって言うんだ!

別にいーじゃないか…

時代遅れでも いーじゃないか

歩いてごらん? 

猫みたいに

歌ってごらん?

鳥みたいに

色とりどりのドレス

踊るように舞う

まるで夢みたいにね

そうこなくっちゃ


次のお題『 愛だの恋だの 』
0457名前はいらない垢版2016/06/20(月) 01:43:21.44ID:PdFRq10e
『 愛だの恋だの 』

普段はめったに口にすることも無いはずの

アイラヴユーなんかを

やや照れながらアイツは盛んに口にし吠えている

ふたりだけのカラオケでウサを晴らすつもりが

ムキになるアイツはここぞとばかりに恋の唄に浸ってて

俺など忘れているかのように時間も忘れて

見たことも無いような姿で熱唱し続けている

アドリヴを入れて体をよじりながら

恥ずかしげも無くアイツの口から溢れてくるラヴソングに

いつしか俺は聞き惚れていて


次は『夜の街にダンサーが』
0458名前はいらない垢版2016/06/20(月) 06:01:42.20ID:VdpWblfI
「夜の街にはダンサーが」

(不確かな光が当たらない)異様に伸びた影の
足首が濃い
口は肺ではないが、私は魂
熱くさせる闇の目(過去を預けて一夜の欲望と化す)
なろうよ念仏の奥で 二重の体にかえて
焼けた肌の裏の服をめくるのは私
垂直に愛されない(遠心力で)身の置き場は背骨と炎
砕いた砂利を砕くような頭なんていらない互い違いの出番に生きてる(もはや、なんて、なんてバカな)委ねたもの、全部帰っておいで。誘ってるの

次は「バカにされたまま一生懸命に無駄な努力を続けている偉い人」で
0459名前はいらない垢版2016/06/20(月) 08:33:57.13ID:3BRdc8rV
『バカにされたまま一生懸命に無駄な努力を続けている偉い人』

徴税吏が雑居に墜ちて惑乱
孔雀が籠の切れ目を暗緑色の目で探す
龍は盲目になりながら湖を飲み干し
刺股を抱えた検非違使は夏の夜に吃る
みんな一生懸命
みんな一生懸命

夏の夜に一人街角で斧を持つ
夏の夜に一人街角で斧を持つ

按摩は囁く声を頼りに朝に掴まり
老母がよろよろと歩く
魂はそこにはなく
慣性はそこにはなく
揺らいだ蜃気楼のみ
夏の枯れ葉

狩の夕べに公家の髭
嘲笑と自若

猿に枷を
浴衣に帯を取らず


次のお題『宵越し』
0460名前はいらない垢版2016/06/20(月) 14:39:01.91ID:PdFRq10e
『宵越し』

普段はめったにこんなことなんかないけれど

ふたりで明けくれた朝はまぶしい

昨夜までの唄で騒いでいた興奮は今は沈下して

宵越しの日差しはやたらと目に痛い

そういやアイツは珍しく恋の唄なぞ喚いてたっけ

疲れて眠るアイツの重みと体温がまだ肩に残る

俺の中ではまだアイツは熱唱し続けているみたいに

いつまでも頭の中で残っているけど

隣に並んで歩いているコイツは

もういつものムッツリとした無口な男に戻っていた


次『愛撫』
0461名前はいらない垢版2016/06/21(火) 20:43:34.88ID:hYHq2Hka
『愛撫』

きみのうでの肉をひとつまみすると

ちいさな固い筋肉と骨にふれた

しろいヒフが動くたびに

まるでうで全体が別のいきもののように

ヘビのようにあやしくうねり

不思議なモノに見えてしかたがなかった

とすると今こうして

ぼくのヒザを撫でさすっているもう片方の手も

なにか得体の知れない存在なのかもしれないんだと

きみのそばに寄りそいながら思った


次『夜咲く花』
0462名前はいらない垢版2016/06/23(木) 16:32:46.95ID:CF2YzuFU
『夜咲く花』

夜の向こうには花畑

フッとため息をついたらチューリップの花がゆれた

さざなみのようにユラユラ揺れながら波打つように花畑で

黒い蝶がおどろいて静かに逃げていく

夜の闇に漂う雲もうっすらと呼応するように

ゆっくりと夜空を白く大きく流れてゆく

一面に咲き誇る闇にゆれる白い美しい花たち

彼らは風に吹かれがらなにを思うのだろう

そして逃げて飛んで行った蝶よきみはどこへゆく?

