第1回 金は俺が払うから詩を書いて
ども、おっさんです。昔とトリップ違うとかほっといて下さい。
久しぶりに企画物です。
最優秀賞 3千円
優秀賞 1千円
佳作×2本 500円
とまぁ出資者が俺だけだから小さいけどね
参加方法
コテは使っちゃ駄目捨てトリップ使って下さい。
過去に使った作品は駄目 著作権がどーとかめんどーなので新作オンリー
多重投稿は今のところ駄目。←変更するかも
賞金の受け渡し
結果発表前に俺が捨てアドレス手に入れくるから受賞者はトリップを教えてもらいやり取りする
期間は3月20日まで
お題 どくそうせい 「獅子舞の中」へよせる批評 1P
東京に出て行きたい!ゆくあてもないのに、彼は故郷を捨てようとした。
若き彼にとって、作者の育った土地は、暗く、閉鎖的で、陰惨とした、田舎くさい、
そういう、ところであったのだと、私は思う。
私は作者の生い立ちを知る由もないが、そんな憂鬱な場所で、何もない暮らしをする青年達が、
年に一度、伝統に縛られた獅子舞のときだけ、熱くなる、
そんな光景を、若き彼は、客観的に、どういう気持ちで、見ていたのだろう。
しかし、彼も、演じる獅子舞が、これで最後だと思うと、その胸中には、何か犇くものがあったようで、
詩には、閉塞とした、獅子舞の中で、光に酔い、恍惚とする描写がされている。
きっと、このとき作者は、空即是色でたとえるなら、空の状態であったのだと思う。
無ではなく、空っぽであったと、私は思う。空っぽゆえに、その血を、肉体に持て余していたのである。
その最中、悲劇は幕をあける。私が、そこで共感したのは、作者が地震の状況を、一切描写せず、
「気がついたら真っ暗だった」
と、ただ淡々と、表わしたことである。瓦礫など、そんな弱弱しいものには目もくれず、ただ、復興に向けて進む、
その力強さが、この一文から読み取れる。それは、彼が、空っぽだったから、そうなったのであろう。 2P
ところで、家をまるごと建て替えるとき、以前と同じ家を建てる人が、いるであろうか?
もし、建て替えられたしても、以前と同じような気持ちで、そこで暮らしてゆけるだろうか?
地震で、傷ついた町を、私たちはテレビを通して、何度も見てきたが、
そこで、地震以前の、それなりに、平穏な町でしてきたように、獅子舞が舞えるであろうか?
もし、舞えたとしても、それは、今は亡き過去に投影された情念である。
そんな風に、過去に、後ろ髪をひかれているような気持ちでは、到底、復興などという大業は、成し得ないのである。
伝統を、継続し得ないのである。日本の哲学者、三木清の言葉を引用すると、
「伝統が創造されるというのは、それが形を変化するということである。
伝統を創り得るものはまた伝統を毀し得るものでなければならぬ。」
彼が、再びこうして、獅子舞が舞えるまでには、そうとうな苦労があったのだと思う。
だから、この詩には、語られていない真実がある。再び、獅子舞が舞えるまで、彼の故郷は、彼と共に、高速で走り続けた。
それは、詩の中で、光に喩えられ、読者は、それを空想するほか、方法はなく、自分が生きるための理由を、自分自身の力で、想像するのである。 1P 誤字訂正
2行目
若き彼にとって、作者の育った土地は、暗く、閉鎖的で、陰惨とした、田舎くさい、
若き彼にとって、育った土地は、暗く、閉鎖的で、陰惨とした、田舎くさい、