658:Y.TAKEO[] 投稿日:2009/11/21 02:59:13  ID:N47QUtBn
『検便』

検便の再検査の知らせというハガキを無視していたら
胸くそ悪い廊下で待たされる羽目になった
長椅子に座りながら人間観察して時間を潰すくらいしかないが
やはり病院
病人だらけで
見ているだけで気が滅入る
医療アルコールの臭みと辛気くさいが体に染み込む頃に
診察室の中から俺の名が響いた
俺は扉を開けた
部屋の真ん中には白衣を着た白髪混じりの男が背中を丸めながらカルテを見ていた
まずは再検査に来なかった事を怒ると身構えてたのだが
思いがけないセリフが主治医の口から聞こえた
『キミの便からガン細胞が見つかった。』
俺がガン?
検便ってサナダ虫がいますとかもっと軽いヤツじゃないのか?
『俺がガン? 腸ですか! まさか肛門ガン!?』

医者は一呼吸をおいてから物静かに答えた

『いや、うんこがガンです。 そう、名付けて大便癌』

『先生! うんこ癌いや、大便癌を処置はどーすれば!』

『うんこしたら必ず大で流しなさいそして、手を洗いなさい』