闇にとけてそのはざまに消えてしまい


次『かごのなかの蝶』
0463名前はいらない垢版2016/06/25(土) 20:01:23.37ID:p3yVXIaS
『かごのなかの蝶』

きみはちいさな蛹でやがて蝶に変化する

夜のきみは別人のようで

ボクのこころはときめかされる

昼と夜とでは女はこんなにも変わるものなのか

固いカラから出てきたきみは誰?

優美な姿態に驚かされる

昼よりも密かに囁いてくれるきみの声は魔法

手で慰撫するよりも優しく

抱きしめられてもらうよりも安らいで

アルコールに淀む神経ののヒダにしみ込んでゆく

同じきみなのに

昼と夜とではどうしてこんなにも違うのだろう?

どちらのきみが好きなのかと問われれば

きっと今のきみは多くの謎と嘘とに包まれている

ぼくはどちらとも言えないかもしれないね

でもできればきみに許されるのなら

夜のきみだけかごに隠し閉じ込めておきたい

今夜だけの大切なひみつとして


次 ‐魔法のお酒‐
0464名前はいらない垢版2016/06/26(日) 00:18:58.82ID:afmLQoeQ
「魔法のお酒」

ひといきれの香水がそこら中 踊って抱いて歌ってる笑みと闇
この世界と日常が別なんて馬鹿(なんて馬鹿な!)
初めての顔に突然キスされたいのに
化粧がよく見えるホテルでされたいのに
来たように帰らないでシャワーを浴びればいーのに!
いつだって賑やかな夜景を見下ろしたいのに
目覚めれば地球が爆発しちゃっていいのに
快楽と興奮がすてきな尻尾でいーのに!

ダンス! そしてラッキー
ダンス! さらにラッキー
ダンス! まさにラッキー

ビルと道の裂け目に吸い込まれるでしょう
自動的な人形は振り向きもしないでしょう
弾丸は止まる まだ撃ってないから
余計なお荷物に私は気づいてるんでしょう
糸の絡む愛なんてもうたくさん!
素面にも続いてる歩かせない酔いが抜け切るまで人間、私、人間

次は「恋≠愛(友へ)」で
0465名前はいらない垢版2016/06/26(日) 04:14:23.78ID:zQAECSNS
「恋≠愛(友へ)」

きみが荒み落ち込んでゆく姿はもう見たく無い
きみの笑顔を守るためにぼくは命もかけるだろう

愛というほど明確で
愛というくらいに汚れたものではないけれども
ぼくのこころの中にきみはいる
ぼくらをはばむものは固い壁
きみは誰をも拒絶して
ひとを怨むことで生きようとしている
それはいつもぼくのこころのちいさな痛み

