「基調低音」

罪を知らない穏やかな眠りを
はぐれ鳥の鳴き声が引き裂いた
過ちを数えては季節の風に返し
思い煩う雲間に差す月明かり
共に生きる喜びさえ遠い憂いの樹
愛より深い悲しみで深い海に沈み
ひとり夜を抱いて水底を求めた
傷と傷が呼びあってしまえば
私の心の基調低音はあなたの笑顔を曇らせる、と