一遍の詩を紡ぐプロセス

何か月も、何年もかけて詩を作る。完成した確信した時にこそ、ボツにする
そこから僅か7日の間に、そのボツにした詩を再構成し(0から新しい詩を作るのではない)
ブラッシュアップして、本当に完成させる

詩というものは「蝶」である

現代詩という葉の上に産み落とされた卵は孵り
葉を虫食み、喰らい、我が物とす
やがて肥え太り、大きく醜い芋虫となる。

おおくの詩人が、この酷く醜く酷く肥えた芋虫見せつけ悦に入る

カフカの変身、毒虫か

その姿こそが醜い。独り善がりの自己愛性パーソナリティ障害である

本物の詩人は、成熟した芋虫を蛹へと導く
蛹の中で、詩はドロドロに溶け、再構成される

僅かな時間で蛹の背は自ずから割れ
蝶の誕生のように息をのむほど鮮やかで美しく、「超ときめく」

それこそが「詩」である

蛹から出てこれず朽ちてしまう詩も多い。蛹になれば、時間をかけてはならぬ
時間をかけては腐る。かといいて早まってもならん。

「天ぷらの揚げ時ってのは、一度底に沈んだタネが浮き上がってきた時でっせ」と揚げ物やの店主は言う