きみが幸せになれるのなら
ぼくのこころをささげよう
それできみがきっと救われるのなら
ぼくはどうなろうとかまわないから

これが恋というものならそうかもしれない
これが恋と同じものならそう信じよう

きみのこころを打ち崩せるものがあればいい
きみのこころの壁がいつか壊れてしまえばいい

冷たく固いカラに閉じこもる
そんなきみにしたやつらをぼくは許さない
すべての人々の愛と引きかえたとしても
きみをとりもどしたい


次は「空を見あげて」
0466名前はいらない垢版2016/06/28(火) 16:54:51.05ID:MCUqqL6d
「空を見あげて」

ビルの置上では青空が広がっていた

いつも怖気づいてぼくにまかせるきみ
とまどい怯えているそれがいつものパターンだね

今日はここちよい風が吹いている

死にたい死にたいんだよと
その繰り返しでつぶやいている
ぼくをいいかげんうんざりさせて
いっそその背中を静かに押してあげようか

風がぼくらの顔を撫でていく

ここから飛び降りたとしても
こなごなに壊れたきみの心と
そのか弱い体のカケラくらい拾うから
怖がらずにまかせてもいいよ

きみがそう願うのならばぼくはかまわないから
きみが死たいのなら勝手にすればいい

壊れた金アミが風にバタバタと揺れ動く

そっときみの背中に添えている手に
ぼくが力をこめれば全てが終わる
そうしてほしいのならそう言うがいいのに

そら眼下には風景が良く見えるよ

うっとうしいお守りが友情のあかしなんて
くだらないことは信じないで
そんな自分が好かれようだなんて間違っている
くやしければ何度も蘇るがいい

ころされたいのもしにたいのも同じならば
ぼくは喜んで手を貸してあげよう
冷たく震える手が今にぎり返すのなら
ぼくは待ってあげてもいいけれど


次は「声がかわる頃」
0467名前はいらない垢版2016/07/02(土) 09:08:22.88ID:TTlTI/FW
「声がかわる頃」

梅雨の訪れとともにけたたましく響き合う

カエルの鳴き声が聞こえる頃

話声にも変化が起こる

コロコロした声は低くテノールに

セキこむ声もすこし慣れずに

夏の始まりには

互いにすこし大人びた笑い声を交わし合うのだろう


次は「森林浴」
0468名前はいらない垢版2016/07/02(土) 16:54:27.61ID:kSQS+g60
森林浴

ある夏の早朝に私は森の小道をひとり歩いた
やさしい朝の木漏れ日がさし
みんみんと虫の音が
ぴよぴよと小鳥のさえずりがなり
そよ風がやさしく頬をながれ
近くにせせらぎの音が聞こえた

次題「森のくまさん」
0469名前はいらない垢版2016/07/03(日) 08:39:09.05ID:8pdsa00Z
アレックスくんは言いました

ぼんくちにはハチミツもたべものもたくさんあるからおいでよと
でも森のくまさんは首をふりふり
きみのしんせつはウレシイけれどそれはできないよと
かなしいひとみで言いました

アレックスはどおしてなの?と聞きました
森のくまさんはさみしげに
だってぼくはこんなすがたをしているし
にんげんたちからかくれて生きているし
たくさんの敵がきみ以外里にはたくさんいるんだよ
悲しいけれどここでさようならだね

アレックスが見送るそのうしろ姿は悲しげで
着ている服はボロボロで体中血だらけで汚れていて
おおきな手にはちぎられた鎖のついたままの手錠がはめられて
それをうっとうしげにしながらくまさんは大きな体で森に消えて行きました
彼のいなくなったあとで大きな泣き声が森から響いてきました

アレックスはかばいきれずにいたことに震えていました
どちらの泣く声も朝もやの森の中でこだまして


次は‐かたつむり‐
0470名前はいらない垢版2016/07/05(火) 02:14:19.08ID:LrHJjnyA
‐かたつむり‐

きみのうでをちいさなカタツムリが這ってゆく

その細く固い筋肉と骨とうすい皮の上を

ゆっくりとちいさな生き物は重いカラをのせてのろくさと歩いていて

うで全体に別のいきもが動いているサマは

なんとなくおもしろくてなんとなくキミ悪くて

不思議なモノに見えて思わずおかしさがこみあげる

きみのそばに寄りそながら笑う僕の手の上に

そのちいさな生き物は腕から腕へと

ゆっくりとナゾの体液を粘りつけながら移された

そしてなんとなく不快になる今度は僕の腕が

こいつの歩く遊歩道となりかわり


次は‐アヒルの遊覧船‐
0472名前はいらない垢版2016/07/09(土) 08:42:21.65ID:PcDkbgEj
‐アヒルの遊覧船‐

空が回転するように晴れ渡る
そんな日に
こうして湖に浮いていると
水面下の大きな船体が
うっかりするとその羽をバタつかせて
そのまま飛んでしまいそうに
少し不安になるんだ
無論バカげた空想なんだけれど

