詩人は肉体の奴隷であってはならない
世界は肉体で動いている
つまり流行も法律も
女子高生の熱狂も領土問題も
全ては本能に支配された営みにすぎない
私はこの肉によらない 世界は俺なしでは存在できない
俺がいて だから 初めて世界が認識された
いろいろの制約で 逆に世界にひれ伏してっけど
俺がいなけりゃ 世界なんざ無さ 金はないが酒がある
仕事はねーが酒がある
酒ある処 愛がある
なぜか煙草もある
酒ある処 不安無し
あー愉悦 生きながらの極楽浄土
するってーと いつのまにか涅槃に至り
翌朝目覚めると 金はない 仕事もねーのに 酒はある
なぜか煙草もあるし あーこれは人生ってのは 案外良い加減 何処かで剥製が飾ってあるのを見た時
肉体は単なる入れ物なんだと確信する
その剥製は何処かの中小企業の社長室に飾ってあった
当の剥製だった心や魂は何処へ行ったのか?
私利私欲の固まりの部屋に抜け殻だけが残る 勝ちに不思議の勝ちあり
負けに不思議の負け無し
なんてことを自分が審査員の立場で言うような奴は詩人ではなく小さな権力者である