「自分だけに向けられた優しさだと勘違いした」

営業用スマイルだったのだ
客でなければその美しい瞳に映ることはない
昔は声かけてもらえればちょっとくらい可愛いのかな?なんて自惚れたこともあったけれど
あっという間に年を食ってしまい、性格までひがみ、歪んでしまったようだ
こんなのであの人に相手にされるはずがない

利害関係が少しでもあるうちはよかった
そのことで繋がっていられた
しかし何の利益ももたらさないとわかればそこでさよなら
人間なんて意識するしないにかかわらず損得勘定で動くもの
あの人の優しさは次々と別の誰かに向けられてゆく