今はこの平穏を
ただゆっくりと揺られながら楽しみたいね
なんしろここは煙草も吸えるし空気もいいし
ひとり独占できる唯一の空間なのだから

ウソさただ他に誰もいないだけ
それでも振り向けば船内で笑う船員がいて

次、‐シーツの臭い‐
0473名前はいらない垢版2016/07/10(日) 23:28:45.88ID:jejRRVoq
‐シーツの臭い‐

少し湿気った布団と枕がシワだらけの

ここがスペースコロニーだ
僕のお気に入りの場所
そして安住の地で隠れ家だ

僕はここが好き
この少し薄暗く少し窮屈な
この空間を愛している

僕はここで寝てそしてここで起きる

淀むような少し据えた自分の臭い
この気持ちそしてこの安堵感

誰だっていれてやらないよ
誰もが好きになる空間でも臭いでもないし
こんな僕は変人かもと思うけれど
でもやっぱりここしか愛せないから

次は ‐涙ひとつぶ‐
0474名前はいらない垢版2016/07/13(水) 20:05:39.55ID:q6d37qb8
‐涙ひとつぶ‐

きみは帰ってくるのだろうか
きみの帰る場所を教えたい
それはここだよとここなんだよと
僕は必ず待っているから
世の中の人にまじり彷徨うきみは迷い子
帰る場所を無くして
たくさんの人だかりに集まり
いつまでも帰路につこうとしない
帰る場所など見つけようともせずに
漂って漂って

幽霊のようにフラフラと
彷徨い歩きながら
とてもとても悲しいうつろな目で
ひとつぶの涙浮かべて

きっとたくさんの人間の中から
きみを見つけられると思うけど
灰色の影はぼくを探している
ひとつぶの涙浮かべて

帰る場所はここだよ
帰る場所はここなんだよ


次は‐戸惑う魂‐
0475名前はいらない垢版2016/07/15(金) 18:15:23.44ID:7WcjJnyR
‐戸惑う魂‐

ぼくは君の足元を照らすためのちいさなライト
君を導くために生まれたのだろう
君を守るのの知恵と強さを身に着けるための
きっとそのためのぼくのプログラム

出会いのトリガーが作動したら
そこからがぼくらの始まり
別々の人生を送ってきてもぼくらは出会えた
君の不安定さや危なっかしさ
傷つきやすい繊細な魂は
薄汚れながらとまどい迷っていた

引き揚げて導いてやらないといけない
でも君に自分で気づかせ戦わせ教えるしかない
示唆しながらぼくはただ見守るだけ
横道へ行きそうになれば励まして
静かにこちらへとこまねくだけ

