改稿。
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『レッドフォレスト』

四角い六角形が無限に
連なり饒舌な化学式が
街に溢れる冬、雪の重
みで下方へ下方へと沈
み込む木々の根がつい
に断裂してたてる無数
の軽い音が、骨折する
老人の呻きのように森
のなかに響き続ける

山々が春を待ちきれず
枯れ死んでいくのを、
ガスマクスクのゴーグ
ル越しに見る幼い少女
の茫然とした佇み

そこにはない

そこはレッドフォレス
トだから、
そこにはない