0183名前はいらない
2014/01/02(木) 16:15:22.43ID:L6XJt/26朝のアスファルトはまだかっちりしていて
隙間にお日様がはいりこむたび身をよじり
くすぐったそうにゆるませていく
これがお昼頃になるともうぐずぐずで
こどもたちのサンダルを飲み込みかねないくらい
小口切りのねぎをのどにひっかからせながら
素麺をたいらげたこどもたちが
ふたたびアスファルトをふんづけるとき
その泥は
ケミカルだけど嫌じゃないにおいを出す
くたびれたホースでおっさんが水をまく
花でも咲かそうとしてるみたい
水を吸い込んで泥は
ますます沼になり
ちょっとどうかと思うくらい暗いにおい
危ないけれど
ひかれるにおい
鐘の歌がなって
おのおの明日の約束などをし
みたびアスファルトをふんづけるとき
ねぎをふくろから突き出させた母親と行き会い
重なった影から夜になる