どうか道をはずさないで
ぼくの明りはそらつねに照らしている



次は「睫の影で」
0476名前はいらない垢版2016/07/19(火) 01:14:24.15ID:h+azgxQP
「睫の影で」

きみはなにも話さない
だからぼくも話さない
沈黙には沈黙で返すから
いつまでもぼくらは黙ったまま

無言でいるのが苦しくなるまで
どちらかが降参するまで
沈黙の闘いは続く

その睫の影で
一体何を思っているの?
固く閉ざした心とは裏腹に
濡れた長い睫はふせたまま震えているよ


次は‐閉じた瞳‐
0477名前はいらない垢版2016/07/21(木) 03:27:23.57ID:z+em+odw
‐閉じた瞳‐

窓からすべり込む風はいたずらに
スケッチブックをめくりバラ巻いた

きみを描いた紙片が

風に吹かれて散らばってしまった

放課後の美術室で

モデルになってくれてたきみの記録

その長く濃い睫が好きだ

うとうとと眠るきみの

閉じた瞳をこっそりと走り書きした

きみに拾われる前に

きみに気づかれる前に

慌てて拾い集めたけれど

窓からすべり込む風はふたりの足元を通り抜け


次は‐氷は水に‐
0478名前はいらない垢版2016/07/24(日) 17:38:56.56ID:NcKJsHEj
‐氷は水に‐

ビルの谷間から大きな虹が覗いている
水たまりに映っているのは
わだかまりが氷解したばかりのふたりの影

それはカゲロウのようにユラユラと揺れている
小指だけでつながれていたふたりの手は
今はしっかりと握られている

僕の問いかけに答えてくれた
彼の静かにゆっくりと触れた唇が
互いの固い壁を溶かしたのだろう

それはまるで氷が水となってゆくかのように…


次は「アレルギィ」
0479名前はいらない垢版2016/07/26(火) 01:06:07.67ID:boiYM/g8
「アレルギィ」

理屈だらけでこりかためて
まるでコトバで武装しているようだねと
そんなふうにからかわれた日に
ぼくはきみの目の前で初めて泣いた

抱きしめられて自分の馬鹿さ加減に気づくまで
どうしようもなさに震えていた

ヒトのコトバに反発して
素直に受け止めれずにぼくの気持ちは
いつも拒絶反応が出る

コトバでは敵わずに
どうせ力でも敵わないのに
そんな相手にだけ見せるひ弱さが
ただ恥ずかしくてただくやしくて
拳で叩く相手が拳から逃れずに
温かく受け止めたのが悲しくて

そんな自分の馬鹿さ加減に気づいたまま
どうしようもなさに泣いていた
こぼれ落ちる涙とともにアレルギィも消えるだろう
0481名前はいらない垢版2016/08/02(火) 07:59:11.88ID:rNJ39vBE
‐浮きわ‐

海にポカンと浮かんでいる
忘れられたようなちいさなウキワは
どこから流れてきたんだろ?
海の中からお腹の膨れたクジラが
潮とともに噴出したのかしら
プカプカと寂しげに
昼も夜も浮いている
主のいないあのウキワは…

次 ‐古い扇風機‐
0482名前はいらない垢版2016/08/05(金) 01:09:24.44ID:+lD6oOGM
 ‐古い扇風機‐

エンジンがかからなくなる
動きがニブくなる
羽にはところどころ割れ目が
台座は汚くスイッチははずれかかってて

終わりの合図を鳴らしながらも
また今日も捨て損ねて
同じ命をくり返し使う

真新しい製品の広告が
紙面からしつこく誘うけれど
今年はこれでやり過ごそう

お互いに
仕方が無いね
まだ平気だよ大丈夫だからと
言い合いながら


次「音のない風鈴 」
0483名前はいらない垢版2016/08/08(月) 15:54:06.16ID:vEacRc2x
無音 無音 まじ むおん

むおんの世界へようこそよ

無音なら鈴木ちゃんも喜ぶわ

無音 無音 まじ むおん

無音 無音 まじ むおん

次 「中田ヤスタカ」
0484名前はいらない垢版2016/08/09(火) 01:41:27.58ID:Hq4m5kRS
「中田ヤスタカ」

中田くんの名前だけが残る

ノートの最後の余白が寂しい

きっとキミは向こうでもウマくやっていんだろう

だから心配しないけれど

時々はこうして思い出してほしい

連絡網から消えるキミの名前

忘れられたようにカラの机

いつかどこかへ片付けられる

そんなのは悲しすぎて

僕は僕だけでも忘れたくはなくて

落としていった上履きを校舎に隠している

誰も知らない秘密として


次 ‐なくした小片(ピース)‐
0485名前はいらない垢版2016/08/09(火) 14:22:52.97ID:M7bFWnKF
YO YO 
小便くせえ お前のま○こ

舐めてといってる マジ勘弁YO

そんなこんなで 言ってるうちに

高所から 聖水 口の中黄色

上下左右 縦横 十字コントロール

マリオブラザーズ並みに ピーチが怒って

俺は今日も強制的に ま○こを舐めさせられる

次 「真野君」
0486名前はいらない垢版2016/08/10(水) 03:38:04.50ID:i9WmEkVU
お題に合わせろよカス 荒らしのつもりだろうがイイ気になるなよ?野郎が
0488名前はいらない垢版2016/08/13(土) 11:20:11.15ID:Xm76XNte
なくした欠片

青空は代わり代わりにペダルを二重のギアで
流れってったものは風だけではなく
追いつくものは自分そして勤勉さ

一晩中はいつまでも、と、今朝の新聞が知らせる
ほのかに甘いコーヒー
蜜のよどみ
私たちは経営をしているの
死は時間ではなくもっともっと膨大な過去
痛みはない

忘れっぽい天使たちのキスシーンが
流れていったものを拾っては落とし探しては消え去る
どこ?
心のずっとずっと薄い膜が光の屈折を許さない限りずっと

次は「真野君」で
0489名前はいらない垢版2016/08/13(土) 18:43:12.13ID:ZfoQvjuy
今読み返してたら欠片じゃなくて小片なのねごめん
0490名前はいらない垢版2016/09/16(金) 03:47:35.12ID:0ddetjTH
「真野君」

真野くんよりの伝言

ノートの最後の余白にたったひと言

きっとキミはイマでも孤独でいるんだろう

このコトバを見るとつらい

いつもひとりで本ばかり読んでいた

ひっそりとした淋しげな姿が

思い浮かんできて

そんなキミがきっと

考え考えながらポツンと

書いてくれたのだろうと思うとぼくは


次は‐秋の月夜に‐
0491名前はいらない垢版2016/09/18(日) 23:32:32.34ID:IKLxasym
‐秋の月夜に‐


月が花畑を照らして
まぶしいような明るい晩
背後で音がした
ポン、と爆ぜる様なかすかに
振り返れば小さな花が開いていた
その瞬間を見逃した僕は
こうこうと輝く月の下に続く白い道に
足元まで明るく照らされたまま
立ち尽くしていて…


次は「枯れ草」
0492名前はいらない垢版2016/09/21(水) 14:40:40.18ID:LWZ/kCQu
「枯れ草」

何処へでも行けよ
何処へでも
長く細い蔦が足首に絡んだまま
カサカサと草の根かきわけて
俺を置いてお前は
何処へでも行くというのか?
それは捨てられたのだと
思ってもいいのかい

何処へでも行けよ
何処へでも
この枯れ草の茫々に生える地に
俺を置き捨てて
二努とふり向かずに消えてしまえよ


次は「月明かり」
0493名前はいらない垢版2016/09/24(土) 01:04:05.42ID:JaM1A/Q5
「月明かり」

まるい月が妖しく桃色に輝き

空と星とが見つめ合うこんな晩は

なにかが起こりそうで

恐怖に打ち震える

空も星もがまぶしくて

きっと何かが

遠くからここを侵略せんと

危険を感じながら歩いている


次は「ナルキッソスNarcissus」
0494名前はいらない垢版2016/10/09(日) 03:26:11.22ID:jhkyjqGA
「ナルキッソスNarcissus」

口から吹き出す水しぶきが

空中に虹をつくる

目の前のきみの尖った嘴を濡らし

森の中は幻想的に輝いて

僕らだけの美しい楽園となる

駆け巡る僕の白い脚も光り

いつかきみのような翼を広げて飛んでみたい

けれども足元の水たまりに映る

僕はきっときみよりも誰よりも美しいだろう

今神様は僕を愛している


次は「with no way out(出口の見えない)」
0495名前はいらない垢版2016/10/14(金) 04:42:31.22ID:+zRrZj2/
「with no way out(出口の見えない)」

最初に教えてくれたのは君だ
争いに終始符はないのだと そう
手始めに君の武器を無効化するよ
愛情で僕に攻撃しようとする
その行動を堰き止めたいから

僕の野望を語って欲しいなら
君の本心を渡し出せ
僕の武器は僕の本能だけ
悲壮家の君と僕の攻防戦で挑んでみよう
with no way out

ただこんなのは君もわかっている
無駄な争いなんだと
お互いにtheendにしたいときは
握手で交わし合おうよ
突破口は案外簡単に見つかるハズさ


次、「シーツの波」
0496名前はいらない垢版2016/10/15(土) 00:17:09.95ID:Hf6eRkhR
「シーツの波」

シーツの波の上で
毛布にくるまれながら
泳いでる僕らは
ベッドの海に浮かぶちいさな白い魚
互いのあしがぶつかり合ってもかまわない
バタバタと暴れて飛び跳ねて
くたびれたら枕に沈んで眠りにつく

闇の帳は深い海域
静かな波間に漂いながら
ふたりの肌が触れ合いながら
互いの寝息だけ聞きながら
心地よく眠っている

次は「冷たい風」
0497名前はいらない垢版2016/10/16(日) 23:26:16.19ID:VT2DHw+W
「冷たい風」

凍えた夏の日に
見えるものが事実ならば
怖がりも恐れもしない
リアルな世界の向こうへと

―私は冷たい風に吹かれてただそこに居た

ガラスで囲まれる都心の深夜の鼓動
迷路のように続く歓楽街の喧騒
なにもかもに圧倒され
こういう場所にある 錯乱した気持ちや戸惑い
もう少しで壊れそうな国の現リアル実が
静かに静かにと
私が私のために直して見せよう


次、「What's wrong with you?(どうしたの?)」
0498名前はいらない垢版2016/10/18(火) 02:05:33.29ID:F121t4J5
「What's wrong with you?(どうしたの?)」

もう会えないんだねと
寂しげに笑うキミ
抱きしめたいかわりに
殺意が湧いて来た
どうせ引き裂かれるのなら
今宵月の晩に約束の場で
いっそこの手でころしたい

もう会えないんだねと
寂しげに笑うキミ
抱きしめたいかわりに
憎しみが湧いて来た
何故そんな笑顔になれるんだ
僕との別れが悲しくないの
いっそ綺麗な笑顔ごと消してやりたい

What's wrong with you?
君の問いかけに答えられない
俯くまま僕は小石を蹴った
割りきれないのは幼さの証だと
自身の心の中で嘲笑いながら

次は 「Gotcha!(モノにした)」
0499名前はいらない垢版2016/10/22(土) 20:45:23.65ID:oK8Ev2ys
「Gotcha!(モノにした)」

押し付けられたヒフの感触
熱い思いが溶け合って
今日の空のように高くなる

Gotcha!キミは笑う
くるくるとはしゃぎながら
Gotcha!キミは叫んで
そこいらをコロコロと走り回り

なにがそんなにウレしいのか
ボクの周りを踊りまわりながら
いつまでも頬染めながらはしゃいでいて

Gotcha!声高らかに唄い
Gotcha!勝ち誇ったかのように笑い
ボクひとりがあっけにとられたまま


次、「空高き日」
0500名前はいらない垢版2016/10/27(木) 12:02:08.95ID:ez24PQaO
空高き日

私たちが膨張していく
どんどんいろんななものが私化よ
どこにでもぴったり分の仮面を用意できる棚
棚をしまう棚
開いた棚をしまう用の棚
役割してく名刺入れと過去、それをしまうスペースと、棚を作るための台、それをしまう棚
私が会いに行くためのあなたと、あなたに会うリトルな私、それもまた私
吸う空気を吐く
吐いた息が吸われ
私は、私の巨人の胃の中が世界と思う
星の輝きひとつひとつが、もう一人の私と思う
いま、膨張していく私たちならばね

次は「アイドル」で
0501名前はいらない垢版2016/10/31(月) 02:48:04.25ID:5qs+AmJn
「アイドル」

キミの手の中にある
その真鍮のリンゴは
重そうにずっしりと乗っている
聡明そうなその瞳と同様に
妖しく白い手の中で輝いて
なにかを静かに秘めているように

永遠に誰にも齧られることなく
その形を冷たく保ちつつ
今はキミの手の中で温まる

偶像、それは彼らには象徴されること
永遠に溶け合わずに気がつかずに過ごすのだろう
ボクはキミを崇拝して
キミはボクに崇拝され

次は‐プロムナード‐
0502名前はいらない垢版2016/10/31(月) 03:31:05.45ID:NDjBRdpc
故意に付き纏う
https://www.shigureden.or.jp/source/img/about/fuda/086.jpg

こねことくぼみ
http://switch-box.net/wp-content/uploads/2013/07/wallpaper-guitar-photo-12.jpg?12d82b

しおがおつくり
https://www.youtube.com/watch?v=2GSgeyVIP24

1:48 ストーカーはもうぼかしてごまかそうもないよ 
ちゅうしょうてきなんてあったあなきがつかないだけか おおすぎて
すとーきんぐにせいせいどうどうはおかしくないですか?はんざいですよ
https://www.youtube.com/watch?v=eN4isGPW3LQ
0503名前はいらない垢版2016/10/31(月) 21:10:40.73ID:OL3y+NyV
「プロムナード」

一途の中にありえたはずの
見なかった景色と思い付かないアイデア
行くとあるか
どこにあるかと

待ち合わせる由もない
たとえ今日から一対のものになるとしてもこれまでの道は気まま、何一つ宇宙に同じ流れはない
同じ過去はない

浜辺の砂はすべての文字だから
私たちは生き、足跡を作り続ける
振り向いて忘れ去ったものと奪われてしまったものを想う
キラキラと輝くものを何度でも確かめあるいは引き返して拾う
危険ないとこへ置く、柔らかいところへ投げる

くたびれるだろうが
泥の中は行かずまた歩き続けたいと願う
新しい装いで
ポケットに固いものを隠して

次は「清涼飲料水」で
0504名前はいらない垢版2016/11/02(水) 04:04:01.10ID:ZS+qGH9o
「清涼飲料水」

午前4時になるとバイクの音が止まる
いつもの自販機の前で
彼は下りてわずかな休息の時間にする
そこで静かにタバコを吸うときもあるけど
今日は自販機の飲み物を買っている
ガチャンガタンゴロン
深夜に響きわたる金属的な音が
この夜更け、イヤもう夜明け前の路上に広がる
やがて一服が終わるとまた
バイクにまたがり配達の続きを始める
スズメの鳴き声よりも早い
それは彼の毎日の仕事

次、‐排気音‐
0505名前はいらない垢版2016/12/01(木) 01:50:51.27ID:ON+JSDNG
‐排気音‐

話すべきことはきっと山ほどあるハズ
でも今はこうして
きみの背中に頬うずめていたい
通り過ぎてく街並みと
耳に響く流れるこの排気音だけ聞いて
黙ってふたりでただこうして…
どこへゆくのか
どこにたどりつくのか
どちらも話さないけれど
しがみつくボクには
背中のあつい体温だけ感じていたい…
ここにいる間だけは
優しい気持ちでいられるから
ケンカもしないふたりがいる
だからまだこのまま


次は「ケースに詰めて」
0506名前はいらない垢版2016/12/02(金) 03:03:28.90ID:1/FPPbhL
「ケースに詰めて」

いまが嫌いだと言うきみは
いつも重い荷物を抱えている
ボクが手をかそうとしても
強くふりほどいて
教えてよ
いずれ捨てると言うものを
なぜそんなに抱え込むのだろう
苦痛も希望も未来も
きみは一緒くたにして
手放せないはずもないのに

いまが嫌いだと言うきみは
狭い肩にその汚い袋を背負ってる
ボクが手をかそうとしても
強くふりほどいて
聞いておくれよ
それならせめて分けあおう
いずれくる別離の日のために
ボクのケースに半分詰めて
どうせいらないと捨てるのならば
ボクが半分くらい貰うから


次、「終わりのない話」
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